ひきつづき、春(桜)の絵本のお話。
大好きな童話作家、安房直子さん
安房さんの「春」のお話は何作もあるのですが、どれもすごく好きです。
華やかで明るい春のイメージ。
一方で、その影にちらりと潜むさみしさ、もの悲しさ、ときには恐ろしさ…。
みたいなものもしっかり描かれていて、そういうところに無性に惹きつけられます。
うさぎのくれたバレエシューズ

もともと自分が好きで購入した絵本なのですが、最近我が子がバレエの体験レッスンに行くことになり、ちょうどいいやと読み聞かせをしています。
バレエがなかなか上達しない女の子が、桜の花びらのようにくるくるふわふわと舞うようになる場面は、文章も絵も、息を呑む美しさです。

ちなみに絵の南塚直子さんは、銅版画家さん。
この、安房直子さん×南塚直子さん(直子さんコンビ!)のお二人の組み合わせで他にも何作か絵本が出ているのですが、私はこのお二人による作品がものすごく好きで。
お互いの世界観をより素敵にしあっているようだなあ、息ぴったりな感じがするなあ…と、毎回読むたびにうっとりしています。
みどりのスキップ

それまで安房さん×南塚さんのコンビが一番好きだと思っていた私ですが、今から11年前にこちらの本が刊行されたとき、「くう〜っ!」となりました。なぜかと言いますと…。
大好きな絵本作家、出久根育さんが絵を描いていらっしゃるから。
出久根さんの絵は、ただきれいとかかわいいというだけじゃなくて、うっすら闇を感じさせるというか、どこか不穏なところもあったりする気がしていて、そういうところが安房さんのお話とすごく仲良しでぴったりだなあと感じています。

お話は、とにかくせつないです。
桜が散ってしまうのをなんとか食い止めたい「みみずく」の姿がなんとも必死で、その必死さはときに滑稽。でも、苦しくなるくらい健気。
桜は散るものという自然の摂理を、こうもせつなく、そして愛おしい童話に仕立て上げることができるものなのだなあ…と、読むたびに安房さん作品のすごさを感じます。
こちらは読み聞かせもいいですし、読みものとして小学校1、2年くらいの子が読むのもちょうどいいと思います。
春の窓

文庫本のこちら、昔ご紹介したことがありました。春のお話以外にも何遍か収録されている童話集です。
この時も書いていますが、童話だからといって子どもだけのものと思うのはもったいない!
最近メルヘン足りてないな〜という大人の方いましたら、すごくお薦めしたいです♡
もし気になられましたら、ぜひお手に取ってみてください。
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パート / 東京都 / LEE100人隊トップブロガー
40歳/夫・娘(6歳)・息子(3歳)/手づくり部・料理部・美容部/平日は仕事、休日は子どもの習いごとと、毎日忙しく過ごしています。隙間時間に海外ドラマ鑑賞、読書をするのが趣味ですが、最近ピアノと編み物(かぎ針編み)を始めて夢中になっています。コーヒーやミルクティーを飲む時間を大事にしていますが、お酒も大好き。10年ちょっと、本(特に児童書)に関わるお仕事をしていました。本屋さんに入ると落ち着きます。絵本収集家です。
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