またまた図書館で借りた本のレビューです(^^)
渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎/2012年4月発行)
2012年発行の本。初刊より累計300万部越えのベストセラーでありロングセラー。発売された頃から気になりつつ…なかなか手に取る機会がありませんでした。
お恥ずかしながら、何の予備知識もないまま読みまして…(汗)
表紙にある通り、ノートルダム清心学園理事長(発行当時)。29歳で修道女(シスター)となり、生涯独身を貫いた方で、かのマザーテレサ来日時には通訳で活躍されたそうです。そしてこれも読了後に知ったのですが、2016年12月30日に89歳で他界されています。
置かれた場所で咲く…。これは、置かれた場所が最悪でも諦めてせいぜいそこで咲いておけってことではありません。どんな境遇でも、不平を言う前に自分から動いてみよう、人間は一花も二花も咲かせられる!ということなのだと解釈しました。
読み進めると後半で幼少時代の衝撃エピソードが…!著者のお父様は、かの昭和の大クーデター(未遂)、二・二六事件の犠牲者であり当時陸軍大将で教育総監だった渡辺錠太郎氏。事件当時、自宅を反乱軍の将校が襲撃。著者は弱冠9歳。お父様と共に寝床に寝ていた早朝、怒号と共に目が覚め、お父様は枕元の襖の中のピストルを取り応戦、咄嗟に9歳の娘を座卓の影に隠し…著者の眼前1mでお父様は43発の銃弾を受け殺害され…。なんという壮絶な体験でしょう。
幼少時のこんな体験も、父の子どもで良かった、母が自分を産んでくれて良かった、たった9年間で一生涯分の愛情を享受したと淡々と綴る著者ですが…。謙虚さ、ひたむきさ、健気さ、温かさ、優しさ、強さ、逞しさ全てを兼ね備えていて…涙ナシには読めない部分でした。
災害や病苦、大切な人との別れ、人間関係のいざこざ、不当な扱いを受けたり、就職、結婚、育児も「こんな筈では…」と思うようなことばかりだったり…
心にポッカリ穴が空くような出来事があっても、その穴から新たに見えるものがあると説かれています。
順風満帆なだけの人生などなく、生きている限り神様はさまざまな試練を与えるもので、心に穴を頂く。最も辛かった穴は、著者が50歳の時に患った“うつ病”でありこの苦しさは罹った者にしか解らないと…。キリスト教は自死を禁じていますが、シスター道20年以上でも自死を思い至ったほどの辛さだったそうです。
こんな境遇で咲くなんて無理!って思う中でも、希望を捨てずに生きて行く。咲けない日もあるなら下に根を下ろしてみる。
人を赦す。たとえ相手が、目の前で父を殺した仇(のご遺族)であろうとも。膠原病や骨粗鬆症、老化に伴い、出来ないことが増えること…さまざまな苦しい体験を経て来られた著者だからこそ説得力があり、大変で死にたいと思っても、あともう少し頑張って生きてみよう…と思える、宝物のような名言が満載です。
特に心に残ったのは、自分の中に棲む王様の話、一緒に過ごした年月と愛情は比例しないという話、相手を赦すために信頼は98%という話、不甲斐ない自分と仲良く生きようという話です。帯にはこんなメッセージも。
…とは言え、実践は相当難しい(苦笑)。
まず(想像さえもしたくないけど)著者の幼少時と同じ境遇に置かれたら…私は相手を赦せないでしょう。
自分のことについては、理不尽なこともまぁまぁ我慢出来るのですが、子どものこととなると「神は乗り越えられない試練は与えない」などとは、なかなか割り切れません(°⌓°;) 苦しいことも両手で頂く、笑顔で挨拶をしても返してくれない人がいたら「私の笑顔は神様のポケットに入った」とも思えなくて…(・・;) 挨拶をしても返さない人とか意味不明などと思ってる場合じゃないですね( ̄▽ ̄;)(ちなみに挨拶は自分からする派です)
しかしこの本を夫に勧めて、夫も読んでみたら、「会議の中で罵倒されてもひたすら耐え抜くことで神様へのブーケになったと思って乗り切った!笑」と冗談交じりに話してくれました。(私は夫が罵倒された事実のほうが余計に気になりましたが!(((ʘ ʘ;))))
300万部突破のベストセラーも納得の、手元に置いておきたい1冊です。自分でも買って、祖母にもプレゼントしようかな…。
⋆⸜ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ⸝⋆ LEE100人隊 はな
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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