暮らし発見

【能登半島地震】B-SIDE⑦ サバイバーズ・ギルト

  • 001 ミミ

2025.03.12 更新日:2025.04.03

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辛い気持ちを経験した場から離れる

様々な思いを抱えたまま

金沢の自宅に戻ると

意外に、気持ちが少し楽になりました。

思えば

最初の揺れも、

はる香さんたちの安否を思って

眠れない夜を過ごしていた日々も、

辛い事実を目の当たりにした瞬間も、

全部、夫の実家にいた時だったので

場所が変わると、

少し楽になるもんなのかな、、、

と思ったり。

そして、震災以来、

お正月期間に家族で外出したりなんて

安全面からも、

精神面からも、

到底出来る状態じゃなかったので、

ちょっとは外に出ようか。

といって、駅ビルにランチをしに行ってきました。

震災の影響で

2箇所あるうちのエスカレーターが

1箇所しか稼働してなかったり、

ところどころ不都合はありましたが、

街のにぎわいはそれなりにありました。

 

この日、年が開けて初めて

夜ご飯を5人だけで食べたり、

自宅のお風呂に入ったり。

久しぶりに日常に復し、思ったことがあります。

 

ああ 私

普通に生活、してていいんだ…

と。

survivor’s guilt

後で知りましたが、

これはサバイバーズギルトというらしいです。

なんだか、震災後から

自分の頭の中が、

暗く悲しいニュース一色に染まってしまい、

食事を食べている時も

お風呂に入っている時も

妙な罪悪感を抱いてしまっていました。

あんなにつらい思いをしているのに

被災地の人はさぞかし苦しいだろうに

特にお父さんのことを思うと

本当に食事も味がよくわからず

あったかいお風呂に浸かっているときも

普段ならリラックス出来るはずが

子供の前で泣けない分の思いが溢れて

涙が止まらず、、、

といった生活を夫の実家で送っていました。

でも、本来過ごしている元の環境に戻ったことで、

ああ、この生活でいい

こういうふうに感じて良いんだ

美味しいものを食べたら

幸せだと思って良いんだ。

お風呂入ったら

気持ちいいなと感じて良いんだ。

と、そう考えられるようになりました。

 

日常生活で毎日当たり前に感じていたはずの

心や気持ちの持っていき方すら

わからなくなってしまっていた

普通に感じていたことを

普通とすら感じられなくなってしまっていた

それくらい

震災のショックは大きかったのだと

改めて自分が実感した出来事でした。

別の種類の悲しみ

この日の夕方、娘が

優香ちゃんから

一番最近もらったお手紙を出してきて

私に見せてくれました。

思わず声を上げて泣いてしまいました。

そしたら、

「おとうさん、おかあさんやめてよ、、」

といって娘も泣き始め。

えっ、といって後ろを振り返ると

夫まで泣いていました。

夫が泣いたのを見たのは

娘が生まれたときぶりでした。

 

なんで。

本来だったら、こんな思いで

こんなタイミングで

開かれることなんてなかったはずの手紙なのに。

これは、ずっと

娘の大切な宝物入れにしまっておかれて

高校生になったり、大人になって

こんな手紙くれたよねって

優香と2人で一緒に見返して

微笑まれるはずの手紙だったのに。

なんで。なんで。

覚悟していたはずの

こういう種類の悲しみも、また

私達の心をズタズタに引き裂きました。

001 - ミミ

専門職 / 石川県 / LEE100人隊

41歳/夫・娘(13歳)・息子(5歳・2歳)/料理部・美容部/旅、インテリア、ガーデニングなどが好きです。おいしいものも大好き。3人の育児と仕事で目が回りそうな毎日ですが、LEE100人隊の活動は自分の中の「好き」を再発見できる大切な場所です。気づけば2年目!いろんなことにチャレンジしながら、日々を楽しく過ごしていきたいです。

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