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LIFE

おうちで伝える「自分を守る」性教育

【弁護士 太田啓子さんインタビュー】これからの男の子たちに必要な性教育とは?

  • LEE編集部

2021.01.06

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インタビュー これからの時代に必要な性教育とは?

性教育への思いが深い著名人は、今何を考えて、わが子にどんな性教育をしているのでしょうか? 弁護士の太田啓子さんにじっくりお話を聞きました。

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この記事は2020年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。


男性は社会の影響で“男”になる。加害者にならないためにも性教育が必要です 弁護士 太田啓子さん

弁護士 太田啓子さん

PROFILE

弁護士。明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)メンバー。主に離婚、セクシャルハラスメント、性被害などの案件を手がける。12歳、8歳の2人の男の子の母。近著『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(大月書店)では、男の子に対するジェンダーバイアスや必要な性教育などについてわかりやすく解説。

離婚案件では男性から女性への性差別が噴出

太田さんの近著が『これからの男の子たちへ「男らしさ」から自由になるためのレッスン』。男性にかかるジェンダーバイアスや社会の圧力、必要な性教育について、明快な言葉と新鮮な切り口で解説され、話題となっています。

「私が仕事で担当する離婚やセクハラの案件では、性差別についてつくづく考えさせられることが多いんです。

夫婦での経済格差が大きすぎてDVやモラハラがあっても簡単には離婚できない女性や、『どうせ別れられないだろう』と横暴な態度に出る男性もいて。社会のマクロな性差別構造が、ミクロな場面で噴出していると感じます。

根本には無自覚な性差別があり、日本での性教育の不足は大きな問題だなと。性犯罪加害者の多くは男性で、きちんと教育を受けていれば、加害者になることを予防できたかもしれないのに、と思います。

とはいえ、男性が生まれたときから“男”かというとそうではない。社会で『男らしさ』とされるものを学び、内面化して、周りの影響で“男”になっていくんですね。

例えば、女風呂をのぞくことも、本当は犯罪なのに、『男の子のやんちゃないたずら』として許容されてしまったり、大人になれば、男同士で行きたくなくても流れで風俗に行ってしまうこともある。自分の息子にはこの男社会の同調圧力にNOと言える子になってほしい。

そのためには、男の子には男の子に必要な性教育をしなければいけないのではないかと、そんな思いでこの本を書きました」

射精ってどうやってするの? 言葉を尽くして淡々と答える

太田さんの息子さんは現在、12歳と8歳。実際にどんな性教育をしてきたのでしょうか?

「なかなかできないのが現状ですが、性教育によさそうな絵本や漫画は小さい頃から取り入れていますね。幼児の頃は、男の子への性犯罪も多いので、被害にあうことが心配で。『とにかくさけんでにげるんだ』(岩崎書店)という絵本を読んでいました。

最近は、『マンガでわかるオトコの子の「性」』(合同出版)や『おうち性教育はじめます』(KADOKAWA)などをリビングに置いておくと、子どもは興味があるから見ます。

すると、わからないことは質問するんですね。『射精と精子の違いがわからなかったけど、本を読んでわかった』と言った後に『射精ってどうやってするの? マスターベーションって何?』と聞かれました。

あと興味深かったのは『体外受精って言葉があるでしょ。体内受精って何?』と聞かれて、なるほどと。『それは普通のセックスでの妊娠だね』と淡々と理科の授業のように説明したら、理解できたようです」

多忙な日々の中でも、時間の許す限り言葉を尽くして話しているという太田さん。息子さんたちに対しても「言葉を惜しまないように」伝えているのだそう。

「男性の同調圧力でも性的同意でもそうなのですが、問題が起こるのは意思表示の言葉が足りず、コミュニケーション不足が原因のひとつです。日々練習かなと思うので、息子たちには、親子間でもあまり察しないように。

『麦茶』とだけ言ったら、『麦茶じゃわからない。いるの? いらないの?』ときちんと言葉で伝えるまでこちらは動かず、しっかり伝えられたらとことん褒めて。子どもがコミュニケーション不精にならないように、というのは一番気をつけていますね」

わが子に伝えたい性教育 1)社会の性差別をなくすためにも性教育はマスト! 男性性を内面化させない 2)性教育はコミュニケーション教育。息子たちが言葉を惜しまないように促す

 

おうちで伝える「自分を守る」性教育
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1億5000万人が支持した動画「お茶と同意」の思いをまとめた本が日本語に翻訳されました。


撮影/山崎友実 取材・原文/野々山 幸(TAPE)

この記事は2020年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。

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