いま一番好きな漫画家、池辺葵さんの新作を書店で見つけ、嬉々として購入。
お話は、ちょっと未来の日本。ヒト型AIと人間が共に暮らす社会。
感情を持たないAIから見た人間というのは、どんな生き物なんでしょう?
怒ったり笑ったり泣いたり
ちょっとした言葉でブルーになってしまうこともあれば
文句やクレームだって言う。
価値観だって人それぞれで、
各自のルールで他者を拒否したり受け入れたり。
なんかもう…。
「なんて面倒なんだろうね」
って私は思ってしまった。
でも。
私たちは夕焼けを美しいと思うし
人に淹れてもらったホットミルクに癒されることもあれば
家族に事故がないよう神社でお祈りをする。
極めつけは、人の型をしたAIに情を抱かずにはいられない。
これって無駄な感情なんでしょうか。
無駄で面倒で、この世になくても生きていける感情なんでしょうか。
そんなことないよね、たまらなく愛おしくて尊い感情なんだよねと、ラストシーンを読んで泣けてきてしまいました。
漫画によると、AIの目から見た「生命」というものは、きらきらと発光しつづけているんですって。
だからといってね、手放しに人間賛歌を歌っているわけではないんです。
そういったことを、押しつけがましくなく自然な流れで悟らせてくれるところが、池辺作品の醍醐味なんだと思います。
そう、池辺葵さんの漫画って、びっくりするほど淡々としていて凹凸がないように見えて、なのに心はグッッ!としっかり鷲掴みにされてしまうんです。
そして、人間が、日常の小さな営みが、たまらなく愛おしくなってしまうんです。
ああ私はやっぱり池辺さん作品が大好きだなあ…と再確認した1冊でした。
見かけることがありましたら、ぜひ!
TB - niki
パート / 東京都 / LEE100人隊トップブロガー
38歳/夫・娘(4歳)・息子(1歳)/手づくり部・料理部コーヒーが好き。ミルクティーも好き。掃除は好きだけど片づけは苦手。手紙部部員。都内の雑貨屋さんや本屋さんなどを巡る休日も好きですが、海や山で過ごすのも大好き。いつも気持ちの良い場所を探しています。日記をつけはじめて1年。なるべく楽しいことを書き残したいので、いいこと探しを心がけるようになりました。昨年まで10年ちょっと、本(特に児童書)に関わるお仕事をしていました。絵本ラバーです。
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