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茶殻が畳に!?「お〜いお茶」のユニークな社会貢献をママの目でチェック!

  • 高見澤恵美

2017.09.06

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ペットボトルの日本茶飲料でおなじみの「お〜いお茶」、ちょっと渋味が欲しい時のお供にぴったりの「お〜いお茶 濃い茶」。どちらも、飲みやすいのに日本茶としての味がしっかりしているので、飽きずに最後までゴクゴク飲み干せるお気に入り。
そんななじみあるドリンクを製造・販売している伊藤園が、社会課題の解決実績を評価され、ビジネス誌『フォーチュン』(2016年9月発行)の「世界を変える50社」で18位(日本企業では最高位!)に選ばれたり……と世界で注目を集めているとの情報をキャッチ!
「お〜いお茶」シリーズのファンのひとりとして興味津々! ということで、今回は伊藤園のオフィスに足を運んでお話を伺ってきました。
取材させていただいたのは、広告宣伝部デジタルコミュニケーション室の室長・小笠原嘉紀さんと、角野賢一さんのおふたり。
世界で認められた伊藤園のさまざまな社会貢献の中で、お茶好きとして、そしてママライターとして、特に心に引っかかった2つの取り組みについてご紹介します。

■「お〜いお茶」の茶殻がインソール、畳、キッズ用グッズに変身!?

興味がわいた社会貢献のひとつめは、茶殻に関する取り組み。伊藤園では、「お〜いお茶」などの日本茶飲料を作る際に生じる、たくさんの茶殻をを再利用する「茶殻リサイクルシステム」が盛んに行われているそう。
茶殻の再利用と聞いて、真っ先に思い出したのは昔実家で茶殻を庭の土に撒いていたこと……肥料か何かになるのかな? と思ったのですが、このシステムではもっと幅広い使われ方をしていてビックリ! 畳や靴のインソールなど、さまざまな製品に茶殻が再利用されているんです!

「例えば、畳なら6畳分に『お〜いお茶』の500mlペットボトル約3600本分の茶殻が、茶殻入りインソールには1足あたり、『お〜いお茶』の500mlペットボトル約2本分の茶殻が配合されています。そのほかにも、足つぼ健康ボード、キッチンペーパー、枕など、さまざまな商品に伊藤園の茶殻が使われているんですよ」(小笠原さん)

茶殻を使用するメリットとしては、お茶の抗菌機能により、商品に抗菌・消臭性がプラスされることが挙げられるそう。

個人的に気になった商品は、前述の畳と、幼児用のトイレトレーニングマット。
抗菌機能を持つ商品は他にもさまざまなものがありますが、普段口にしているお茶を使用したアイテムなら安心度も高め。ママ目線でも、子供が触れたり、口にする可能性がある畳や幼児グッズに使われているなんて、ありがたい限りです。

「さらに意外なところでは、飲料水の自動販売機の素材の一種にも茶殻が使用されています。打ち水に似た原理で、茶殻入りの樹脂を使った自動販売機では、効率よく温度を下げることができるんですよ。こうして廃棄物である茶殻を使いながら、環境のために電気をムダに使わないための模索をしています」(小笠原さん)

茶殻で電気代節約も叶うとは! 電気製品への応用など、無限の可能性があるなと感じました。
ちなみに取材帰りに資料を入れていただいた伊藤園の封筒にも茶殻が使われていたのですが、爽やかなお茶の香りがほのかにひろがり、癒しをもらいました! 配合量や製品の材質にもよるそうですが、爽やかなお茶の香りがほのかに漂う製品づくりも茶殻によって叶うのだとか。
産後、人工的かつ強めの香りが苦手になってしまった私にも、ナチュラルな茶殻の香りは清々しく、大変心地よく感じました。
こんなすてきな香りが畳全体に使われている和室でお茶などいただいたら最高だろうな……と、うっとり。
機会があったらぜひ茶殻畳の和室に足を運んでみたいです。

このように、リサイクルの商品詳細にも興味津々ですが、いつものように『お〜いお茶』を飲んだだけで茶殻がリサイクルされて、社会貢献につながっていく、という気軽さにも感激。
何か行動を起こしたくても、毎日忙しくてそんな余裕がない……。そんなときにも簡単にできることのひとつとして、伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」を心に留めておきたいと思いました。

興味を持った方は、ぜひ伊藤園の茶殻リサイクル製品一覧をチェックしてみてください。

■唐津で! 渋谷で! お茶を囲んだユニークな語らいの場

そしてもうひとつ、気になった取り組みは、伊藤園が主催する「茶ッカソン」。こちらは、“お茶を通じて地域課題を解決するアイデアソン”を意味しているそう。

アイデアソンとは、アイデアとマラソンを足した造語であり、グループであるテーマについてのアイデアを出し合い、まとめていくイベントのこと。語感に意識高めな雰囲気が漂いますが、“茶”がMIXされて、「茶ッカソン」となると、たちまちとっつきやすい印象に……。
この「茶ッカソン」、今回お話を伺った伊藤園デジタルコミュニケーション室の主導で行なっているイベントで、2014年春、シリコンバレーにて初開催の後、東京、鎌倉、シアトル、ニューヨークなど、さまざまな都市に広がっていき、支持を集めているのだそう。

伊藤園が、自治体、企業などと一緒になって行い、さまざまな職種の人々が集い、交流し、テーマについて話し合うというのが基本的な内容。

鎌倉での「茶ッカソン」

「茶ッカソン」が普通のアイデアソンと大きく異なるのは、畳を敷いた部屋で、お茶と座禅を通して心を無にするところから始まるところ。そして、ゲストのトークショーをきいたり、参加者が話し合いする際のお供はもちろんお茶!

牧之原での「茶ッカソン」

「日本では、ゆっくり会話をしたり打ち解けたいときに『お茶しましょう』と言いますよね。コーヒーや紅茶ももちろんよいのですが、やはり言葉としてしっくりくるのは『お茶』ではないでしょうか。お茶を通して会話が生まれる。これ、実は日本限定のことではなくて、アメリカなど海外でも同じ効果を感じているんです。お茶を介すると、海外でも不思議と、会話や人間関係が生まれる。その手助けを僕らでさせていただこう、と始めたのがこの取り組みなんです」(角野さん)

鎌倉での「茶ッカソン」。お茶と畳でくつろぐ様子が伝わってきますね。

普通のアイデアソンは1日で終わるそうですが、『茶ッカソン』は2週にまたがって行うのも特徴的。
「あえて2週に分けて行っています。初対面で畳の上でお茶を介した会話で仲良くなった後、次の週に会うまでに携帯やスカイプなどでそれぞれが連絡を取り合い、仲を深めるんです。ですから2回目にはもっと盛り上がる。こうやってお茶が取り持ったご縁で、地域の解決策に向かっていくんです」(角野さん)

日本での活動の成果として印象深かったのは、今年の6月、渋谷区観光協会と、渋谷にキャンパスを構える國學院大学との共同プロジェクトで生まれた、渋谷の「SHIBUYA NIGHT MAP」。これは「茶ッカソン」での話し合いが元となって生まれたもの。お茶を介した話し合いで、こんな身近で役立つものが生まれるなんて……。(普通の会議も畳の場でお茶を飲みながら行ったら発想が柔軟になっていいものができそうだな、などと思ってしまいました)

そして、近く開催を予定しているのは、「茶ッカソン in Karatsu(佐賀県唐津市)」。唐津市からの依頼が元となったイベントで、「唐津のまちづくりコンセプトを考えよう」というのが今回のテーマ。初の合宿型イベントでもあり、豪華ゲストも登場予定だとか(詳細は下記参照)。

「茶殻リサイクルのように有形の社会貢献もあれば、『茶ッカソン』が取り持つご縁のように無形の社会貢献もあります。お茶を真ん中に置いての社会貢献、ぜひ身近に感じていただきたいですね」(小笠原さん)

「お〜いお茶」をただ飲むだけでもよし、興味のあるテーマの「茶ッカソン」に参加するもよし。タイプに合わせて楽しんでみる。伊藤園が提案するふたつの取り組みは、社会貢献の新しい形について考えるきっかけになりそうです。

 

◇「茶ッカソン」公式ウェブサイトはこちら

「茶ッカソン in Karatsu」(佐賀県唐津市)
開催概要
■テーマ「唐津市のまちづくりコンセプトを考えよう!」
■開催日時
※9/9(土)、9/10(日)、9/16(土)の3日間。
(9/9・土 〜9/10・日は1泊2日の合宿イベント)
9月9日(土) 11:30開場 12:00開始 21:00終了予定
9月10日(日) 9:00開始 12:00(正午)終了予定
(会場:唐津市旧大島邸 佐賀県唐津市南城内4番23号)

9月16日(土) 10:00開場 10:30開始 18:00終了予定
(会場:渋谷ヒカリエ)

■スペシャルゲスト
若宮和男氏(uni’que Inc. 代表取締役CEO/コアバリューカウンセラー/一級建築士)
玉樹真一郎氏(わかる事務所 代表/前職の任天堂では「Wii」の企画を担当)

※渋谷ヒカリエの「茶ッカソン in Karatsu」は自由見学も可能。詳しくは公式サイトでチェックしてくださいね。

高見澤恵美 Emi Takamizawa

LEEwebエディター・ライター

1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。

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