「最近、漫画に登場するごはんを実際に作ってみるのが流行っているらしいよ」などと食にうるさいタラコ氏がつぶやくので、ウェブチームで試してみることにしました。
とはいえ、「実際に作ってみたら激マズでした!」などと書いたら、どこの出版社も校正で激しい修正依頼をよこすだろうし、面倒な案件かも……とグズグズしていたのですが、社内で手に入れた単行本『三十歳 バツイチ 無職、酒場はじめます。』(原作・久部緑郎 漫画・トリバタケハルノブ 1巻・集英社)に関しては、「自由に書いていいよ~」と適当なことを言われたので、俄然やる気に。ウェブチームの3人での挑戦を決意した次第です。
『ホット柿の種』、『ツナ缶のアヒージョ』でおうち居酒屋気分を堪能!
『酒場はじめます。』は、主人公が小さな居酒屋をオープンして店を盛り上げていくといったストーリーなのですが、第一話で出てくる料理は、柿ピーとツナ缶を使った超ズボラ料理。
イージーな展開に「そんなに魅力的な料理!? ほんとにおいしいの!?」とツッコミを入れながら読んでいたのですが……実際に自分で作り、客になったつもりで食べてみました。
●『ホット柿の種』(挑戦者:たかみー)
まずは焦がさないように煎るだけでOKという、『ホット柿の種』から。
漫画では、普通に食べるよりサクサク感が10倍UPしている! と客の心をつかんでいます。
実際にやってみました。
確かにせんべい(スナック?)部分がサクサクしています。
袋からボリボリ食べるんじゃあ味気ないですが、煎ってお皿に出すだけで豪華さが数倍UP。
親戚などが集まった際にサッと出せば、できる主婦感を演出できそうです。
●『ツナ缶のアヒージョ』(挑戦者:タラコ)
続いては、外食先でアヒージョがメニューにあれば必ず頼むというタラコ氏が、自宅での初アヒージョに挑戦です。
「ツナは味が強く、主張しすぎてしまうので、サンド系やパスタにしか使ったことがなかった」というタラコ氏。アヒージョも、家で楽しむにはハードルが高くて避けていたそうですが、「『ツナ缶のアヒージョ』はツナが悪目立ちせず、ちょうどいいあんばい。ツナ缶さえあればアヒージョが楽しめるなんて、うれしいですね」とのこと。
ただ、漫画では「缶に戻すと雰囲気Good!」とありましたが、
「オリーブオイルを足した時点で容量が増えているわけで、缶に戻したらあふれるんですが(苦笑)」と、リアルな指摘も。
迷った末に入れたツナのオイルは「入れないほうがおいしそう」、翌日仕事だったので控えめにしたというニンニクは、「多めにいれたほうがより美味かと」との感想も。
タラコ氏のツナ缶への苦手意識を払拭させた『ツナ缶のアヒージョ』。これは試す価値がありそうです。
大好きなポテサラで居酒屋気分!
●『セルフ・ポテトサラダ』(挑戦者:たかみー)
登場人物のひとり(客)が話していたメニューも作ってみました。
ポテサラの材料をお皿に乗せて、そのまま食卓へ。食べる人が混ぜるというスタイルです。
家でやってみたところ、3歳息子も混ぜることができてうれしそう。
お手伝いを楽しみたい子どもがいる家庭にもおすすめの時短レシピです。
実は、チェーンの串かつ居酒屋で食べたことがあるメニュー。以前は毎週のように居酒屋で夕飯を食べていた私ですが、産後は数えるほどに激減。自宅で居酒屋気分を味わえてうれしかったです。
ちなみにこの『セルフ・ポテトサラダ』にヒントを得て、主人公が考えたメニューが『セルフ豚おでん炒飯』なのですが、前衛的すぎてまだトライできていません。
●『ポテト夫婦』(挑戦者:HT子)
ラストは編集部きっての料理上手、HT子氏。
家にちょうどポテサラがあったため決死の覚悟でポテトチップスを買い(ダイエット中なんですって)、『ポテト夫婦』にチャレンジ。「皆で直箸でポテサラをつつくことに抵抗がある」という客用に考案したという気遣いメニューなので、おうちパーティー向き?
「丸めるときに手にポテサラがついちゃって結構大変だったかなぁ。水分の調整が必要かも」とのこと、パサついたポテサラが残ってしまった際の消費レシピとしても活躍しそうです。
ポテトチップスを料理に使う……という昭和生まれにはなつかしいレシピですが、HT子氏の娘さん(中学生)からは「ポテサラとポテトチップス、別々に食べたほうがおいしいんじゃない?ポテトチップスの残りちょうだい!」との正直な感想が寄せられた一品でした(笑)。
暮らしのヒントになるかどうかは不明ですが、食卓にちょっと遊び心をプラスしてくれそうな漫画ごはんもたまにはよいものです。漫画内の料理絶賛リアクションが大げさか否か? のジャッジがてら、早速今晩、試してみてはいかがでしょうか。
(『三十歳 バツイチ 無職、酒場はじめます。』1巻に収録 ©久部緑郎、トリバタケハルノブ/集英社)
高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。