暮らし発見

面白すぎて半日で読了!『すぐ死ぬんだから』

  • TB はな

2019.08.30

  • 8

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060 nomnomさんのクリップ(「すぐ死ぬんだから」)と、059 こまこさんのクリップ(最近の読書)でも紹介があった、
内館牧子さん著『すぐ死ぬんだから』(講談社/2018年8月発行)。

とても気になっていました。横浜市の図書館では、現在予約申込人数978人!(2019年8月30日現在)大人気ですね…!

そんな中、いつも長男の本を借りに行っているわが家から徒歩5分のマイナーな図書館で、たまたま置いてあったんです!!もちろん予約なんぞしておりませんでした。

即、借りました!!

借りて来た本の帯には「10万部突破!」とありますが、現在は30万部を越える更なる大ヒット!!

しかし私、実は小説ってそんなに(と言うより、全然)読まないんです…。漫画や雑誌以外だと実用書とかハウツー本ばっかりで(笑)。お恥ずかしい…。だけどLEE100人隊のお蔭で、また一つ素晴らしい出会いを果たした!と思っています。

それがこの『すぐ死ぬんだから』です。(既に大ヒット中ですが)沢山の人に是非読んで頂きたい!!

実は065 pukettiさんの図書館通いのクリップを読んで、今年の春休みから長男と毎週末図書館通いの日々。夏休みも沢山通い沢山読みました!また改めてクリップ投稿します◎

本の帯から簡単に内容紹介。
「78歳の忍(おし)ハナは、60代までは全く身の回りを構わなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。『人は中身よりまず外見を磨かねば』と。ところが夫が倒れたことから、思いがけない人生の変転に巻き込まれていく――――。」

感想。
本当に何の予備知識もなく読んだので最初は小説だと思わなくてエッセイ本かなと…(本の帯に「小説」って書いてあるのに見落としてました…)。
主人公ハナさんの心の声がとにかく面白くて痛快!!ここまで毒づけると本当に清々しい!!毒だらけでも正論と言うか、「うわ~キッツ~…」って自分の心にもグサグサ刺さる刺さる(笑)。表面は当たり障りないことしか言っていないハナさんなのに、心の声とのギャップがまた笑いを誘います…!

ボキャブラリーの豊富さとテンポの良さに、小説の序盤「起承転結」の「起」の部分で挫折しがちな活字慣れしていない私でもサクサク読めてしまいます!!時には吹き出すこともあるので、電車など公共の場ではなく家で読むことをオススメします笑。

「ドブ色」とか、「ニコニコ牛乳」、「チベット僧」、「リュックを背負って歩く虫の群れ」、「背高泡立草」のくだり、「頑張るブス」と「頑張らないブス」の攻防、皮肉たっぷりの「画伯」、「ブラックベリー」、「水責め」「火責め」…。(あ、ほとんど由美さん関連だ…)ハナさんの大っ嫌いな「ナチュラル」「楽が一番」ディスり。なんだか言葉選びがいちいち過激なんですがユーモアたっぷりで憎めないハナさん。

小説の序盤を読んだだけの時点では、岩造の大事にしている、伝説の商人「田所昭二郎」揮毫の掛け軸「平氣で生きて居る」を真似して自分の家にも「平氣で生きて居る」と筆で書いて飾ろうかと思っていたくらいでした(笑)。(単純すぎる私…。どんなことも平氣で生きられるようになりたくて…。)

そう。序盤までは。

何度も書きますがここからネタバレ有です!!
これから読もうと思ってる人は以下は読まないでください。
この小説は予備知識なく読んで展開に震えて頂きたいです!

この小説の起承転結の「承」からの核心部分からの「結」の感想まで書いております!

ハナさん(78)と夫の岩造(いわぞう)(79)は、周りの誰から見ても本当に仲の良い鴛鴦(おしどり)夫婦。外見を磨いて美しく若々しいハナさんは街を歩いていても雑誌社に声をかけられ、同期会に行ってもチヤホヤされ、同性からは妬みと嫌味が混じったようなコメントをされてそれを小気味良いとする。

そんなハナさんを、岩造は「俺の自慢の嫁だ」「人生で一番よかったのはハナと結婚したこと」と頻繁に言うし、ハナさんが気恥ずかしいと思うほど言葉以外でも匂わせる日々。一男一女に恵まれ、酒屋の切り盛りで大変な日々もあったけど、今は長男・雪男の代に店を譲り、出来の良い可愛い孫たち(大学生の雅彦&いづみ)も居て、何の不満もない(気に入らない嫁・由美はいるものの)、オシャレを楽しみながら岩造との二人生活を送っていたハナさん。

…が、人生の転機は突然に。岩造と2人、ベランダで一緒に折り紙を折りながらお酒を飲んでいたら、急に岩造が動かなくなって…救急に運ばれるも、急死してしまうのです。「息を引き取った。」の一文を見て思わず「ウソ!!!」と叫んでしまいました。

夫婦で「ベターハーフ」なのに、その「ハーフ」がいない。岩造の気配が消えた自宅マンションの一室。ハナさんの無気力さがリアルで、それでも夫を喪った悲しみを人に見せないよう美しく装うハナさんの気概が立派。岩造の折り紙作品の追悼個展をしてから天国の岩造の元へ旅立とう…と構想を練るのも健気。

…からの、夫の遺品整理から、なんだか風向きが変わって来て、サスペンスや推理小説のようにグイグイ引き込まれ。

…からの、家庭裁判所でのシーンでは、ハナさんや長男の雪男、長女の苺と共に読者の私まで目が点に(´・ω・lll)

一つひとつが衝撃の連続にドキドキしながらページをめくる。ストーリーが進むにつれてまた、深まる謎。

そしてハナさんはどうやって「一発かます」つもりなのか。続きが気になりすぎて一気読みしてしまいました!!

ハナさんは外見だけではなく、常に自分自身を俯瞰して冷静に見つめていて、「美徳」を持ち続ける見事な女性。「一発かます」やり方もスマートでアッパレ!!

あと、岩造も色々な意味でアッパレ…(^_^;) 岩造だけは最後まで謎すぎました。ハナさんがあれだけ口酸っぱくエンディングノートだの遺言だの書かないこと!って言ってたのに遺言のこしてるし、長男の名前のこと…、戸籍のアレのこと…掛け軸のこと…息を吸って吐くように自然に何の違和感もなく、ハナさんに長年嘘をつき続けていたのかと思うと、ゾッと寒気さえしました。

もちろん、読了後は「平氣で生きて居る」を真似して飾ろうなんて言う気持ちは皆無に…笑。

最後の泪割りの角打ちシーンでは、心がほんのり温かくなるような、不思議な爽やかさで読後感もスッキリ!ハナさんは衝撃的なアレコレにも負けずに、ちょっと気に入らないことはあっても、この先も「余生」を楽しんで行くのだなぁと微笑ましい結末で本当に良かった…!

私はハナさんの年になったら何をしているだろう。今は子育てでそれこそ酷い身なり。ハナさんの手に実際かかったら確実に「年寄りでもないのに意識しない不精者」ポジションだろうなぁ(^_^;) セルフネグレクト予備軍…。気をつけよう。意識するだけでもきっとセルフネグレクトへ向かう抑止力に多少なる筈…。「品格のある衰退」を実現するべく、とにかく健康寿命を少しでも長く出来るように、まずは「あとがき」にあった「自分を慈しむ」ことから始めようと思います。

⋆⸜ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ⸝⋆ 067 はな
iPhoneより投稿·̇·̣̇̇·̣̣̇·̣̇̇·̇✧*¨*❥∗⁎. ·͙*̩̩͙˚̩̥̩̥*̩̩̥͙·̩̩̥͙*̩̩̥͙˚̩̥̩̥*̩̩͙‧͙

TB - はな

主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー

40歳/夫・息子(12歳・10歳)・娘(7歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。

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