本日、二月八日は針供養の日です。
朝のニュースでそのことを知って思い立ち、ちょっと気分転換をしたいなと思っていたこともあり、午前中に神社へ行ってきました。
大事なネズミちゃんを連れて。
これ、CHECK&STRIPEのスタンプカードがいっぱいになると応募できる懸賞っぽいのに当たって、数年前に我が家にやってきた子なんです。リバティロンドンのお土産なんだって!
もったいなくて普段はあまり使ってないんですが、針をたくさん刺すとハリネズミになるんですよ〜。しゃれとる。
待ち針が多いです。ミシンの針とぶつかると、細い待ち針の方が歪んだり、折れ曲がっちゃったりするんですよね。どんなに気をつけても、こればかりは避けられない・・・!
がま口を作るにあたって、これまでにけっこうたくさんの針を消費しているのに、針供養は初めて。一回も行ったことがなかったなんて、罰当たりだったかしら・・と道中ちょっと反省しつつ、山を越え谷を飛び(?)
やってきたのはこちら。
鎌倉の、荏柄天神社。ちょっと奥の方にあります。天神さんを祀っているんですね。源頼朝が鎌倉幕府を開いた際、鬼門の方向を守護するためにつくったそうですよ。
鳥居をくぐり、境内の階段を上がると・・・
たくさんの人!これだけの人が、使った針を供養するために訪れるとは。
天神社らしく、立派な梅の大木が咲き誇り、よい匂いをあたりに漂わせていました。東風吹かばの歌の通り、道真公と相思相愛だった梅の花。お社の扉にも飾り彫りが目立ちます。
並んで順番を待ち、たどり着くとそこには、赤い塗りが美しい三方に載せられた、真っ白な・・・
お豆腐!
このお豆腐に、一人一本ずつ針を刺していくわけです。残りの針は、下方に据えられた折敷の上に置いて納め、供養していただきます。
拝礼し、ハリネズミから針を全て抜いて納め、今まで役に立ってくれてありがとうと感謝しました。
刺さっていた針がすべて抜かれ、身軽になったネズミちゃん。白梅の木と一緒に、清々しい様子です。
なんだか私も気持ちが軽くなり、嬉しくなりました。
・・・・・・・
針は、小さいけど鋭く尖っていて、甘く見るとこわい。
ちゃんと考えて使えば役に立つし、無くてはならないものだけど、雑に扱わず、使い方に気をつけなくてはいけない。無闇に振り回せば、人を傷つけることもできる。
言葉と一緒だと思います。ここ数日の間に、言葉によって深く心を傷つけられる出来事がありました。神社で針を抜くまでの間、私の心にもたくさんの針が刺さっていたのです。
私たちは、言葉を使ってここでいろんなことを発信しています。自分の主張に共感してもらいたい気持ちは、みんなにあると思います。
それでも、その際にむやみやたらと人を傷つける可能性のある言葉を発しないように。正しいという思い込みにとらわれて、使い方を間違うことのないように。投稿ボタンを押す前に、いま一度冷静になって、省みるようにしなくては。見る人を傷つけないだろうかと。
自分も気持ちを新たにします。
すばらしい道具にも、おそろしい凶器にもなりうるのです。そのことを忘れないようにしたいものです。
yuki*
39歳/夫・息子(11歳)/手づくり部、料理部/横浜在住、大阪出身。港が見えそうで見えない丘の上の古い一軒家で、息子と年上の旦那さんと猫のリサと一緒に、楽しく暮らしています。本とラジオと美しい布が好き。がま口のお店をやっています。一度しかない美しい日々を、あたたかく綴りたいと思います。Instagram:@yukiiphone
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