スイスのアポテーケ(調剤薬局)で花粉症の私に出されたモノ

Aerial overview of Basel cityscape in Switzerland

スイスの街で、人生初・謎の花粉症に苦しむ母

……そんなわけで(どんなわけだ)、今回は子供の話が一つも出てこないので『ママの詫び状』ではなく、番外編扱いである。

天高く、馬も母も肥ゆる秋。みなさんお元気にお過ごしでいらっしゃるだろうか。実りの秋、文化芸術の秋、美食の秋、しかし秋が来れば思い出す。秋といえば花粉症ですよみなさん(ちーん、と鼻をかむ)。ええ、ご想像通り春だって花粉症だけども!(すみません、ついやさぐれた気分になってしまって。)

ああもう、春も秋も鼻はたれるわ、耳の穴はかゆいわ、頭は重いわ思考力ゼロだわ、しかも薬飲んだらぼーっとするわで、締め切りなんか守れるわけが……って、LEE編集さんホントごめんなさい。

ティッシュが手元にないときは鼻がたれぬようあくまでさりげなく、雲ひとつない秋空を仰ぐふりで虚空を見つめ、「ああしかし、東京の空にはあの謎のフワフワが飛んでなくて本当によかった」と胸をなでおろす私。以前、スイス北西部ライン河畔にある製薬と国際機関の街、バーゼルというスイス第3の都市に家族で住んでいた時、秋になるとその空には見たこともないフワフワした白い植物性の——巨大なタンポポの綿毛のような——何かが舞い、それはそれはしつこいアレルギー反応を私にもたらしてくれたものだった。

いや、大自然に囲まれたスイスにあっては、もはやアレルギー源が確実にそれだったかはさだかでないくらいに各種花粉やあれこれが空中に充満していたに違いないのだけれど、外を歩いてその謎のフワフワが舞うその季節の空気を吸おうものなら、鼻たれっぱなし。というわけで、私にとってその謎のフワフワはつらいアレルギーの季節を知らせる代表者、「自然界からの招かれざる刺客」だったのだ。

ドイツ語圏スイスの鼻かみ事情

でね、そのバーゼルという都市はスイス・ドイツ語という、ドイツ語における関西弁のような位置付けの言語が優先的に用いられている地域で、社会的なマナーもドイツに準じるところがあるのだけれど、ドイツでは鼻をすするのが失礼とされているって皆さんご存知だろうか。鼻をすするくらいなら、どんな人前でも、どんな大音量をたててもいいから鼻をかむ。そのほうがはるかにマナーに適っているのだと。あと、くしゃみをするときは必ず「肘の内側」で口元を覆う。公共交通機関の車内貼り広告にもそうすべしと書かれている次第。

でも当然、質実剛健をモットーとするドイツ文化圏では、日本のようなナントカセレブ的、超高級・皮膚甘やかしティッシュなど売っているわけもなく、ゴワゴワの分厚いティッシュ(日本のキッチンペーパー並み)で鼻かみっぱなしの私は、鼻の下が真っ赤っかになるのが春秋の常だった。子供のインターナショナルスクールに鼻をかみながらお迎えに行くと、カナダ人の母友が「どうしたのよ」と聞くので「謎の花粉にやられてるんよ」と答えると、「ハイテク都市トーキョーから来た人には、確かにこのスイスの大自然は謎が多いかもしれないわねぇ」と笑われてしまった。

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Writer Profile

河崎環

フリーライター/コラムニスト

Tamaki Kawasaki

慶應義塾大学在学中に子供を授かり学生結婚後、子育てに従事。夫の海外駐在による欧州暮らしを経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどに寄稿・出演多数。政府広報誌や行政白書にも参加する。子どもは、21歳の長女、11歳の長男の2人。著書に『女子の生き様は顔に出る』。

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