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暮らし発見

やっぱり本が好き *ざわざわ編*

  • マル

2020.08.19

  • 10

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眼精疲労のため、大好きな読書は少し控えて、最近はもっぱら楽に読めるマンガを読んでいましたが、やっぱり本も好き♥️

 

ブックレビューは苦手なんですが、メジャーではないのにすっごく面白かった作品があったので、ご紹介させてください。

 

出会いはLEEの「カルチャーナビ」。

切り抜いておいて、紹介されている本は結構読んでます。

 

1年以上前に読んだ本で、「これ面白い!」と思ってクリップ書こうと思ったまま、のびのびになり、もう著者もタイトルが思い出せない状態でしたが、内容だけで色々検索かけて、やっと見つけ出しました!

 

こかじさら 「ざわつく女心は上の空 」

ざっくり言うと、普通の主婦が突然運良く料理研究家になったことによって起きる、周囲の「ざわざわ」や、家族の「ざわざわ」です。

 

これ、ドラマ化してもハマりそうな面白さです!

 

以下、自分を例えに、詳細に書くのでネタバレが嫌いな方は飛ばしてください。

でも、ネタバレしても、人物描写がこの作品の魅力なので、きっと面白いはず!

 

********

例えて言うなら、私が突然、人気の料理研究家になっちゃう話なんです。

LEEパーティーで、編集部の方に「マルさん、ちょっとお料理やってみない?」とたまたま声をかけられたことにより、たまたま料理企画に呼ばれた私。

 

普通の主婦レベルの料理の私でも、編集部の方たちの素晴らしい腕で、なんだかオシャレな料理を作ったかの誌面が出来上がるわけです。

 

しかもそれが、誌面で好評で✨

ということで、連載なんかもっちゃったり。

料理本が大ヒットしたり。

 

この時点でみんな、私にざわついた気持ちをもつでしょ? 笑。

 

「え、別にマルちゃんそこまでお料理上手じゃなかったよね?」

「マルちゃんって、料理部は幽霊部員だよね?」

「お料理だったら、あきちゃんやeringoちゃんやみみんちゃんじゃないの?なんでマルちゃんなの!?」

 

なーんて、思いますよね。

私も読んでいて、何の努力もしていないのに、運だけで売れていくこの登場人物にムキー!!!ってなってました 笑。

 

テレビに出たらもちろん手際が悪いのに、それも「初々しくて良い」と評判が良くて・・・。

そのうち私、だんだん本気になってきて、料理研究家のマル先生って呼ばれてまんざらでもなくなって・・・。

というか、完全にその気になって、料理家っぽいことに色々手を出していきますから・・・。

「マルちゃんのキッチングッズ♪」とか出しそうな勢い 笑。

 

********

 

という平凡な主婦の成り上がりストーリーなのですが、主人公の成功の過程ではなく、周囲の人達のざわざわした思いがオムニバス形式で小説になっています。

もともとフードコーディネーターとして苦労してきた友人や、いきなり妻が有名人になってしまった夫や、息子、娘。

一緒に節約生活していた近所のママ友、そして、マル先生に憧れてマル先生の料理教室に通ってSNSに投稿して「いいね!」が欲しいファンなどなど。

 

私はハッピーな小説よりも、表に出せない人の気持ちや葛藤というものを小説で読みたい人なので、とても面白かったです。

ドロドロやイヤミスという非現実的なものではなく、誰もが持ってしまうざわざわした気持ちに共感します。

そして、最後までざわざわせず、少しだけ前を向ける読後感も良かったので、オススメです。

 

基本、同じ本は2回読まない私ですが、今回紹介したくてもう一度図書館で借りたら(発売から大分経っているので、すぐ借りられました)、やっぱり面白くて、しっかりもう1回読んじゃうくらい面白かった!

 

辻村深月 「傲慢と善良」

 

こちらもなかなかのざわざわ系です。

でも、さすがの辻村深月さんの作品で、先が気になって一気読み!

ミステリー感もあるのですが、人間の傲慢さがテーマになっているので、だいぶ胸をえぐられる内容になっています。

 

以下、同じくネタバレ含んだ内容です。

 

****

主人公は男性で、婚活で知り合った婚約者がいます。

この婚約者がストーカー被害にあっていて、ある日突然失踪してしまうんです。

失踪した婚約者をみつけるため、主人公は婚約者の過去について色々調べていくのですが、その中で見えてくる過去や家族との関わり、出会う前の彼女の過去の婚活やお見合いの経緯を知ることで、今まで知らなかった彼女の一面が見えてきます。

 

地方の非正規雇用者の適齢期の女性の焦燥感のようなものも伝わってくるのですが、「婚活」を通して、いや本当は婚活だけではないのですが、「人」は「人」を値踏みする性があることに気づかされます。

 

文中のエピソードですが、主人公の友人が、「彼女と結婚したい気持ちは何%?」と聞くシーンがあるんです。

主人公は「70%」と答えるのですが、この70%は、「結婚したい気持ち」じゃなくて、「彼女の点数は70点」と思っていること、さらには「自分という人間に対しての彼女の点数が70点、自分は彼女よりももっと価値のある人間」と言い換えられる、という話が出てきます。

 

わ~、傲慢!!!

 

この本を読むと自分がいかに傲慢な人間か思い知らされます。

だから、タイトルも「傲慢と善良」。

 

実はこちらの本は二部構成で、第2部は失踪した彼女の視点から、物語が語られます。

第1部で失踪した彼女についての謎が少しずつとけていったあと、第2部はなぜそのような事件が起きたのか彼女が主人公として語られるので、また別の視点で楽しむことができます。

 

第1部とかはだいぶ心えぐられる内容で、第2部も前半は苦しい内容ではあるのですが、後半から希望が見える感じもまた秀逸で、こちらもおなじくざわざわするのに読後感が良い作品です。

 

夢中になれる本に出会えると、やっぱり読書は楽しい!とワクワクします♡

 

マル

会社員 / 東京都 /

44歳/夫・息子(13歳・9歳)/美容部/本とお酒とおいしいものが好きです。家族や友達と笑いあう時間、1人で過ごす時間、どちらも大切に毎日を過ごしています。日々の楽しいこと、役立つこと、胸に響いたことなどを、クリップに綴っていけたらと思っています。LEE100人隊の活動を通して、たくさんの出会いがあればうれしいです。

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