手づくり部

おしゃもじのお雛様

  • わち

2016.02.29

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20年程前に亡くなった祖母は「シュークリームに苺を入れて食べたら美味しいよ!」と食べさせてくれたり、「このラジオ番組を聞くときはコーヒーを入れるって決めているの」と言ってお家カフェしたり、大正生まれながら100人隊の先駆けのような人でした。そんな祖母がある日「いいことを思いついたんだけど。お雛様のお道具の箪笥があるから、その両脇におしゃもじを立ててお雛様を作ったらいいと思うの。お雛様の絵をおしゃもじに描いて。」と私に言いました。私は頼まれたことが嬉しくて嬉しくて、一生懸命、祖母が買ってきた2枚のおしゃもじに絵の具で下手くそな立ち雛の絵を描きました。祖母は喜んで小さな箪笥の横におしゃもじを立てかけて、緑茶を飲んでいました。そのおしゃもじは祖母と一緒に天国に行ったので、手元にはないのですが、ミニチュアの箪笥だけは今も私の手元に残っていて、3月が近づくと出して飾ったりしています。そして今年は「そうだ、おしゃもじのお雛様をまた作ってみよう!」とふと思い立ちました。


嵐山の竹製品のお店で小さなおしゃもじを2つ買ってきました。今回はおしゃもじの部分を顔にすることにしました。要らない紙におしゃもじをおいて、型をとり、かつらの型紙を作りました。顔は型紙で練習して、サインペンで一発勝負で書きました。おしゃもじを紙粘土で作った体に差して立つようにし、古い帯の端切れを巻いて着物にしました。


このマトリョーシカは祖母のいとこにあたる大叔母の家を整理したときに譲りうけたものです。旧ソビエト時代のお人形がたくさんあったお家で、以前クリップで登場した道化師のお人形と同じところから来たのです。3人官女の代わりに毎年この時期になると少し飾ります。我が家には姫はいないので桃の節句をする必要はないのですが、今年はギリギリでお雛様を飾りました。祖母も今頃天国でお雛様の飾りをしてお茶を飲んでいるでしょうか。祖母にはすごく可愛がってもらったので心残りはないつもりだったのですが、結婚して親となるとまた色々と聞きたいことが出てきます。昔の子育てはどうやってやっていたのかな。私の刺繍や息子を見せたかったな。

わち

43歳/夫・息子(7歳)/手づくり部・料理部/主婦、北欧刺繍家。自分でデザインしたキットでスウェーデン刺繍を教えたり、バッグを作る仕事をしています。実際に生活している視点から見つめる京都通信を綴っています。
Instagram:@yukika_wachi

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