私は仕事の性質上、休憩時間は在宅ワークの日でなければ必ず外食をしています。
本当はお弁当を作ったりしたいのだけど…食べる場所がなくて泣
ただ、休憩時間にランチを食べることはほとんどなく、あっても月に2〜3回くらい。花まるうどんか丸亀製麺があれば入ろうかな、というような感じです。
普段は「とにかく疲れた身体をいたわりたい!」と、ほとんどの場合スタバ一択。
お腹を満たすより、コーヒーと甘いものでゆっくりしたいのです。(なのでいつもお腹を空かせて仕事しています…?)
ですが、たまーに興味がひかれるお店があると入ってみたりもします。
先日は新宿で仕事だったのですが、思わず吸い寄せられてしまった面白いカフェがありました。
本屋さん併設のカフェ
本屋さん「STORY STORY」に併設されているカフェです。
新宿の小田急百貨店のなかにあります。
席と席の間隔はゆったり。お店のつくりも空気がこもらないようになっているので、感染対策面でも安心です。
こちらのカフェ、なんと言っても面白いのがメニュー。
本に登場する食べものにちなんだメニューが提供されているのです!
私がいただいたのは「アリアケのハヤシライス」。
「アリアケ」とは、東野圭吾さんの『流星の絆』という小説に出てくる洋食屋さんで、ここの名物ハヤシライスにちなんだメニューなんですって。
他にも村上春樹『風の歌を聴け』のポテトバスケットや、
尾崎翠『アップルパイの午後』のホットアップルパイ(バニラアイスクリーム添え)などなど…。
読んだことのある作品も、そうでない作品でも、タイトル名・料理名だけで惹かれてしまうものがあります。
ペーパーナプキンのかわいさ♡
本を読む行為って、時としてとても孤独な行為だと思っているのですが、こういう風に普段とは違う側面から本と親しむきっかけを作れるというのは、素敵なことだな〜と思ったり…。
今読んでいる本。『私的読食録』
ちょうど今読んでいる本が、「食」をテーマにした内容のものでした。
古今東西、あらゆる書物の印象深い「食」について、角田さんと堀江さんが語っておられます。
角田さんは小説でも食べ物の描写がよく出てくるイメージがありましたが、堀江さんはどちらかというと食に淡白なイメージがあったので、意外ながらも面白く読み進めています。
なんと言うべきか…「この食べ物がおいしそう!」とわかりやすく食欲を刺激するような、いわゆる「シズル感」のある本ではありません。
「食べること」「読むこと」を通して、ここに紹介される1冊1冊を味わっていくような本です。
たとえば角田さんが紹介する、川上弘美さんの『センセイの鞄』。
有名な居酒屋の描写は、自分が昔読んだときの経験値ではとてもじゃないけどこんな味わい方はできていなかった…と感じました。
あるいは堀江さんが紹介する、殺し屋が食べるドーナツとコーヒー。(『殺し屋』という作品)
それがなぜこんなにとんでもなく美味そうに見えるのかという読みにはハッとさせられました。
作家の確かな目で語られる「本の本」というのは、興味深く、そして「次はこれを読んでみたいな」という刺激になります。
これは私にとって宝物のような大事な詩集。堀江さんが紹介されていたのでうれしくなりました。
堀江さんは学生時代に書店でこの本を開いてみて、もう買わずにはいられなかったそうです。
2つの詩を引用し、「言葉は食材のように、調理法や道具の使い方ひとつでその風味を全然ちがうものにする」というようなことをおっしゃっています。
私は長田さんの詩を読むといつも思うのですが、
その言葉のひとつひとつを文字どおりよく噛みしめ、ごくんと飲み込んで、自分と一体化させてしまいたい。
本当に美しく、滋味深い詩ばかりです。
そういう意味でも、この詩集は「読食」の醍醐味を味わえる1冊ではないかなと思います。
ご興味ある方いらっしゃいましたら、ぜひ!
ちょっと長くなりましたが…好きな本のお話でした。
TB - niki
パート / 東京都 / LEE100人隊トップブロガー
38歳/夫・娘(4歳)・息子(1歳)/手づくり部・料理部コーヒーが好き。ミルクティーも好き。掃除は好きだけど片づけは苦手。手紙部部員。都内の雑貨屋さんや本屋さんなどを巡る休日も好きですが、海や山で過ごすのも大好き。いつも気持ちの良い場所を探しています。日記をつけはじめて1年。なるべく楽しいことを書き残したいので、いいこと探しを心がけるようになりました。昨年まで10年ちょっと、本(特に児童書)に関わるお仕事をしていました。絵本ラバーです。
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