高校野球小説×母
高校野球をやっている息子を持つ母が主人公のお話です。スポーツ小説はよくありますが、母目線というのはなかなか新しいと思いました。
早見和真さんの小説で、本屋大賞にノミネートされた作品ということで読んで見ました。
あらすじ
物語は、“母”の目線で綴られていきます。高校受験の進路決定から高校卒業まで、およそ3年間。
思春期という繊細な時期に、子どもは野球に、親はその姿に向き合いながら、共に歩んできました。
今も残っているのかは分かりませんが、かつて当たり前のように存在していた体罰やいじめの文化。
そして、想像以上に濃密で複雑な「高校野球を支える父母会」というコミュニティ。
母として、親として、ひとりの大人として――悩み、葛藤しながらも息子を支え続けた日々。
これは、“たった3年、されど3年”の記録です。
とにかく泣けました
主人公・航太郎くんが、野球を通して経験する挫折や怪我、先輩との関係、家庭環境――
さまざまな困難を乗り越えていく姿に、何度も胸を打たれます。見ていて辛くなる場面もありますが、それでも彼は、自分なりに前に進んでいきます。
そして母・奈々子がまた、かっこいいんです。
監督との対立や、上級生の保護者とのいざこざにも立ち向かい、航太郎くんのために強く、したたかに支えていきます。そんな奈々子自身も、息子とともに成長していく姿が描かれています。
ページをめくるたびに、目頭が熱くなりました。
色々な人の支えがある
親ならではのもどかしさ、どうしようもない気持ちに何度も共感させられます。
結局、親にできることには限界がある。子どもの人生は、子どものもの。
そんな中でも奈々子は、うまく距離をとりながら寄り添い、想いを伝え、ごはんをたくさん作って支えていきます。「わかるーーー!」と、母親目線で何度もうなずきながら読みました。
親子を取り巻く友人たちも、ベンチ入り、推薦入学、一般入試……それぞれに葛藤を抱えながらも、支え合って進んでいきます。
改めて、スポーツは「いろいろな人の支えで成り立っている」と感じさせられました。

TB - あお
会社員 / 埼玉県 / LEE100人隊トップブロガー
39歳/夫・息子(14歳・8歳)/フルタイムの会社員、ワーママ歴は13年目に突入。39歳でリモートワーク中心の会社に転職しました。平日はとにかく質素に疲れないように過ごし、土日は子ども達の試合を見に行ったり、カフェに行ったりアクティブに過ごしてます。趣味は読書、料理、インテリア。特技は家計管理。日々、自分の心と身体を整えるために、ジャーナリング、読書、ヨガ、ウォーキングや筋トレに勤しんでいます。骨格ストレート、イエベ秋。身長153cm。
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TB あお