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暮らし発見

天野篤『熱く生きる』。熱く生きたい!

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2019.10.06

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図書館で借りて来た本のレビューです(^^)

天野篤先生。日本人ならその名を知らない方はいないのではないしょうか。
2012年2月、
平成天皇(現・上皇陛下)の冠動脈バイパス手術の執刀医。順天堂大学医学部の教授。
NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』始めTVにも出演されていたり、近年では医療映画「チームバチスタの栄光」や医療ドラマ「医龍」「ドクターX」の監修もされたそうです。

そんな彼の著作の1つ、『熱く生きる』(セブン&アイ出版/2014年2月発行)。帯に9万部突破!とありますが、2019年10月現在で16万部突破とのこと。

毎週末に長男と通う図書館に置いてあったので、借りてみたところ、これまた「良書に出会えた!」と思える1冊だったので備忘録の意味も込めて紹介させてください◎

全体を読んだ感想として、この『熱く生きる』はお医者さんだけの世界に限ったことではなく、働く人も働いていない人も…老若男女全ての人に言える、役に立つこと盛りだくさん!!特に若い世代、学生さん達に読んで欲しいです!!

「とにかく人に尽くす」「世のため人のため生きる」「世に恩返しをする」という確固たる信念を持っているお医者さんが現代の日本に居るということが純粋に素晴らしい!!冒頭の医者の心得とも言うべき彼の持論は、読んでいて思わず涙が出てしまいます…。こんな壮絶な覚悟を持った侍みたいな人がいるなんて!!

お医者さんの本なので、難しい専門用語だらけだったらどうしよう…という一抹の不安がありましたが、とても簡易な文章で、本のタイトルとは反してけっして暑苦しくないテンションで綴られています。この本は、ただの熱い生き方のゴリ押しではなく、心に静かな情熱と闘志を滾らせて困難を乗り越えて夢を実現した人の、世の中への応援歌。

経験に裏打ちされた説得力のある人生訓ばかりです。

子育て中の主婦である私にも響くことが沢山。ネジを巻く時間の話。ゲームと手術支援ロボットの話。
手術にまつわる様々な苦しい辛いエピソードも。お医者さんの世界は漫画やドラマの世界しか見聞きし得ない私、山崎豊子氏の『白い巨塔』や佐藤秀峰氏の『ブラックジャックによろしく』のような封建的で古く悪しき慣習が残っていそうな業界で、こうした叩き上げの、どの医局にも属さないお医者さんは、風当たりも相当キツかったろうし、その苦労は想像を絶します…。

でも彼の根底にあるのは揺るがぬ信念。彼に向けられる批判的な声なども熱い志を持つ彼の心には届かない。「自分ほど医者に向いている者はいない」「絶対に患者さんのためになることをする」と、心を熱く、ひたすら邁進した結果が今の彼なのでしょう。いつの間にか「オフポンプ手術(人工心肺を使わず心臓を拍動させたまま行う心臓手術)の第一人者」と呼ばれるまでに。

だから、平成天皇の執刀医に選ばれたのは、たまたまのラッキーパンチではないのです。彼の努力と熱意が報われる時が来て、本当に良かったです…!!

陛下に数日接した際の心境の変化、ビフォーアフターも書かれています。困難にぶつかった時、攻撃的な気持ちになるのではなく、目の前の難敵(この場合は難しい手術のこと…?)とまず握手しようという気持ちに変わったそうです。

プロフィールを見ると父と同じ世代の方で(父より2歳下)、老眼に気付いたのは42歳の頃だったそうですが、近視にも老眼にも対応の「多重焦点コンタクトレンズ」なる便利なモノがあり、通常心臓外科医がメスを握れるのはせいぜい55歳と言われている中、今も思い通りの手術が出来ているそうで安心しました…!

あらゆる種類の問題が山積みの医療現場・組織改革にも積極的に取り組み、「産みの苦しみ」「実現までに半端でない時間とエネルギーを費やした」「組織との摩擦」「異を唱える勢力との軋轢」「大変なことのほうが多かった」とある文章には、改革が実行に移されるまでの苦労がありありと見えますが…薬剤師を病棟に配置したり、「医師の秘書」を配置したり。こうした改革とチームワークの賜物によって、「神の手」を持つ天野先生が、余計な雑務をすることなくひたすら手術に集中しベストパフォーマンスを発揮出来る環境がある…
こういう、国の宝とも言える手技を持つ先生の「時間」は、一切無駄にしてはならないので、この環境を作り上げた先生自身の行動も天晴だし、その体制を支えるスタッフさん達の努力や理事長先生の理解の深さ、ご家族の協力…もの凄い絶妙なバランスの上に成立しているのだろうなと想像します。

常人とは全く違う感覚を持った方だとも感じました。1つは、緊急事態における、視点の置き方。これは高校生の頃からだそうで、幽体離脱のような、上空からの俯瞰図のような客観的に見る感覚を持つようになったとのこと。
2つ目は、自分の行なった満足度の高い数々の手術の絵が、頭の中にスナップ写真のように残っていて、3D映像のような立体的な画像として思い出すことも出来、その頭の中の映像を自在にズームアップして思い出すことも出来るという。予期せぬ事態に遭遇した時も、瞬時に同じパターンの画像を頭の中から取り出せるそうです。
分水嶺の話などまさに、求道(究道)の極致。その道をひたすら突き進み「開眼」した人のみが持つ感覚。これぞプロフェッショナル!

色々と超越している部分はあれど、中身はすごく人間的で…リップサービスが出来ないとか、モンスターファミリーの話や、パワハラだと泣きつかれた話、患者さんを追い返した2つのエピソードが印象的。通りすがりの占い師の女性が話しかけて来て、占いの内容に耳を傾けアドバイス通り行動する天野先生の素直さが素敵でした。

書中、将棋の羽生棋士やアントニオ猪木さんも出て来ます。羽生棋士と自分との違い…のくだり、次に活かすための敗北の絶対数が全然違う、日に4回の手術が毎日…となると、手術一つひとつ立ち止まって振り返ったり検証する時間がなかなか持てない、羽生棋士は敗北から学ぶ自己分析が長けていると推測する部分はとても興味深かったです。敗北からではないですが手術記録は必ず自分の手で、それも写実的な文章を心がけて出来るだけ早いうちに書く。手術記録を読み返すことがすなわち「復習」になるそうです。武士道ならぬ「医師道」(天野先生の造語)は未だ「道半ば」とのこと…彼の目線の先には崇高な理想が天高く聳え立っているのでしょう…。

天野先生の熱い信念の奥にあるものは、「働いて働いて、自分が受けた恩を返し続ける」という想い。「自分を育ててもらった」両親や親戚の人々、出身学校、先生や先輩達、同僚やスタッフさん達、ひいては社会全体への感謝の心でした。なかなかどうして、こういう感謝の境地に達したくても、出来ない人がほとんどじゃないでしょうか。お父様とのエピソードがやはり、彼を熱く突き動かす原点なのだと思います。(そこは本でぜひ読んでください!TVのドキュメンタリーでも必ず盛り込まれる箇所です)

ふと、自分の普段の生活に当てはめてみますと…。振り返れば私の10代は、無気力でどこか覇気がなく、世の中をシラけた目でみていた子どもでした。20代になって冷めた側から熱い側への転換が。大学のゼミの、熱い先生に出会い、就職活動をし、付き合う友達も変わり、社会人になってから出会う人達も熱い人ばかりでした。子育て中の今は、「社会貢献」と言っても何をすれば良いのか思い浮かばないから、とりあえず身近な人が喜ぶことを一つでもやる。この積み重ねなのかなと思います。そして、頂いた恩は返して行きたい。お世話になった場所に、間違っても爪痕を残したり後ろ足で砂を引っかけることのないように。

アントニオ猪木さんが一休和尚の言葉を引用したとされる“この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はナシ 踏み出せばその一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ” という一節を、天野先生も文中で取り上げていました。
実はつい最近、我が長男(小3)に少しでも熱く生きてもらいたくて(次男のことはその点あまり心配していないのですが…)、10代の私のようになって欲しくなくて(私に似ていて既に冷めた兆候が…)7月から新しいお稽古を始めました。人との縁の不思議な繋がりに導かれるように始めたお稽古。珍しく?意外にも?続いております笑。
何事も、最初の一歩踏み出す勇気が大事ですね。一歩一歩が道となる、道を行けば分かる…しみじみ、そう思います。

私にとっての一歩は、100人隊での活動が、まさにそうでした。仕事を持たない主婦が、社会と少しだけ繋がったような気がして、一歩一歩が道となって、世界がとても広がりました!今回からweb応募も可能になったので、2020年度のLEE100人隊の隊員募集に、ご興味ある方はぜひ一歩踏み出してみてください!応募は本日10/6までです!

2020年度の「LEE100人隊新隊員」募集スタート!

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TB - はな

主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー

41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。

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