藤原千秋

大事なものって何ですか

「もしもの避難準備、手薄だな」

夏休みが終わり、子どもたちの新学期が始まり、防災の日を通り過ぎ、台風シーズンに突入し……。

先日も台風一過。まさか、という災禍に見舞われた土地のニュースに、私の頭の片隅では、まずいな、という思いがチリチリ疼いていました。

うち、もしもの避難準備、手薄だな……。あれこれの支度を「きちんと」最後にやったのはいつだろう。できてない、全然、できていない。

今このとき、何かの災害が起こったとして、私はスムーズに「大事なもの」を持ち出せるのかな。いや多分むりだ。そもそも、「今」私にとって大事なモノって一体何なのかすら、ハッキリしていないんだから……。

必需品だった「紙おむつ」

ほんの数年前、私が持ち出さなければならない荷物としてまとめていたものの中の、少なからぬスペースを占めていたのは、末っ子の必需品「紙おむつ」でした。

その子どもが育ち、それが必要だった時期が過ぎ去ってしまえばふっと笑ってしまいそうになる「紙おむつ」というモノの物理的な軽さと、当時の私にとっての必要性や重みとの乖離に、ぼうぜんとするような気持ち。時の流れを痛感します。

子どもは育つし、私も変わる。服や靴のサイズも、スマホの型番もバッテリーの容量もサイズも必要な薬も全く異なってしまいましたが、非常持ち出し袋の中身はそれらの変化に対応できていません。

まずは腰を据えて、「持ち出さなければならない荷物」のリストアップしてみないとな……と、手帳の白ノートを開いたところで、ハタと手が止まりました。

そもそも、極限的な状況であってなお持ち出さなければならないほど大事なモノって何。子どもたちや夫や自分の「身体」以外に必要なモノって?

……あと必要なモノは?

私はミニマリストではないし、何かと収集癖があるたちなので、広くない我が家のなかに仕事に関係するモノ、しないモノ含め、さまざまなモノを溜め込んでいます。

それぞれ、それなりに吟味して手に入れたモノですが、「極限的な状況であってなお持ち出さなければならないほど大事なモノ」であるかと問われれば否。物悲しいけれど、違う。まったく、それは違う。

じゃあ、と手近なところで挙げていくと、まずスマホに、お財布。手帳。書きかけの原稿やここ数年の経理データは大方クラウドにコピーをしまってあるので最低限スマホがあれば仕事のほうはなんとかなりそう(「そこ」に関わるいろいろが壊れてしまったら、全部おじゃんだけども)。

それからええと、身分証明書、家族分のパスポート、かな。それから現金でしょう。命に関わるアレルギーなどの頓服薬。当座の水と食べ物。うん。あとは?

……あとは、何だろう。必要なモノって。
なんなんですかね。

怒涛のように過ぎ去る一日の最後に、晩酌もせずしらふでこういうことを考えていると、時間があっという間に過ぎていきます。

あなたの、大事なものは、何ですか?

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Writer Profile

藤原千秋

住宅アドバイザー・コラムニスト

Chiaki Fujiwara

1974年、栃木県生まれ。住宅ライター・アドバイザー&コラムニスト。家族は夫と小・中・高校生の娘3人。趣味は宝塚歌劇の観劇です。

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