暮らし発見

だって今日は810(ハト)の日だから。【矢沢あい】「天使なんかじゃない」を久しぶりに読んで。

  • 017 みもざ

2025.08.10

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LEE8・9月合併号が発売中の中、ひとつ前の号の話題でゴメンナサイ。LEE7月号の特集のことを。

いつもはまず前のファッションページから開き、次は後ろから開いて…をするのですが、7月号、目次を見て まず開いたのが「語らせて!矢沢あいさんの漫画の魅力」のページ。発売前からとっても楽しみにしていました。

久しぶりに「天使なんかじゃない」を私の手元に。

「漫画」を手放してから久しくなるのですが、

あー、せめて「矢沢あい作品」だけは残しておけばよかった!と思ったのが五年前。

あー、せめて「天使なんかじゃない」だけは残しておけばよかった!と思ったのが四年前。

買い直そうか。でも「天使なんかじゃない」のあのキラキラを 私は受け止められるのだろうか。それにスペースの問題!とか考えているうちに、日々のあれやこれやに紛れて「読みたい!」がまた下火に落ち着いて…。を、していました。が、

この特集。あぁ、やっぱり読みたい。やっぱり買おう!スペースの問題は何も解決していないけど、買ってしまえ!
新装版?完全版?どっちする?本屋さんである方を買う!と意気込んで、割と大きめの本屋さんに行ってみるも、見つけられず。「え?夏目漱石の『こころ』みたいに、いつでも並んでいるものではないの?」と驚き、店員さんに聞いてみると、「店頭に在庫はないですが、新装版・完全版、どちらもお取り寄せできますよ。」とのこと。
どっちにしよう?と少し迷ったものの、連載当時からの友人が、大学生の時にひとり暮らしをしている部屋に遊びに行かせてもらったら、本棚に完全版があったのを、「あー、そっちもかわいいな。」と羨ましかったのを思い出して、完全版に!

私、これ、知っている。

「3日後にはご用意できています。」というその日に受け取りに行ったものの、ドキドキして、なかなか開けられなかった一ページ目。
こどもが寝てから常夜灯の明かりの元 そっと開いてみると、「あぁ、私、これ知ってる!」。これがまず思ったこと。

「読んだこと、あるわ。」というレベルではない。コマ割りから、セリフから、次にくるセリフ、このページをめくると「りぼん」での見開きカラーページがくるな。
読み進めていくと、吹き出しの横とかに矢沢あいさん手書きで書かれているセリフ、その字さえも懐かしく、「私、これ、知っている!」
早くページをめくりたいけど、胸いっぱいでなかなか読み進められない。
一巻読み始めるとその一冊は一気に読んでしまうけど、次の一冊をなかなか開けられない。
そんな状態で4巻を読み終えました。

私的名シーンはここ。「マミリン、仁王立ちVサインで終わるシーン」

LEEの特集の「『天ない』&『ご近所』名シーン・名セリフ」の中で、『天ない』の誰もが知るあのシーンで私のコメントも掲載していただいているのですが、もうひとつ、編集部からのアンケートに挙げていたのが このシーン。

第一期生徒会の任期を知り、顧問の足立っつぁんの元へ詰める翠ちゃん達。
その危機をマミリンが華麗に切り抜ける!
足立っつぁんから諾を得た、その後!その号の最後のシーン!

マミリン、腰に手を当てVサイン。
翠ちゃんがマミリンに抱きつく。
晃が足立っつぁんのお茶をマミリンに差し出す。
足立っつぁんが、「それ、わしの…。」とつぶやく。
タキガワマン、ニコニコ。文太はバンザイ。

このシーン!ここです!

このシーンを「りぼん」発売日の翌日、朝から学校で、何度友達と再現したか!
「私、次マミリーン。」、「私、晃~。」と、その役をローテーションさせて何度もやる。休み時間の度にやる。

あ、次、このシーンくるな、というところから、あの頃の私たちのことも存分に噛みしめて読みました。



あぁ、そういうことか。

編集部から、この特集のアンケートが届いたときは、驚きとうれしさ、大興奮でその質問を読みました。
実は最初、「一番好きな『矢沢あい作品』は?」という質問に、「どれも好きなので選べないけど、今一番読みたいのは『ご近所物語』と『Paradise Kiss』。でも、マリブルも読みたい。」と書いていました。
(全然絞れない。「うすべにの嵐」も好き。)

次の質問、「印象的なシーンを教えてください。」
私の手元にはもう一冊もないのに、ありありと確信をもって浮かんでくるシーンは、どれもこれも「天使なんかじゃない」のもの。
「あぁ、そういうことか。」
一問目の回答を「天使なんかじゃない」に書き替えました。

「りぼん」を卒業してから随分月日は流れていたけど、それでも「漫画」をまだ持っていた頃、「天使なんかじゃない」、大人になってからは なかなかページを開けることができない自分がいました。
翠ちゃんって、明るくて人気者で、とってもいい子だから。
『ご近所』の実果子たちのような、『パラキス』の紫たちのような、何かに秀でてるけど完璧ではない彼らに安堵し、気安さをおぼえていたから。

連載当時、私はまだ幼くて、身をもってまでは、それほど感じたことがない、「せつないってこういうこと?」とか、「本当の友達って」とか、「毎月『りぼん』の発売日を楽しみにする。」とか、「あぁ、これで連載が終わってしまうのか。来月からどうしようか。」とか、そういう現実的なことも含め、いろんなことを初めて感じたのが、この「天使なんかじゃない」だった。

LEE7月号が発売された後、割りとすぐに手に入れた「天使なんかじゃない」。その月の間には「LEE最新号レビュー」としてブログを書くつもりでいたのに、とんでもない!書くどころか、読みきることもできなかった。

久しぶりに恐る恐る開いたページには、
変わらない翠ちゃんたちと、あの頃の私が、私たちがそこここにいて、
まるで自分のアルバムを見ているような、いや、それ以上にとりとめもないことを、例えば「塾の夏期講習であの子が着てきたシャツワンピに白のサボ!あれ、ほんまに似合ってたし、かわいかったし、羨ましかったなぁ。」なんてことまで思い出す自分を目の当たりにし、それが4巻分ですから、とてもエネルギーがいりました。

「私たち、恋愛の全ては『天使なんかじゃない』に教えてもらったやん。」
これは私の友人の言葉です。
その時は笑って「確かに!」なんて言ってたけど、「あぁ、こういうことか。」と、今回読んでみて腹の底からそう感じた。
恋愛も友情も、「人の心の機微」というものも「天使なんかじゃない」に、「矢沢あい作品」に教えてもらった。
私も、そのうちのひとりです。

017 みもざ

017 - みもざ

主婦 / 埼玉県 / LEE100人隊

43歳/夫・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大阪生まれ・大阪育ち、埼玉に引っ越してきて約10年。関西弁は抜けずとも、「マクドナルド」を「マック」とナチュラルに言っている自分に驚きます。秋が好き。チャイが好き。おうちでひとり、こっそり食べる おやつが好き。今年もここで書けることを喜びに。2026年度もよろしくお願いします。身長155㎝。

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