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『西洋絵画、どこから見るか?ールネサンスから印象派まで』に滑り込みで行ってきました!

  • 053 ブルー

2025.06.11

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こんにちは!
053 ブルーです。

先日、上野公園内の国立西洋美術館で開催されていた『西洋美術、どこから見るか?ールネサンスから印象派まで』に、会期終了間際に滑り込みで行ってきました!

「なるほど!」と唸りたくなる展示の連続で、純粋にとっても面白い美術展でした!ぜひこの感動を伝えさせてください♪

アメリカのサンディエゴ美術館&国立西洋美術館の西洋絵画が集結!

『西洋絵画、どこから見るか?ールネサンスから印象派まで』はアメリカのサンディエゴ美術館と、国立西洋美術館の所蔵作品を、「どこから見るか?」に焦点を当てて展示された美術展。

今回の展覧会は、なんと全作品写真撮影OK!
写真撮影に夢中になって目の前の作品に向き合えない…という事態は避けたいところですが、
やはり帰宅して見返して「この作品のここがよかったな~」と浸れるのが嬉しいですね♪

正直、今回は個人的に「この作品が見たい!」というお目当ての画家の作品が出展されていたわけではなく、完全に展覧会のタイトルに惹かれました。

なんとなく好きな画家や画風はあるけれど、
もっと知識があり違う観点から観れば興味深く感じられた作品を、今までたくさん見逃してきたはず。
これから美術館に行く際に、鑑賞の楽しみ方に幅を持たせてもっと作品の魅力に気付きたいと思い、
『西洋絵画、どこから見るか?』に行ってきました。

結果、こんなに全ての作品をじーっと観たことあるかな?というくらい、全作品を堪能してきました!

注目ポイントを教えてくれる《DOKOMIRU?》や丁寧な解説

西洋絵画ということで、目立っていたのは宗教画でした。
個人的に宗教画は、自分の知識の浅さからどれも同じように見えてしまい「積極的に観よう!」というジャンルではなかったのですが、こんなに興味をもって宗教画を観賞できたのは初めてかもしれません…!

作品の形に隠された背景は?

『父なる神と天使』(ジョット)

右下の〇に注目してください!(ボヤけていてすみません…)その絵画の注目すべき点を《DOKOMIRU?》=「どこから見る?」ポイントとして書いてくれているのです!いくつかの絵画にはこのようにDOKOMIRU?ポイントが掲示されているので、どうしてだろう?と興味を持って観賞することができます。
会場に入って一番に目にするこの絵画の《DOKOMIRU?》ポイントは「四角形ではないその理由は?」。このエリアには他にも半円など四角形でない絵画たちが展示されてあり、一つ一つに「なぜだろう?」と考えながら向き合い、この美術展の世界に自然とひきこまれていました。

イエス・キリストと母マリアが向かい合ったような構図

『悲しみの聖母』『荊冠のキリスト』(ディーリック・バウツ)

《DOKOMIRU?》ポイントはついてなかったのですが、二人の表情に関する詳しい説明書きのおかげで、とても心に残った作品です。

茨の冠を被り蒼白な顔つきから、十字架にかけられたイエスの表情であることが想像できます。その隣で手をあわすのは、母マリア。彼女も我が子の運命を悲しみ泣きはらし、目を充血させているのが分かります。
1枚の絵に2人を描くのではなく、2つの絵画が合わせ鏡のように対になっていることから、2人が視線を送り合っているように見えるこの作品。解説を読まなければ気付けないポイントでした。
特に印象的なのは、おもむろに悲しい表情をしていなくても伝わってくる、胸がえぐられそうなマリアの辛さ。親子の深い愛情が感じられ、忘れられない作品になりました。

同じテーマの絵画を並べてみると、画家の個性が浮き彫りに!

またこの美術展で面白かったのは、同じ場面・テーマで描かれた絵画が比較しやすい位置に並べて展示されていたこと。複数と比べてみると、画家が誇張したかったこと、その時代に流行したタッチなどが単体で観るよりもわかりやすかったです。

宗教画お馴染みのテーマの絵画を並べてみると…

まずは聖母子像から。

左:『聖母子』(アンドレア・デル・サルト)  右:『聖母子』(カルロ・クリヴェッリ)

右の1468年頃の作品は威厳が感じられる表情、1516年頃に描かれた左の作品は柔らかで愛情あふれる表情をしていて、親しみやすい雰囲気が感じられます。

下の2点はイエス・キリストの捕縛の場面。
上は捕縛する側の人々の心の醜さが顔つきに投影されていて、下はイエスの悲哀に満ちた表情が象徴的。

『キリストの捕縛』(ヒエロニムス・ボス)
『キリスト捕縛』 (バルトロメオ・マンフレーディ)カラヴァッジョに影響を受けた明暗をくっきりさせた描き方で、イエスの表情を際立たせています。

イタリアの「都市景観画」 あなたは写実的が好み?空想の世界が好み?

18世紀にイタリアのグランド・ツアーが流行したことをきっかけに好まれるようになったのが、「都市景観画」。この都市景観画も、画家によって描き方が全く異なります。

『ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望むモーロ岸壁』(ベルナルド・ベロット)
左:『モンテ・カヴァッロの巨像と聖堂の見える空想のローマ景観』右:『マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観』(ともにユベール・ロベール)

写真かと見まがうような緻密な絵画は、水の都ヴェネツィアの細部まで描いたベロットの初期作品。対するユベール・ロベールは、神殿などローマの象徴的な建築物を組み合わせ、そこに人々が自然に暮らしているような、実際にはありえない空想的な場面を絵におさめています。
まだカメラが発明されていなかった時代。画家たちの個性の光る絵画が写真のように、旅の思い出を形に残す役割もしていたことを実感しました。



有名画家の作品もたくさん♬

また認知度の高い画家の作品も展示されています。

エル・グレコのダイナミックな色使いの絵画や

『悔悛する聖ペトロ』(エル・グレコ)

ルーベンスの温かみの溢れる作品

『眠っている二人の子ども』(ペーテル・パウル・ルーベンス)

巨匠たちの絵画にはやはり圧倒されます!

メインビジュアルになっている『マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物』(フアン・サンチェス・コタン)はうっかり写真を撮りそびれてしまったのですが、身近な野菜・果物が吊るされていたり枠からはみ出るように置かれていたりという構図の大胆さは、ハッとするような美しさでした。
他にも紹介しきれないほど、見どころもりだくさんでした!

一番胸を打たれた作品

作品を観て、丁寧な解説を読んで「なるほど!」と思い、再度作品を観て確認…を繰り返していたのですが、作品のバックボーンを抜きにして、ただその美しさにぐっと心が掴まれた作品があります。

それは、『悔悛するマグダラのマリア』(ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ)

イエスによって改心し、その後イエスに従い、死後復活したイエスを目の当たりにしたマグダラのマリア。

涙をためた瞳
しっかりとこちらを見つめるまっすぐな目線
左手で掴んでいる骸骨

それらからは、切実な悲しみ、怒り、やるせなさなどが伝わってきました。
マリアの芯の強さを表すようなこの作品から目が離せなくなってしまい、長く作品の前から動けなくなるほどでした。

何もかも抜きにしてひたすら自分の感性に訴えてくる、「この作品、好き!」と思える作品に出会える。
そんな出会いも美術鑑賞の醍醐味だなと、とても胸が熱くなりました。

美術鑑賞を楽しむヒントが詰まった展覧会

知っている画家の作品は少なかったものの、
なぜ登場人物はそんな表情をしているのか、
なぜその画家は評価されているのか、
全くモチーフの異なる作品の共通点は何か、
逆に同じモチーフの作品の着眼点の違い
などなど…

ただ展示されているだけならば「きれいだな~」と素通りしてしまうかもしれない西洋絵画の真の魅力に、初心者でも気付ける見方を提案してくれる美術展でした!

『自画像』(マリー=ガブリエル・カペ)まだ女性の美術教育の参加が認められていなかった時代の、女性画家の自画像とのこと。自信あふれる表情の彼女に、なんだか観ている自分まで誇らしくなってきます。

これから美術館に行った際は、この光の当たり方はあの画家の影響?描かれている人物はなぜこんな表情?この人はだれ?などなど、作品に対して抱いた少しの疑問に向き合い、自分なりにさまざまな角度から観賞していこうと思いました。
1つの作品にしっかり向き合う分、美術館の滞在時間が長くなってしまいそうですが、これからの美術鑑賞では更に絵画と対話する濃密な時間が過ごせそうです!

知らなかったことにたくさん触れ、「あ~面白かった!」と満足感でいっぱいになれた美術展でした!

東京展の会期は6/9(日)で終了してしまったので、「ぜひ行ってみてください!」と言えないのがとても悔やまれるところなのですが、この後は京都に場所を移し開催予定のようです。
会場のお近くにお住まいで、「宗教画ってとっつきにくい…」「好きな作品以外の絵画の観るべきポイントがイマイチわからない…」という方!これからの西洋絵画の観賞方法をガラリと変えるきっかけをくれるかもしれません。ぜひ足を運んでみてください♪

053 - ブルー

主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊

37歳/夫・息子(8歳)・娘(4歳)/料理部・美容部/岡山県出身。パン屋さんめぐり、旅行&お土産を買うこと、美術鑑賞(特にゴッホの作品)が趣味。きれいめカジュアルを軸に「自分にとって心地いいファッション」を模索中。子どもたちとのお出かけ&旅行、おいしいもの、ファッション、自分の心が動いた出来事。丁寧な生活とはほど遠いバタバタな毎日の中で見つけた「あ、これいいな」と感じたものを、ありのままに皆さんに共有していきたいと思います。身長156cm。

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