確定申告のシーズンになりました。所得税を支払う必要がある人には慌ただしい時期ですね。
実は2017年から、クレジットカードで納税できる税金が増えました。所得税もその一つです。これまでも自治体ごとに住民税や固定資産税、自動車税など、カード納付が可能だったのですが、国に納める税金までその範囲が広がったのです。所得税のほか、相続税、贈与税、法人税など、主な税金が対象に。利用できるカードも、Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど、普段利用しているものが使えるのです。
カード払いを利用する場合は、国税・自治体の税とも専用の支払いサイトから。夜間休日を問わず24時間納付できるので、金融機関が開いている時間に出向く必要もありません。クレジットカード払いにするメリットといえば、やはりポイントの付与ですね。税金を払ってポイントももらえるなら、おトクな気がするのですが…。
税金のカード納付には手数料がかかる
ところが、ポイント分がまるまるおトク、ということにはなりません。専用サイトで税金をクレジットカード払いする場合、一定の手数料がかかるのです。これは、他の納付方法で納める人との不公平をなくすためなどの理由があるようですが、これがネック。税込み手数料は、国税の場合で1万円までが82円、それ以降1万円ごとに82円が加算に(都税は78円~)。通常のクレジットカードのポイントは0.5%還元なので、付与されるのは約50ポイントということになります。これでは手数料のほうが高くなってしまい、ポイントのメリットはないですね。還元率1%以上のカードで支払わないとプラスというわけにはいきません。高還元率のカードを保有していないなら現金で払った方がよさそう。
でも、税金以外にもカード払いできる固定費はたくさんあります。水道光熱費や通信費、生命保険料、国民年金保険料、最近では賃貸の家賃を払えるところまで。毎月払う固定費をカード払いにしておけば、あえて買い物をしなくても自然にポイントを貯められるというわけですね。特に引っ越しシーズンを迎えこれから新居に移る人は、光熱費の支払い方を見直すいいタイミングかもしれませんよ。
松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。