こんにちは、しょこみです🕊
半年ほど前に図書館で予約した本、忘れた頃に順番が回ってきました。
ということで、最近読んだ本のご紹介です。
「くるまの娘」宇佐見りん
2020年、21歳で芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの最新作。芥川賞受賞作品の「推し、燃ゆ」も予約していましたが、こちらの方が先に順番が回ってきました。
なんの前情報もなく読んだところ、読後感はお世辞にも良いとはいえず(褒め言葉です!)。
現代社会や思春期の生きづらさがダイレクトに描かれていて、読んでいるこちらも息をするのが苦しいような、どこかに救いがあってくれと願うような展開でした。
特別な家庭を描いているようで、実はどこにでもある、誰もが抱えているものを具現化した物語なのかもしれません。だからまったく関係ないこととは思えず、無理やりかさぶたをはがすようなピリッとした痛みが伴う一冊。
家族だからこその難しさ、親子だからこその複雑な関係が最後までリアルでした。
わたしは「正しいってなんだろう?」「善悪って?」みたいな小説をうんうん考え込みながら読むのがとても好きなのですが、まさにそんな物語だったなぁと思います。救いや正義は当人にしか分からないし、分かっていても選べない時がある。10代で読んでいたら何を思っただろう。
「推し、燃ゆ」宇佐見りん
そうこうしているうちにこちらも回ってきました!(表紙はトップ画のとおりです)
主な内容はタイトル通り、主人公の“推し”がとある出来事により炎上する、というものなのですが、物語の展開と最後の着地は想像を超えるものでした。
「くるまの娘」もそうでしたが、文章自体は平易でとても読みやすいのでさらっと1時間ほどで読了したのですが、とにかく読後感が結構きついのです。生きづらい若者の描き方が天才的。
あまり書くとネタバレになるので控えますが、ぐちゃぐちゃに絡まった主人公の今と未来が繋がるようなラストの象徴的なシーンは鳥肌ものでした。
こちらも、10~20代前半あたりで出会っていたらどう思っただろう。出会わなくてよかったとすら思ってしまうような、リアリティ。なんの希望も持てないや、と思うのか、ぼろぼろでもなんだって生きてやる、と思うのか。
彼女たちがもう少しこの世界を美しいと思える何かに出会えますように、そう思わずにはいられない一方で、そう思える何かを見せられる大人でありたいと強く思わせる二作品でした。
「残されたつぶやき」山本文緒
2021年に58歳の若さでこの世を去った山本文緒さん。闘病されていることは公になっていなかったかと思うので、突然の報せに驚きました。大大ファンというわけではないけれど、著作はいくつも読んだことがあったし、インスタグラムもフォローしているし、まだまだずっとご活躍される作家さんだと思っていたので…。
そんな山本文緒さんの2008年から2021年の、13年間に及ぶつぶやきを収録したエッセイ集。SNSや日記など書籍未収録の内容が中心になっており、もう本当に何気ないつぶやきという感じで。微笑ましく思うエピソードも多々ありますが、鬱病の波に悩まされている様子が赤裸々に書かれていたり。13年間もの長期間なので、ご家族や周りの方が亡くなられたり。新しいSNSに色々チャレンジされていたり。それがページをめくるにつれて、もう新しい出来事はないんだ、という実感に変わった瞬間とてつもない寂しさに襲われました。もちろんお会いしたこともお話したこともないのに、1人の人間の人生が終わっていくこと、もうこの人の書く新しい言葉には出会えないことを、ぶわっと感じました。
作家がいなくなっても作品は残る。それは本当だけれど、わたしもまだまだ山本文緒さんの紡ぐ文章を読んでいたかった一人なのだと実感しました。
闘病日記「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」は予約の順番がまだ100以上先。きっともっと寂しくなるのでしょうが、それでも最後に遺した言葉に触れてみたいと思っています。
読書の秋
100人隊ブログやLEEWebでは新しい本との出会いもたくさん。
読むスピードは年々遅くなっていますが、これからもマイペースに読書を楽しんでいきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました♡
【057しょこみ】
057 - しょこみ
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊
38歳/夫・息子(0歳)/手づくり部・料理部・美容部/優柔不断ですが、スイッチが入ると突き進むタイプ。国内外問わず旅が大好きで、特に北欧をはじめヨーロッパ贔屓。その土地ならではの手仕事や食文化に惹かれます。好きが高じてフードコーディネーターの資格を取得し、今は薬膳を勉強中。片付けが苦手で忘れ物が多いところを直したいと思いながら、LEEらしい素敵な暮らしに憧れています。100人隊になって美容にも興味津々。身長164cm、顔タイプソフトエレガント、骨格ウェーブ。2年目隊員です。
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