オーディオブックに本を読んでもらいながら家事をしている私。
子どもたちが夏休み中なこともあり何かとせわしない今日この頃ですが、心にすーっと風が通るような心地よい物語と出会うことができました。
旅と出会いの多い夏休みに、ぴったりな本だと感じたのでぜひご紹介させてください。
(Kindleのprime Readingでも読めます♪)
始まりは悲劇から
突然勤め先が倒産し、取り立て屋が会社を取り囲んでいるシーンからのスタート。
還暦の主人公は失職して途方にくれてしまいますがそんな時、社長から「退職金代わりに」とキャンピングカーをもらいます。
どうしても人助けがやめられない主人公
人と深く関わることは好まないのに困っている人がいると助けずにはいられない性分の主人公。
キャンピングカーを譲り受けたその日の帰り道、雨の中駅前でタクシー待ちをしている老婦人とその介助者の女性を見過ごすことができず車に乗せてあげるところから物語は展開していきます。
いい人しか出てこない
キャンピングカーを使って人助けをしていく中で
「こんないい人しか出てこない話、小説だったら売れない」と主人公が話すシーンがあるのですが、「この本のこと言ってる?」とくすりと笑えます。
確かに出てくる人出てくる人皆心優しい方ばかり♡
とはいえ、ハラハラする場面、ムカっと来る場面も盛り込まれており困難を一緒に乗り越えていく感覚も味わえます。
正直、こんなに上手くいく?と思ってしまったり、もしかしたらこういう展開?と予想できてしまったりするところもあるのですが、それでも読めば幸せな気持ちになれることがわかるような信頼感のある書きぶりに続きが気になり一気に読み進められてしまう作品です。
人生の岐路
様々な人との出会いでお互いに影響を与えながら少しずつ人間が変化していく様は、リアルな世界と同じだなぁ、あの時あそこであの人に会っていなければと人生が変わっていたんだろうなぁと感慨深く読みました。
人の優しさを感じるシーンの多い物語ではありますが、後半では主人公の10年前の悲しい出来事と対峙するシリアスな場面もあり心がヒリヒリと痛みます。
世の中の理不尽さ、真面目に生きているのに報われない苦しさを感じます。
あとがきも良い
不思議なことに、あとがきは著者が書いているというよりも主人公が書いているように感じました。きっと物語の主人公のように誠実で真面目な方なんだろうなぁとまた心がぽっと温かくなりました。
最後のメッセージまで余すことなく楽しんでほしい1冊です。
むぎちゃん
085 - むぎちゃん
主婦 / 東京都 / LEE100人隊
40歳/夫・娘(13歳)・息子(10歳・6歳)/手づくり部・料理部/2年目隊員になりました。転勤族、古くて狭い団地でも楽しく暮らす♪を目指し、少ない持ち物で自分なりに工夫しながら、ベランダ菜園や季節飾りなど楽しんでいます。刺繍やアロマも好きです。趣味で絵画教室へ通い始め1年半になりました。デッサンを習い、物の新しい見え方に気付けることの喜びを感じています。繰り返しに感じられる毎日の中にも、自分なりの気付きを得ながらブログを書いていきたいです。よろしくお願いいたします。
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