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松崎のり子

金銭感覚を鈍らせる「見えないお金」との付き合い方

  • 松崎のり子

2017.09.17

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お金の出入りの“見える化”は必須!

楽しかった夏休みが終わり、気づくと手元の現金ががっくり減っている…!これは緊縮財政モード発令!という経験はありませんか。こんな時、ついクレジットカードに頼りたくなりますが、気をつけないと赤字まっしぐらという事態に陥ることも。カードのように現金のやりとりがないお金は、払ったという感覚を鈍らせ、お金の使い過ぎを招く存在だからです。買う時も、支払う時も、現金を見ることがない=「見えないお金」への注意喚起は東京都内の消費者センターからのお知らせにも使われていています。そこでは次の4種類が紹介されていました。

クレジットカード、

電子マネー(IC型電子マネー、サーバー型電子マネー)、

デビットカード、

多機能型カード(キャッシュカードにクレジットカード、ポイントカード、IC型乗車券に電子マネーなどの複数の機能が搭載されているタイプ。クレジットと電子マネーとキャッシュカード一体型のイオンカードセレクトなどがおなじみ)

など。

さらに、最近ではスマホの普及でこれらがアプリ化され、カード自体が財布に入っていなくても使えますし、最近では割り勘アプリなどの通称で、お金のやり取りができるスマホアプリも登場。さらには、ネットショッピングの支払いを携帯料金と合わせて引き落とす方法も、使ったお金が見えにくくなケースでしょう。とはいえ、これらは今や私たちの生活には欠かせない存在。現金がそこになくても支払いができるという便利さは、裏を返すとお金を使う痛みをますます感じなくなることでもあります。

大人でもそうなのですから、子どもにこうした「見えないお金」を使わせるときにはより注意が必要でしょう。この冊子にも以下のように書いてありました。「…お財布の中から現金が減っていく実感がないので、自身でしっかり金銭管理をする必要があります。特に子どもは、健全な金銭感覚を身につける必要があります。『電子マネー=お金』という感覚を養うと同時に現金のやり取りを通してお釣りを自分で確かめる体験も必要です…」(めぐろ消費者にゅうすより抜粋)。

お金は使っても使ってもどんどん沸いてくるものではなく、親が稼いだ大事なお金がその源にあることを、きちんと伝えなくてはいけません。そのためにも、親の方も自分が何にお金を使ったのかしっかり意識することが大切です。カードで支払った代金は現金を引き落とし口座にすぐに移すか、封筒などに別に分けておく、電子マネーのオートチャージ設定はしない、カードやケータイ料金の利用明細は必ずチェックする等の方法で、お金の出入りを見える化しましょう。お金はあるだけしか使えないということを、今一度肝に銘じたいものです。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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