LIFE

タスクが早く終わる人の時間繰り上げ術

今日からできる!暮らしのタスクにも使えるテクニック

経営のプロが教える「仕事や作業時間を短くする5つの前提」

2024.05.12

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マロミが“時間繰り上げ”の達人に聞く!
『「仕事を短くやる」習慣』の著者・
山本大平さんに教わる

暮らしのタスクにも使える“短くやる”メソッド

話題のビジネス書の著者である山本さんが、ひとつひとつの作業に時間がかかりすぎるマロミに、“短くやる”メソッドをレクチャー。

山本大平さん

教えてくれたのは

山本大平さん

戦略コンサルタント/事業プロデューサー

経営コンサルティング会社 F6 Design代表。データサイエンスを駆使した企業再生リブランディング、生産性改革を得意とする。著書に10万部超えとなった『トヨタの会議は30分』(すばる舎)、『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)など多数。

「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣

「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣(クロスメディア・パブリッシング)

イラスト:MAROMI

いつもメールが長文に。資料も作り込みがち…。作業を短縮するコツは?

先に抜け、もれ、ダブりなどを確認! 現状把握が“短くやる”ための近道

山本大平さん

山本大平さん



ちなみに
山本さんのスケジュールは?

山本さんのスケジュール

これまでコンサルタントとして、300社以上とかかわってきたという山本さんには、こんな気づきが。

「業務を短くできている会社ほど、勢いがあって業績がいいんです。会議が必要以上に長かったり、情報やデータが社内で共有されていなかったりすると、当然ですが非効率的。“すぐやる”ことも大切ですが、“短くやる”は着手後の各工程の効率を上げることを指しています。タスク時間を短縮できれば、新たな企画を考えるなど意義あることに手が回るし、プライベートの時間を増やすことも可能」(山本大平さん)

では、“短くやる”ためのポイントは?

「まずは現状把握を。例えば、多くの人は料理の前に冷蔵庫の中身を確認して材料を出すと思うのですが、仕事ではそれをせず、すぐ着手しようとするケースがけっこうあるんです。必要な情報が不足していればリサーチする、過去の似たような企画書を探しておくなど、抜け・もれ・ダブりを先に把握することで、結果的にムダなく進められて最短時間に。あと、僕はメールも返信がマストなものだけ返し、儀礼的なやりとりは避けて、お礼などは直接伝えます。会食も“2次会は行かないキャラ”を徹底。要・不要の判断を的確にするのも、短くやるコツです」(山本大平さん)

“短くやる”ための5つの前提

1

余計なことをしない

イラスト:この資料をベースに作ろっと

企画書や資料を、毎回一から作る人って意外に多いんですよね。過去に似たような案件はあると思うので、雛形は叩き台として活用すべき。体裁を整えるより、企画や提案の中身を考える時間を取ったほうがいいので、仕事の主軸ではない“余計なこと”に時間を割かないようにして。

2

優先順位を明確に

To Doリストを作り、優先順位をつける人が多いと思います。納期が早い、作業に時間がかかるなどは早くやるべきですが、タスクをクリアすることが最終目的ではないので注意。その仕事でやるべきこと=主軸を見極めておかないと、あとで対応に追われることになります。

3

先延ばしにしない

先延ばしにすると仕事は終わっていかないので、先送りグセがある人は、難しい仕事から手をつけてみて。簡単そうな仕事から始める人が多いのですが、それはパッと見のタスクが減るだけ。難しい仕事を片付けたほうが、トータルの仕事量は早く減ったと感じるはず。

4

人に任せられるものを抱えこまない

イラスト:コレ得意だよね? 相談してもいい?

一人で抱え込む人は、仕事が遅くなりがち。そもそも苦手なことをするのは時間がかかるし、非常にコスパが悪いんです。特に会社員なら社内で得意な人がやるほうが全体にとっていいので、任せられる仕事は周りを頼って。家庭や子ども関連のタスクでも同じ。

5

緊急時のための時間を取る

実は日頃から緊急時やトラブル対応のための余裕を持っておくほうが、結果的に仕事時間の短縮につながります。クレーム対応、同僚の病欠、子どもの体調不良での呼び出しなど、緊急の対応でスケジュールが総崩れにならないよう注意を。僕は毎日夕方にフリーな時間を設けています。

イラスト:MAROMI

ひとつひとつのタスクに時間がかかって渋滞するから、毎日やりきれません…

それぞれのタスクを“短くやる”テクニックなら、今日からすぐできますよ!

山本大平さん

山本大平さん

Technique

まずは現状把握から! 応用できる過去の資料やテンプレートがないか確認

最短ルートを探すためには現況把握がマスト。できれば会社やチーム単位で、これまでに作った企画書や資料などをドライブなどに保存して、いつでも誰でも見られる状態にしておくこと。また、慣例でやっていることを、本当に必要かどうか見極める視点も持って。

→暮らしのタスクにも使える!

生活の中でも、冷蔵庫の在庫や日用品のストックなど現状把握がマスト。把握できていないと、適切なタイミングでの買い物ができず効率が悪く。きちんと把握ができれば、ムダな買い物もしないで済むはずです。

対面、電話、メール…、最適な連絡手段を

イラスト:今大丈夫ですか?

最近は何でもメールで済ませようとする人が多いのですが、「報告や連絡」は一方通行のメールでOK。「相談」になると、メールだと長くなりすぎたり、間違って伝わる心配もあるので、僕は電話や対面で会って話したほうが早いと思います。内容によって連絡手段も検討すると、かかる時間はより短く。

話すときは“箇条書き”を意識する

文章が長いと、脳が情報を処理するのに時間がかかるんです。できるだけ相手の脳に負担が少なく、伝わりやすいように、話し言葉でも短文・箇条書きを意識して。大体のことは「結論→論拠→例えば」の3つで構成して箇条書きにすれば、最短時間で伝わります。

“To Doリスト”を固めすぎない

イラスト:アレもコレもやらなきゃ…

「何時から何時までこの仕事」などとTo Doリストをガチガチに固めすぎてしまうと融通がきかず、緊急のトラブルなどに対応できなくなる恐れが。その日にやることを、大体頭に入れておくぐらいでOK。To Doリストを作る時間をかけすぎても、本末転倒に。

メールの手数をできるだけ減らす

丁寧なメールのやりとりが負担でなければいいのですが、短くしたければ、返信や社内のメールは3行以内に収める、と決めてみて。相手やシーンによっては、自らを“いつもメールはあっさりの人”とキャラ設定するテクも。会ったときに「その件は後日メールします」とするのをやめて、その場で決めることも大事。

メール時間を減らす4つの習慣

  1. 感謝は直接伝えて、お礼メールはしない
  2. ムダにCCの人を増やさない
  3. スケジュール調整を「後日メールで」しない
  4. 自らを「メールは短い人」とキャラ設定

→暮らしのタスクにも使える!

ママ友との予定なども、LINEよりも会ったときに直接相談したほうが早くてムダが少ない。またメールのCCと同じように、グループLINEに入りすぎていると、確認だけでも時間を取るので、本当に必要なグループか整理を。

素早く上司の承認を得るために、声をかけるのは、ひと息ついたタイミングで

イラスト:スミマセ〜ン

上司の承認が欲しい、込み入った相談をしたいときは、コーヒーブレイク後など、ほっとひと息ついて、気持ちがゆるむタイミングが○。忙しいときやトラブルがあったりと戦闘モードのときは、人の意見を受け入れにくいもの。普段から上司をよく観察してみて。

日々の雑談&観察で、仕事を任せられる人を知っておく

同僚や後輩に仕事を頼むうえで大事なのは、相手を知ること。そのためには、日々の観察と雑談が大切で、エレベーターで一緒になったときなどでいいので、今抱えている業務、どんな仕事が好きか、得意かなどを聞いておくと、いざ仕事を任せたいときに役立ちます。

→暮らしのタスクにも使える!

子どもの学校や習い事関連でも同じで、送迎時などに少しでも雑談をして親しくなっておくと、必要なタイミングで頼みごとがしやすく。「平日は難しいけど、週末なら手伝えますよ」などと自分の情報を伝えておいても。

100点の仕上がりを目指さず、70点で提出する

どんな仕事でも、完璧を目指すと時間がかかります。特に会議などで指摘されるのが心配で資料を作り込む人がいるのですが、もし不足があれば口頭で補足説明したり、資料をブラッシュアップすればいいこと。70点ぐらいの資料で、遅れず仕上げるほうがいいと心得て。

まとめ

時間繰り上げの達人・山本さんの教え

  • 資料を一から作らない! 過去の雛形を応用して
  • メールは工夫次第でかなり手数を減らせる
  • 周りを観察しタイミングを測ることで、スムーズに進む
イラスト:MAROMI

子どもの園や学校、習い事関係のタスクにも使えるテクがたくさん!

Staff Credit

イラストレーション/オザキエミ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE6月号(5/7発売)「タスクが早く終わる人の時間繰り上げ術」に掲載の記事です。

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