こんにちは、057しょこみです。

今更ながら、4月の読書記録です。。。

とても良かったのでご紹介させてください。

「傷を愛せるか」宮地尚子　読了

トラウマ研究の第一人者であり精神科医でもある著者のエッセイです。

お勉強系の“トラウマとは”みたいな内容ではなくエッセイなのがポイント。

目線がひたすらにやさしくて、傷ついた人たちをそのまま受け入れ、守り、ずっと見ていてくれるような。

傷ついた人たちにとって、“傷が癒えることはない”というありのままを肯定してもらえることって、実はあまりないのかもしれません。

“傷は癒えるもの”、“つらい記憶は乗り越えるもの”、そんな価値観がさらに刃になることがある。

専門家である著者は、そのことを十二分に分かっているのだなぁと感じました。

傷を傷のまま抱えて生きていかねばならない人たちが、どうすれば少しでも穏やかに幸せに過ごすことができるのか。

理不尽に傷つけられた人たちが、自分を愛することはとても難しい。

だから、まわりがその人の“傷を愛せるか”どうかが本当に重要なこと。なかったことにせず、癒えるものとせず、乗り越えるべきものとせず。

傷ついた自分がまるっと愛されることで初めて、彼ら彼女らは自分を大切にできるのかもしれません。

手元に置いておきたい一冊です。

【057しょこみ】