「樹木希林展」へ @大丸福岡天神店

最後の展覧会

樹木希林展~遊びをせんとや生まれけむ~

全国各地から多くのラブコールがありながらコロナ過の為、巡回を断念した展覧会。

そこから5年が過ぎ。最後の希林展が福岡で開催されています。

樹木希林さん。最優秀主演女優賞など多くの栄誉に輝いた日本を代表する役者さん。もう説明もいらないですよね。

九州は希林さんにとって、病と向き合うために治療に通った晩年の希望の地であったそうです。そんなご縁があったんだ、と知りませんでした。

そんなゆかりのある地での展覧会。会場内は4つのエリアに分かれていました。まずはこちら。

日本アカデミー賞の部屋

たくさんの受賞された中でも、ハッと思わず撮った1枚はこちら。ほぼ今のわたしと同じ年なんです。

オールバックに着物姿がとてもカッコ良くて。他にもいつも素敵なお着物姿が多かったです。

そしてこちらは樹木希林さんのご長女、内田也哉子さん。内田也哉子さんもとても大好きで憧れている方です。

映画「万引き家族」で2019年に最優秀助演女優賞を受賞された希林さんですがその前年に、希林さんは天国へ。代理で也哉子さんが受賞コメントをしている1枚です。それだけでも感慨深く、当時の印象も目に焼き付いています。こちらのお着物は樹木希林さんのお着物でした。

内田也哉子さんの紡ぐ言葉もパネルで添えられていて、とってもとっても心が動く表現でした。

そしてデビュー前の写真や直筆の手紙からなる

一個人の部屋

樹木希林さんといえば。やはり内田裕也さんと共に歩んだ人生がドラマチック。

この素敵な写真は築地本願寺で挙げた結婚式にオーダーメイドで誂えたデニムスーツで登場した1枚。

当時は「斬新」という言葉だけでは一括りにできない時代背景だったと思います。

それでも常識にとらわれず、好きを全うする姿やファッションに対する考え方がこの1枚にぎゅっと凝縮されている気がします。そして何よりお2人が幸せそうでチャーミングな1枚。

30代、おばあちゃん役で眉毛と髪を脱色した時期。飼い猫と共に撮る写真すらフォトジェニック。

そして

言葉の道

展覧会でこの言葉がいちばん刺さりました。そして救われました。

2017年の西武・そごうさんのCMです。当時福岡に住んでいたのでこのCMは目にしていなかったと思います。

多少、演出もあるかと思いますが樹木希林さんから発する言葉だからこそ、うそがないし説得力がありました。身に纏ったアクセサリーとファッションがとてもお似合いでカッコ良くて。

2017年だけではもったいない、毎年、いや毎日流してほしい、誰かの支えになるCMでした。そして

正直に、そして淡々と思ったことを話しているお姿が目に浮かびます。

「やりたいことはなんなのかわからない」と言う大女優の希林さんの言葉はほんとだと思います。

その時を一生懸命生きている感覚があったからだと思います。その言葉にわたしも今を面白がってたのしく生きていこうと思いました。

そして片付けるのがすき、とのこと。共感もあり、嬉しくなった1枚です。

そして

日常の部屋

何度もメディアで目にした写真です。

ですが、こうして希林さんの軌跡をたどってから見るこの1枚はとても感慨深い、そしてほっこりとなる1枚でした。家族写真ってとっても良いですね。

そして、希林さんの奥深くへ。

気の赴くままに記していたノート。

いろんな言葉が大事に記されています。わたしも心が動いたときは必ずメモを取るようにしています。

きっとこれからも「自分」を作るものとして書いていいんだ、と自信を持てました。

最後に。家族の愛を感じました。

ババは幸せです

希林さんが孫娘、伽羅ちゃんに宛てたメッセージ。

こちらはぜひ会場で実物を見てほしい1枚。誰もいなかったら号泣していたと思います。

この展覧会は特別で。福岡ならではのイベントも開催されていました。

福岡限定

希林のお福分けブティック展示即売会

希林さんが実際に纏ったお洋服の展示即売会がありました。

福岡ファイナルを記念して10点以上の愛用していた服を販売されているそうです。

わたしが行った時は既に完売している商品もありました。希林さんのこだわりがたっぷり詰まったオーダーメイドのお洋服を観られるだけでも眼福・・・と思いきや実は欲しい・・・！！と思ったアイテムがあったので散々そのお洋服の前で立ちどまり、迷い、また戻りましたが、わたしにとって勇気あるお値段でしたので諦めました。・・・今でも心揺らいでいます(笑)ちなみに、ご遺族の意思で、チャリティとして売り上げの一部を寄付されます。

希林さんのワールドを体験できるのは12/15(月)までです。

面白がって平気に生きればいい

いろんな意見や人の言葉の温度を気にしてならないこの時代。

「わたしは、私。」を貫いてきた樹木希林さんの言葉や生き方に勇気をもらえた展覧会でした。