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駅ビルの上の階へ向かうエスカレーターの上で、私は身を固くした。

（できるだけ気配を消して、視線は上げずに通り過ぎる。）

そう確認してエスカレーターを降りた。

しかし、次の一瞬、揺れる三つ編みに気を取られ顔を上げてしまった。

「あっ!」

（やばい…）

「お久しぶりですー！おハガキ見て来てくれたんですね！」

親しげな呼びかけに、私は観念した。この方に捕まったら最後、文字通りタダでは帰れない。

「髪すごく伸びましたね。」

「そう。誰かわからなかったって、みなさんに言われるんですよ。」

（そういう作戦か…）

「絶対好きなのありますから。奥までどうぞ。」

（やだなー…）

Aさん(仮)は別の方の接客をしている。

お店の中を見て回り、何となく一枚の服の袖に触れると、

「正解です!!」

（正解!? っていうか、いつからそこにいたんだろう…）

「それ、絶対好きだと思ってました！試着されます？」

「でも着ちゃったら最後な気が…」

「そりゃそうですよ。でも、これからセールで買わないでしょう？」

「え？」

「わかりますよ！ほしい時にほしいものしか買わない人じゃないですか？」

（なんかかっこいいコピーをつけられている…）

ここからはAさんの独壇場である。

「ハガキが届いた方は20％オフになりますよ！
ラインに1,000円クーポンも届いてませんか？
ポイントもたまってるから、さらに1,500円引きできますよ！
ほら、今年の買い納めにぴったりじゃないですか！」

この後、私がどうなったか。ご察しのとおり、タイトルどおりである。

＊

商品名がわからず、見たままの特徴を並べました。袖の部分がMA-1のようになっているカーディガンです。カラーはソフトなベージュ、カーキ、グレイあたり（好きです）。

着てみました。

腕のポケットも見てほしいのポーズ。！？玄関と色がなじみすぎでは！（編集中に気づきました！）

最近、ジュリさんのとってもすてきなクリップを見て、MA-1熱が再燃していました♡

好みにドンピシャな服を、定価の半額くらいで買えて良かった話なのですが、敗北感が強いのはなぜ。
果たして、セールの誘惑に負けず年を越せるのでしょうか…

「またカーディガン…」

「もうカーディガンはここで買う！ってことにしちゃうのはどうですか？」

（却下！）

春と夏に買ったカーディガンたち。

カーディガンは「ジャストサイズも着たい骨格ナチュラル」にうれしいアイテム。上の方のボタンを開ければ、肩が目立たずプルオーバーだと諦めがちなサイズも着られます。（同じ理由でシャツも大好きです。）

駄文を…失礼いたしました。

078 なかち