(※ミュージアム内は基本的に全て撮影NGです。フォトスポットのみ撮影OKでした。)
Social Studies Tour!!
運動会の代休に…
花王ミュージアムの来館見学ツアーに参加して来ました
先日、小学校運動会の代休の日に、花王ミュージアムの来館見学ツアーに次男(小5)・末っ娘(小2)と3人で参加して来ました!(中2長男は普通に学校がある日でした)来館見学ツアー実施日は平日のみ。所要時間は60分。完全事前予約制で、入場無料、HPの来館予約システムから予約します。見学時間帯は3枠あり、10:00~/14:00~/15:30~。写真・動画撮影や録音は一切禁止です。対象年齢は小学3年生以上ですが、保護者同伴の場合は小学2年生以下でも入館可能。
ミュージアム内は3つの展示ゾーンに分かれており、
- 清浄文化史ゾーン
- 花王の歴史ゾーン
- コミュニケーションプラザ
…の順番にツアーガイドのスタッフさんがフルアテンドで説明してくださいます!受付を済ませると、スクリーンのある待合室でまず簡単に創業から現在までの事業概要と企業理念「花王ウェイ」について事前学習。ミネラルウォーターを1人1本いただけるサービスがありました。
以下、写真はありませんがそれぞれのゾーンについて紹介させてください。
【Part.1】
古今東西、人類の「清浄」にまつわる営みについて学ぶ
清浄文化史ゾーン
あまり耳馴染みのないワード「清浄文化」とは、入浴、洗たく、掃除、化粧などがこれに分類されるそうです。清浄の足跡は、今から4,000年前(紀元前2,500年)にまで遡ります。古代メソポタミア文明やシュメール文明の遺跡から発掘された粘土板には既に石けんの記録が残されているのだとか…!紀元前2,000年頃の古代エジプトの壁画には、洗濯する人々が描かれており、洗浄料にはナツメヤシ・タマリンドを燃やした灰汁(あく)やアルカリ性の好物、酸性の土や砂を利用していたそうです。紀元前100年頃のローマやポンペイの遺跡からはステファヌスのクリーニング工房の建物や足踏み洗いの壁画が発掘されており、洗浄料には尿を腐らせて出来るアンモニアを利用(これもアルカリ性ですね)。紀元後200年の古代ローマのカラカラ浴場には既にサウナや温浴施設が。「テルマエ」と呼ばれる公衆浴場が多数作られ図書館や運動場も併設、市民の娯楽施設であり社交の場として発展したようです。
続いては、お風呂の歴史を辿りながら「日本人と清浄観」を学ぶ展示へ。約1,400年前の、比叡山の西に位置する八瀬の釜風呂は日本最古のお風呂で、サウナのような蒸し風呂の一種だったとのこと。次に寺院の施浴について。奈良時代、仏教の教えにより身や心を浄めるために沐浴することが功徳の一つとされ、寺院には大きな浴堂が設けられるように。一般大衆に解放された「施湯(ほどこしゆ)」は聖武天皇の妃・光明皇后が奈良の東大寺に設けた大湯屋が最古のもので、鉄湯船は重要文化財に指定されているそうです。光明皇后は皮膚がただれ膿が出ている患者にも躊躇わず平等に触れ合い1,000人もの人々に施浴をおこなったという伝説が残っているのだとか。この時代のお風呂はまだ蒸し風呂のようなもので、温水浴の普及はもっと後、江戸時代に入ってからとなります。
平安時代には、国風文化が栄えます。日本では平安時代の頃から洗濯や洗顔に天然の洗浄料が使われていた記録があり、「ムクロジ」や「サイカチ」という植物に含まれる「サポニン」は天然の界面活性剤で、水に浸して揉むと泡立つことから、これを石けんとして利用していたとのこと。また、「ウグイスの糞」は肌を白くしシミをなくす効果があるとして洗顔料に使われていたのだそうです。
日本に初めて「石けん」が入って来たのは戦国時代、16世紀に入ってから。種子島への鉄砲伝来と同じ頃なのだとか。当時交易のあったポルトガルの船が「しゃぼん(sabao)」を持ち込み、第二次世界大戦前までは「しゃぼん」の呼び名が使われていました。石けん作りは難しく、日本で国産化するまで、「しゃぼん」伝来以来、実に300年かかることに。
そして江戸時代。庶民の暮らしを衛生観念の視点から紐解いて行きます。江戸は神田上水など上水道が整備され人口100万人のリサイクル都市に発展、「街ごとに銭湯あり」と言われるほど銭湯が江戸の街に普及、武士や町人も利用した銭湯は社交の場でもあり娯楽施設でもあり、大切な情報交換の場としての役割を果たしていたそうです。江戸時代の銭湯のある街を再現したジオラマや、洗髪・髪結いの道具、歯みがきセットや房楊枝の展示がありました。
次は、「花王の歴史ゾーン」へ!
【Part.2】
花王の「よきモノづくり」の変遷を学ぶ
花王の歴史ゾーン
花王の歴史は明治時代、創業者・長瀬富郎(ながせとみろう)が日本橋馬喰町に洋小間物を扱う「長瀬商店」を創業するところから始まります。文明開化まもない当時「石けん」と言えば高価な舶来品か、国産で安価でも質の良くないものしかなかった時代に、「良質な国産の石けんを作る」という信念を抱いた長瀬富郎は、石けん職人の村田亀太郎と薬剤師の瀬戸末吉とともに「花王石鹸」を完成させたそうです…!!当時価格にしてお蕎麦の12倍の値段(今だとお蕎麦1杯500円として、石けん3個入り6,000円というところでしょうか…とツアーガイドさんの説明が)。ジアスターゼの発見者・高峰譲吉博士による「分析証明書」と丁寧な説明書きを添え、石けんは蝋の紙で一つひとつ包み、桐の箱に収められた「花王石鹸」は、1890年には満を持して全国的発売へ!「花王」の社名は高品質で「顔も洗える」石けんということに由来しているのだとか。(当時の配合ノートが残存するため、発売当時の香りを楽しめる展示物もありました!)
長瀬富郎は花王石鹸の他にも化粧水「二八水(にはちすい)」や歯磨き粉「寿考散(じゅこうさん)」を発売。結核のため48歳という若さで病没するも、彼の遺言「天佑は常に道を正しく待つべし(誠実に勤勉に仕事に取り組み、正道を歩むこと)」は現在に至るまで変わらない企業理念として息づいています。
1927年には2代目の長瀬富郎(←お父さんと息子さん、同じ名前なんですね…!)が社長に就任、すぐに欧米視察へ。石けん製造法の近代化を推進し、徒弟制や職制は廃止、経営の近代化と合理化を図り、1931年には「新装花王石鹸」を発売、1932年には「花王シャンプー」を発売。当時の髪洗い粉=荒物屋のイメージ払拭、シャンプーに化粧品的イメージを定着させ大ヒットに。1934年には生活者のニーズに一層応えるため「家事科学研究所」を設立、家事全般を科学的視点で分析し効率最適化・合理化させることを目的とした消費者研究のパイオニア的存在となったそうです。
1935~1969年は油脂総合化学への展開を見せ、1938年に「エキセリン」(家庭用粉末合成洗剤)発売、1953年には洗濯石けん「ワンダフル」を発売。重質合成洗剤であるワンダフルは洗濯機の冷たい水の中でもサッと溶ける画期的なものでした。1955年には花王フェザーシャンプーが発売し、売れに売れまくって海外進出のきっかけになった商品。
花王の月のマークにも変遷が。下弦の三日月だったものが上弦の三日月になり満月に向かって満ちて行くものに変更されました。行動経済成長期、時代のニーズに合わせて1964年にはコンクリートの強度と流動性を高める「マイティ」(セメント分散剤)発売。界面活性剤の分散機能を応用したものだそうです。洗濯用洗剤、小さくコンパクトになったのは1987年発売の「アタック」からです。発売当初の洗濯洗剤「ビーズ」の実物大も展示してあり、その大きさに驚きました。(買って帰るのも大変そうだな~と…)
石けんから始まった事業は、石けんの枠を超えて、1970年に「メリット」、1978年に「ロリエ」、1980年に「ビオレ」、1982年に「ソフィーナ」、1983年に「メリーズ」、1994年に「クイックルワイパー」を発売。どれもメジャーな商品ばかりですよね…!!
UR都市機構の協力のもと原寸大に再現された昭和レトロな団地の一室のレプリカは必見です!!高度経済成長期のダイニングキッチンや水洗トイレ、お風呂などを見ることが出来ます。
【Part.3】
花王の「いま」を学ぶ
コミュニケーションプラザ
コミュニケーションプラザでは、花王の最新技術やSDGsに貢献する取り組み内容について学びました。たとえば家事の担い手の多様化が進んでいるお風呂掃除で使う「バスマジックリン」。老若男女問わず誰でも楽にキレイに仕上げられるよう、液が途切れず出し続けられる蓄圧式連射ミスト「エアジェット」採用、洗剤は新開発の「速効分解処方」でこすらず30秒待って流すだけ!
また「メリット」にはユニバーサルデザイン搭載、シャンプー側にギザギザのきざみを入れることに。1991年に初めてボトルにギザギザ入りのシャンプーが発売に。その後業界全体に働きかけ、ほとんどのシャンプーに「きざみ」が入ることになったのだとか。詰め替え用にも抜かりなく、キャップにギザギザのきざみが入っています。
蚊が媒介する感染症・デング熱が流行するタイでは、2022年に新発想の蚊よけ商品「ビオレガード モスブロックセラム」を発売、シリコーンオイルを応用した新技術で忌避剤とは全く違う作用機序を持つ(蚊が足を捉えられるように感じさせるのだとか…)これまでにないモスキートブロックで、今年には台湾・香港・シンガポールで発売予定とのこと。
農業分野でも強みを発揮、スマート農業への取り組みも盛んで、ものの表面をコントロールする「界面科学技術」で社会を守り支えています。農薬と植物の二者を馴染ませ食糧の安定生産や減農薬に貢献しているのが機能性展着剤「アジュバンド」。農薬効果を安定かさせるために添加する補助剤で、環境を守りひいては未来に繋がって行きます。農業の担い手の高齢化が問題になっている日本においては、今後ますます需要が高まることが予想されています。
花王の取り組みは、リサイクル分野でも。廃PET(廃棄処分されるポリエツレンテレフタレート素材)を活用して、新たな高耐久アスファルト改質剤「ニュートラック」を開発。従来のアスファルト合剤にわずか1%添加するだけで高耐久化が可能に。添加前と添加後の比較動画もその場で視聴することが出来ました。道路の安全性を担保するだけでなく、環境負荷低減にも貢献する素晴らしい製品ですね。
以上のように、長年培われて来た、界面活性剤をはじめとした油脂化学やポリマーなどの花王の技術は、道路・橋などの土木・建設、医薬品、食料品、紙・パルプ製品などあらゆる産業分野のケミカル製品に活用されているそうです…!!
これにて、フルアテンドの見学ツアーは終了・解散です!!(これだけの情報量を全部お一人でカンペなしで説明されていたスタッフさん…、完璧なまでのプロのお仕事でした。ちなみに録音はNGです!)続いて、フォトスポットと来館記念のおみやげについて紹介させてください。
【Part.4】Photo Spot!!
ここだけは撮影OK
来館記念のフォトスポット
エントランスには唯一写真撮影OKのフォトスポットが!!来館記念にパシャッと。花王と言えば!の、シンボルマークのお月様のフォトプロップを持たせてもらいました♡ 人に、社会に、地球にそっと寄り添うお月様。製品のロゴには使われていませんが、今も「美と清浄」を表すコーポレートシンボルとしてこちらのお月様は使われているそうです!!
【Part.5】
お楽しみのおみやげ
いただいたのは
来館記念にいただいたお土産は、こちらの3点。小冊子“Let’s eco together!花王といっしょに、みんなでエコ。2020”と、ミネラルウォーター、そしてビオレUの薬用泡ハンドソープのボトル丸ごと1本!小冊子は、一人ひとりが今日からすぐに取り組める省エネ・節水・節電・ごみ削減の工夫や、花王が未来の社会のために取り組んでいる製品作りや事業内容を簡易な言葉を使って学べる内容になっています。
私+子ども2人分でハンドソープ3本も…!(ありがたや…🙏)
Extra stuff…
東京スカイツリーが見えます
花王ミュージアム/花王すみだ事業所のすぐそばに!
花王ミュージアム/花王すみだ事業所から徒歩15分ほどの距離にある駅は押上(東京スカイツリー)駅。この日は曇天ではありましたが、天まで聳え立つ東京スカイツリーが見えて子ども達もテンションが上がっていました!
子ども達は習い事の時間の関係で、見学後すぐに帰路についてしまいましたが…、時間が許すならば東京スカイツリーに足を伸ばしてみたい!とも思いました。晴れた日はお散歩も気持ち良さそうですね。
創業から130年以上。花王ミュージアムでは、その歴史的厚みとともに、これまで知らなかった最新のケミカル事業やバイオテクノロジー分野の事業について知ることが出来ました。来館予約は、花王HPにて受付されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね◎
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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