目から鱗!ちきりん新刊『自分の意見で生きていこう』購入&読了。
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TB はな
2022.03.14 更新日:2022.03.15
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社会派ブロガー・ちきりんの新刊『自分の意見で生きていこう』を読了。
社会派ブロガー・ちきりんさんの、ライトなファンです。(以下、敬称略。)1月に発売された、社会派ブロガー・ちきりん著『自分の意見で生きていこう 「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ』(ダイヤモンド社/2022年1月発行)を買いました。買ったのは1月、読了したのは2月、感想を書くのは今になってしまいました…。
↓こちらは帯の裏側です。
ダイヤモンド社発行ちきりんの「これからの世を生き抜くために必要とされる根幹の力」シリーズ4冊目にして最終巻。
ダイヤモンド社から発行された、ちきりんのこの手の本は、1冊目の『自分のアタマで考えよう』(2011年)→2冊目『マーケット感覚を身につけよう』(2015年)→3冊目『自分の時間を取り戻そう』(2016年)を経て、この『自分の意見で生きていこう』がシリーズ最終巻となるようです。
シリーズ2冊目にあたる『マーケット感覚を身につけよう』についての私の感想過去記事は以下の通りです。↓
本を読んだ感想&自分の境遇とも照らし合わせての、雑感。
前振りが長くなってしまいすみません。本を読んだ感想です。
まず世の中には「正解のある問題(算数や歴史的事実など)」と、対して「正解のない問題(就職・結婚・病院選びなどなど)」に分かれていて、「正解のない問題」には100人いれば100通りの意見が存在し、そもそも「意見」には何が正解で何が不正解という概念自体がない=意見はみんな違って当たり前=自分と異なる意見を持つ人に対して、「お前の意見は間違っている!」と説き伏せたり、自分の意見を押しつけようとすること自体が、不毛であり的外れなんだ!という点に、日々抱えていたあらゆるモヤモヤがスッキリ!! 意見は異なるのが大前提だから、自分と異なる意見に出会っても「自分の意見を否定された!」と思う必要もないんです!「ああ、そういう意見もあるね」で済むこと。なんだか目の前がパーッと晴れやかに澄み渡ったような感覚です。ただ、日本社会は他国と比較して「同調圧力」の強い国…。異なる意見を「出る杭」と見る向きもまだまだ残っている現状です。だけど、「異なる意見」こそ多様性の源であるとちきりんは述べていて、「異なる意見」は和を乱すものでも関係を悪化させるものでもない、相手を傷つけんとするものでもないんですよね。こういう考えがもっと日本社会に広く根付いて欲しいなぁと願うばかりです。
世の中のありとあらゆる問題は、1+1=2のような「正解」がないものがほとんどだとちきりんは言います。
人生における重要な選択は、それこそ正解なんてないんですね。そもそもどういう選択をしたって、逆の選択をした場合の世界線は自分では見ることが出来なくて、神のみぞ知る領域であって…。たとえば私の場合は、以下の「正解のない問題」に日々悩んでいます(笑)。この本にも載っている「正解のない問題」の事例と重複する部分もありますが。
●子どもを地元の公立中学に行かせるか、はたまた中学受験をするべきか?中学受験を辞めて、高校受験に賭けるべきか?
●再就職をするべきか、このまま専業主婦でいるべきか?
●賃貸生活を続けるべきか、持ち家を買うべきか?
●関東に住み続けるべきか、両実家のある関西へ移り住むべきか?
ちきりんによると、元々「正解」なんてないのだから、検索魔になっていくら調べ尽くしても、答えなんて出る訳がないとのこと。これに気付かないと、ずーっと誰かの事例を検索するばかりで自分なりの答えには辿り着けないばかりか、意思決定がどんどん先送りになってしまう→先送りにすればするほどどんどん不利な選択になってしまうんですね…!だから「反論されるかも知れない」「間違っているかも知れない」と思う必要もない。だって、いろいろな意見があって当たり前なのだから。自分が「この道が絶対だ!」と思えるまで考え尽くせば、どう転んでもそれが自分なりの心から納得する選択になる、という道理です。
「こんな自分は社会不適合者かも知れない」とか「自分のこんな人生は間違っている」などとは、そもそも思う必要がないのに、「正しい人生」なんて存在しないのに、「正しい人生」を送れていない…と生き辛さを感じる人が増えている背景には、「学校的価値観の弊害」ではないか?と、ちきりんは仮説を立てています。勉強の出来ない子はダメな子なのか?友達が少なくてコミュニケーションが苦手な子は不幸なのか?文武両道こそが全ての子どもの目指すべき道なのか?
「すべての子どもには自分の好きなことにたっぷり時間を使える楽しい人生を送ってほしい」「不登校は何の問題もない」というのも、ちきりんの「意見」です。
これまで長い間、学歴が採用活動の足切り材料として使われて来ましたが、AIが発達した未来、ネット上で発信して来たあらゆるログをあっという間に「この人はこういう人格でこんな考えの人だ」と解析してしまう時代が来たら?今後、自分の意見を発信するホームベースを持って、自分の意見をそこへ蓄積して束(たば)にして行くことの重要性をちきりんは多角的に説いています。ネットで発信して行く上で、注意点もいくつか挙げられていて…。
それは「リアル社会でやらないことはネット社会でもやらないこと(悪口を言う・誹謗中傷をするなど)」と、SNSなどでの発信は、議論する場には向かないということ。その一例としてTwitterで「台風が去って晴れた!やったー!」と呟いたら「その台風が今はこっちに来ているんだぞ!自分のことしか考えてないのか!」というようなリプライが来るケース。SNSでの発言はすべての人にとって無害・有益でなくてはならないのか?SNSではあらゆる人を念頭に置いて話せと言われてしまうとしたら…?何も言えなくなってしまいますよね。だから、議論はSNSではなくリアルな社会で行うべき、というポイントも、とても納得しました!!
意見と反応の違いも目から鱗で。ポジションを明確に出来ているか?という視点を常に持てれば、世の中の「時間だけが過ぎて何も決まらない会議」が、うんと減るかも知れませんね。
1にも2にもまずは「自我の確立」=「自分の意見を持つこと」!そのための4つのレッスンもちきりんは明示してくれています。この4つのレッスン、私が大学時代の3年生・4年生で所属していたゼミで徹底的に訓練されていたものとほぼ同じでビックリしました!まずは3年生になる前の、2年生の終わりに所属ゼミが決まって→春休みにゼミの先生からの課題をメールで提出するのですが、その課題の1つが「全国紙の新聞の社説に反論してみる」でした。「この社説の部分のここはこういう考えも出来るのではないか」とか「この意見は語句の概念の特定が出来ていない」など指摘して反論するんです。それは序章に過ぎなくて、2年間のゼミの時間はありとあらゆるディベートを行いました。それこそたとえば「死刑制度はアリかナシか?」「外国人の国政への参政権はアリかナシか?」など、それぞれのポジションで一通り議論した後に全く反対の立場でまた議論する訓練。私達ゼミ生は、この訓練をやり過ぎたからか…、社会人になってから、上司の言っていることのさまざまな矛盾に気付いてしまって、どうにも納得出来ず真っ向から反対の意見をしたり…、「組織の和」重視の会社組織内では、なかなか苦労しました(苦笑)。
だけど、この大学3・4年生での訓練があったお蔭で、自分と異なる意見を目にしても「ああ、そういう意見もあるのね」「自分が持っていなかった視点だなぁ」「この人、本当に文章が巧みで上手だなぁ…」と冷静に素直に見ることが出来ている気がします。もちろん、そこに明らかな悪意が含まれている場合を除いてですが(笑)。
ちきりんのこの本に出会って、子育ての大まかな方向性までも示してもらえた気がします。それは、「正解のない問題について、自分の意見を、臆さずに明確に言える子に育てる」ことと、「多様な意見も受け入れ、自分の頭で納得するまで考え尽くす子に育てる」こと!
意見を持つにしても、まずは「自分を知る」ことからですね。自分の考えを、たとえ些細なことでも言語化することをまずは日々実践して行きたいと思います。
つらつらと書いてしまいましたが、これでもまだまだこの本の1割ほども良さを伝えられていません!!この本の肝は、自分の意見を持って人生のあらゆる岐路において自分の納得のいく意思決定を重ねた先に自分だけの真のオリジナルの人生を形成して行くことに繋げることだと解釈しています。
老若男女、あらゆる世代の人達に強くオススメしたい1冊です!読んだ後は、「以前よりブレない自分」になっているかも知れません(!?)。
ちきりんの音声コンテンツ“Voicy”も聴いています!
LEE100人隊 050 ジュリさんが音声メディア“Voicy”について記事を書かれていて、ちきりんのVoicyについても記事の中で話題に触れていました。(ジュリさんの記事は以下よりどうぞ◎↓)
「プロセスエコノミー」という言葉を耳にするようになって久しいですが、ちきりんの「本」が思考の「完成形」だとすれば、ちきりんのVoicyは思考の「過程」。その過程もとっても興味深くて、まだプレミアムリスナー料金を払ったことはないのですが、興味津々のタイトルばかりで最初にどこに課金するか迷っているところです。
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・11歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロ、無印良品など。ファッション・インテリア・お料理などLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。コロナ禍を抜けてからは工場見学や社会科見学、博物館や科学館、美術館巡りにハマっています。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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