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藤原千秋

G以外の害虫対策も! 梅雨入り前にするべき家事【後編】

  • 藤原千秋

2017.05.28

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今年は長く咲いた桜にも象徴的ですが、いつまで経っても春が終わらないような変わった気候ですよね。それでも間もなくやってくる、家事的にやっかいな梅雨から夏に向けて、なるべく負担少なく張り切らずに取りかかれるけれども効果が大きい<梅雨対策>のTipsのご紹介をしたいと思います。前回に引き続き、2回目です。

害虫対策いろいろ

気温が上がるにつれ、現れ出す虫たち。蝶々、蜂、カブト虫……でも「虫、大好き!」ってママは多分……少数派ですよね。特に心構えも前触れも、許可もなく入ってくる住まいのお邪魔虫=害虫を歓迎できる方って絶対……希少種。

実際のところ住まいの場所、位置(高さ)、周辺環境にもその出現頻度はだいぶ左右されるところではありますが、最近ママたちから「うちに出るんですけどー!」というお悩みを多く聞く虫たちへの対策を、ここでまとめてご紹介したいと思います。

 

まずは、あの見るのもイヤなG……

⒈ゴキブリ(クロゴキブリ、チャバネゴキブリなど)

天然ハーブのゴキブリよけ

ゴキブリの嫌がる「天然ハッカ油」を配合した「忌避剤」。ナチュラルミントの香り/画像提供:アース製薬株式会社

おそらくママたちに嫌われてる虫、ナンバーワンはゴキブリであるはず。「できれば家で遭いたくない、遭ったらどうしよう、見つけたとして殺すのもイヤ、触るのもイヤ」。ですから、「うちに出ないようにしたい」というのが、この虫に対しての最大の希望なのでは。

そうなると、「出ないようにさせる」=「忌避させる」「目につかないところで死んでもらう(!)」ということで、『忌避剤』『毒餌剤』という道具を使うのが一番簡単で効果的だと思います。ゴキブリの活動、繁殖が活発化する入梅前にこれらをしかけてしまうのが、とにかく「遭わない」コツです。

といっても、やることと言ったら、ドラッグストアで市販の『忌避剤』を、ゴキブリに出て欲しくない場所(キッチンの引き出しや食品庫など)に置くこと。

それから、ゴキブリが好みそうな場所(キッチンの冷蔵庫裏や電子レンジ周辺、ゴミ箱の陰、電源が入ったままのパソコンやテレビ周り、ベランダのエアコン室外機や鉢植えなどの陰、洗面所の洗濯機の陰など)にくまなく市販の『毒餌剤』を置いておくこと!

「ブラックキャップ」

せっかく置くならしっかり効かせたい。一度にたくさん置くことができ、6カ月間有効なのでしばらく放っておけます。子どもやペットが誤食してしまうリスクも低い安心設計です。画像提供/アース製薬株式会社

ちなみに毒餌剤としては古くから「ホウ酸ダンゴ」が知られています。自作もできるものですが、万一の子どもやペットの誤食が心配な場合は、誤食しようのない造りの市販品を取り入れてしまうのが安心ではないかと思います。

クローゼットのなか、キッチンの粉類のなかも要注意!

 

⒉衣類に穴をあける虫(カツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガなど)

「え、嘘、なんで?」というのが、衣類を虫に食べられてしまったのに気付いた時に出る言葉だと思います。見覚えのない変な穴。何かにひっかけて穴が開いちゃったんだと思いたい。でもそうじゃないということには、うすうす感づいている。「これ、多分……虫だ」。

幼虫が衣類を食べて栄養を得る系の害虫は、教えてもいないのに確実に良い服だけ食べます。お手頃なウールじゃなくて取っておきのカシミアを食べてくれる。……っていう経験は、でも、避けたいですよね。

まだ冬物の衣替えが終わっていない場合には、億劫がらず汚れものを早くにクリーニングに出してしまいましょう。ドライクリーニングは、おそらく一番手がかからない、確実な殺虫方法です。これらの虫の成虫はそこそこ大きい(目に付きやすい)ものの、もう衣類は食べず、衣類を食べる(準備中の)幼虫や卵は数ミリ程度と、目視で見つけ出すことはほぼ無理だからです。

同時に、たんすやクローゼットの内部のホコリを掃除機で吸い、引き出しや扉を開け放してしばらくしっかり内部を乾燥させます。そのうえで、クリーニング済みの大切な衣類は、防虫剤と一緒に、なるべく密閉させるようにしてしまいます。

⒊動く粉みたいな虫(チャタテムシ)

「小麦粉の袋に穴が開いちゃった?!」と焦ることが多いようです。あるいは、「なんでこんなところに粉が?!」バッと撒き散らされているみたいに見える。なんでーっと焦って拭こうとして、目を近づけてみると、その「粉」が……モゾモゾ動いていることに気づいて腰を抜かしそうになる!

というのがこの「チャタテムシ」との遭遇「あるある」です。あんまり経験したくないですよね。でも梅雨から夏にかけて、特に長期旅行に家を空けた後などに結構発生してしまうんです。これが。

「チャタテムシ」という虫。サイズは1ミリ弱。成虫は淡褐色なのでまとまると粉っぽい。この虫じたいは、実はどんな家にでもいますし、家の中から完全に撲滅させようと考えるのは、ダニと同じくらい不可能だったりします。「爆発的に大発生」させないことが、大事です。

予防のポイントは、「湿気」です。「チャタテムシ」は湿気を好み、カビを餌にします。まとめて積んであるダンボール、古新聞や古雑誌の山、古書、最近着ていない皮革製の服、結露っぽい窓辺、封を切ったカツオブシ、乾麺、小麦粉、唐揚げ粉などを食害しますが、いずれも「じっとり」した環境が、よくありません。

ですから発生を予防したいなら、一に乾燥、二に乾燥。梅雨から夏にかけて、湿度の低い晴れた日にはこぞって換気を行うことです。それから、住まい内に生えた(特に水回り外の)カビを放置しないこと。カビらしき汚れを見つけたら、水拭きではなく「消毒用エタノール」で拭き取りましょう。

ちなみに、「チャタテムシ」は不快害虫のくくりで、実のところそれほど深刻な害は人に与えません。ただ「爆発的に発生」してしまった場合の駆除は、素人にはちょっと難しい虫です。害虫駆除業者さんに、相談するようにしましょう。

 

 

 

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住宅アドバイザー・コラムニスト

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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