子供のタイムマネジメント

「時間がない!」は言い訳!? 小学校中学年から始めるタイムマネジメント

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前回に引き続き、言葉と文字、哲学を学ぶ『こころへ教室』の高橋由紀子先生にお話を伺います。テーマは『子供のタイムマネジメント』です。この教室に通う4年生4人組のお話をヒントに、小学校中学年から子供が自分でタイムマネジメントをする方法について考えます。

 

 

「時間がない!」というけれど、そもそも時間はどこかにあるもの?

 

上紙「うちの息子(小学校1年生)に『宿題やったの?』と聞くと『時間がなかったから、できなかった』と返されることが多くなりました。私からしたら『時間はいっぱいあったでしょう?』と思うのですが……」

 

高橋「そうね、大人も『時間がなかったもので……』なんて、よく言いますね。きっと息子さんも、宿題をやれるだろうと気持ちの中では思っていたのだろうけれど、結果としてできなかったんでしょうね」

 

上紙「そうだと思います。遊んでたらいつの間にか時間が経っていたという……」

 

高橋「今、午前10時15分だけれど、この〝時間〟は実は〝時刻〟ですよね。その場にいる誰にでも共通している10時15分。だけど、その宿題をやるための〝時間〟というのものはどこにあると思いますか?」

 

上紙「どこにあるんでしょう? 結果、宿題ができていないから、時間はなかったわけですが、その時間はどこかにあるはずだったんでしょうね」

 

高橋「きっと、そのための時間を心づもりとして心の中にもっていたんでしょうね。でも、どこにもなかった(笑)」

 

上紙「はい(笑)」

 

高橋「ここで言う〝時間〟はどこかにあるものではなくて、誰かからもらうこともできないし、自分で創り出すしかないんですね」

 

上紙「ということは、『時間がなくて……』と言ってしまうこと自体、恥ずかしいことかもしれませんね」

 

高橋「そう。『私は時間を創り出すことができない人なんです』と表明しているようなものかな?」

 

上紙「穴があったら入りたい!これは、子供のタイムマネジメントの前に、大人の私自身が方法を考えるべきですね」

 

高橋「家事も育児も、仕事も……と忙しいお母さんが多いですから、ぜひ子供と一緒に大人もこれを機会に〝時間〟の創り出し方を考えてみるといいですね」

 

生まれ育った世田谷区で教室を開いている、高橋由紀子さん。教室を初めて30年以上が経ち、親子3世代で通う人もいる。ただ言葉と文字を習うのではなく、由来をたどったり、自分の意見を述べる力が身につくことで評判に。
生まれ育った世田谷区で教室を開いている、高橋由紀子さん。教室を初めて30年以上が経ち、親子3世代で通う人もいる。ただ言葉と文字を習うのではなく、由来をたどったり、自分の思いや考えを筋道を立てて自分の言葉で伝える力が身につくことで評判に。

 

4年生の4人組に時刻どおりに教室に来てもらう2つの秘策

 

高橋「大田区から電車を3本乗り継いで通ってくれている4年生4人組がいるんです。お母さんと一緒に来るのだけれど、いつもまずお母さんたちが教室に入って来られて、それからずいぶん後で子供たちがおしゃべりしながらダラダラと入ってくるの。既に開始時間が過ぎていることに気づいてない」

 

上紙「なるほど。お母さんに連れてこられているという感じですね」

 

高橋「もう4年生にもなれば、教室に10分前くらいに到着するように行動できるといいなと思って。だから私は、ふたつのことを提案しました。

まずひとつ目は『自分の手帳をもって、予定を自分で書き込むこと』。

もうひとつは『教室に間に合うように、自分が乗る電車の時刻を調べること』

いまは乗り換え案内も簡単に調べられる時代ですからね。何時に家を出るから、それまでに準備をする。言われなくても行動できると自分がうれしいだろうなと思います」

 

上紙「確かに。お母さんに連れてきてもらって、勉強をするというのと、自主的に来て学ぶのとでは結果に違いが出てきそうですね」

 

高橋「何かを学ぶのは孤独な作業なんです。自分がわかるまで、自分が自分を目的に向かって導いて行くしかない。周りで応援してもらうことはできても、学ぶのは自分ひとりだからね」

 

上紙「遅刻はなくなりましたか?」

 

高橋「はい。教室に入ってきたときの顔が晴れ晴れとしていますし、授業を気持ち良く始められることも、お互いにとって清々しいものです」

 

『自分で時間を創り出す』ことが成功のカギ

 

高橋「手帳に予定を記入して、前後の見通しを立てることを習慣にしてほしいです。たとえば、この4年生が中学校に上がったら、中間テストや期末テストなどがありますよね。日程が決まっていてそこに向けての学習をすることになります。テスト本番の日に、自分のもっている最大限の力を発揮できるように調整していかなくてはなりません」

 

上紙「学習計画を立てて、勉強するってなかなか大変ですよね……」

 

高橋「これは私の母が教えてくれたことなんだけれど、テストの日程が決まったら、3週間さかのぼって、毎日、何の教科のどのページを勉強するのかという内容を決めるんです。そのときは理由もわからず、いやいやながらもやっているうちに、それが私にとってはよい方法だとわかってからは、微調整しながら半世紀ずっと活用しています。」

 

上紙「3週間前から!? 『計画を立てて取り組みましょう』と学校で習った気がしますが、私は正直言って、実行できていないです(泣)」

 

高橋「3週間分の計画と聞くと大変そうだけれど、こなす予定は1日ずつしかやってこないから(笑)。大事なのは、無理な計画を立てないこと。息抜きをする時間も含めて計画しないと、がんばりすぎて当日倒れた!なんてことがあったら切ないでしょう?」

上紙「思い返してみると、予定を詰めすぎることがよくあります。計画の立て方から見直してみます」

低学年でも管理できる、スケジュール帳とは?

上紙「うちの子はまだ一年生ですが、ちょうど今年から手帳をもちはじめたんです」

 

高橋「ほかの1年生にも手帳を使っている生徒さんがいます。自分から『次は何日でいいですか?』と次回の予定を確認するようになって、これはなかなかいいぞと思っていたところ」

 

上紙「1年生でも手帳を使いこなせるんですね」

 

高橋「記帳に慣れるまで寄り添ってやりましょう。1年生にはもっと細かく、家族それぞれのスケジュールもあわせて可視化してあげるといいですよ」

 

次のページで高橋先生のお孫さん(小学校4年生)のために作った、スケジュール表を見せてもらいましょう。

 

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Writer Profile

上紙夏花

ライター

Natsuka Uegami

1977年大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子6歳&1歳。

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