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松崎のり子

夢のマイホームに影響?! 住宅ローン「フラット35」Sの金利引き下げ幅が変更に

  • 松崎のり子

2017.08.24

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季節は夏休み。久しぶりに帰省して実家の家族とゆっくり話ができた人も多いでしょうね。親子が集まると将来について話し合い、二世帯住宅を建てようかとかマイホーム資金を援助しようなど、家にまつわる話が進むと聞きます。

先日、都内の住宅展示場を覗いてみたら、モデルハウスは孫・子・親の三世代同居用の住宅が中心で、資金面や子育て面を考えるとかなり現実的な選択肢になっているのだなと実感しました。展示場ではモデルハウスのカタログだけでなく、住宅取得に利用できる優遇制度や住宅設備への補助金などをまとめた冊子やパンフレットが手に入り、住宅にまつわるセミナーを実施していることも。そろそろマイホームをと考えているなら、こうした情報をまとめて手に入れるのには便利な場所でしょう。また、子どもが楽しめるように昆虫や動物と触れ合えるイベントやゲームを実施していたり。私が訪れた時は、アザラシが簡易プールで泳いでいて家族連れに大人気でした。

子育て世帯に使えるローン金利引き下げタイプもあり

2016年のマイナス金導入の影響もあり、住宅ローン金利は下げ止まったまま。特に固定金利は10年固定で1%前後という金融機関も多く、変動金利との差は小さくなっています。

なるべく金利の変動に一喜一憂したくない人には、35年固定金利の「フラット35」がお勧めですが、せっかくなら上手に利用したいもの。フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している全期間固定金利の住宅ローン。ただし、適用される金利は扱う金融機関ごとに異なり、35年ものだと年1.120%~年1.690%の幅があります(2017年8月、返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の例)。なるべくなら「フラット35」の金利が低い金融機関で借りたほうがいいですよね。加えて「フラット35」Sを利用できる住宅なら、もっと金利を低くできます。

「フラット35」Sとは、建築・購入する住宅が省エネルギー性、耐震性などに優れた質の高い物件の場合、借入金利が一定期間引き下げられるという制度。その住宅が満たす基準(省エネ、耐震性、バリアフリー性など)に応じて、当初5年あるいは10年間、金利をマイナスしてくれるのです。この引き下げ幅が2017年の9月30日まで申し込み受け付け分ならマイナス年0.3%ですが、10月1日からはマイナス年0.25%に縮小されることになっています。

また、当初5年間の金利が年0.25%マイナスになる「フラット」子育て支援型・地域活性化型もあります(2018年3月31日までの申し込み受け付け分)。こちらは、子育て支援や地域活性化に熱心な地方公共団体と住宅支援機構が連携し、補助金交付などを使って借入金利を一定期間引き下げるもの。対象となる地方公共団体や詳細はフラット35のHPを確認していただきたいのですが、子育て世帯や三世代同居(子育て支援型)、UターンやIターン等を契機にした住宅取得(地域活性化型)などの条件に合った家庭が利用できます。先の「フラット35」Sとも併用可能で、その場合当初5年間はマイナス0.55%(9月30日までの申し込み分)とかなり大きい下げ幅に。もし、地元に戻って二世帯住宅を、と考えているならチェックしておきたいですね。

ただし、金利や制度次第でマイホーム取得を考えるのは順番違い。あくまでマイホームを買っていいという環境が整ったタイミングで、その時に利用できる制度を利用するという順序で考えましょう。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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