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藤本こずみ

「絵本読んで〜」にイヤと言えない母のワザ。寝る前に”オリジナルストーリー”を話し聞かせて3年、おすすめポイントをご紹介します!

  • 藤本こずみ

2022.09.04

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“絵本の読み聞かせ”ならぬ“オリジナルストーリーの話し聞かせ”を

「ママ~、絵本読んで~」。

子どもと家にいると、たびたびリクエストされるのが絵本の読み聞かせ。わが家では、お昼寝や夜の就寝前に、「今日はこれ!」と差し出されることが多いです。

私自身も、絵本は好き。子どもたちにも、たくさん触れてもらいたい!

家にも、子どもたちが選んだものや私が好きで買ったもの、実家から持ってきたものや友人が譲ってくれたもの、新旧いろいろな絵本があります。

それをキラキラした目で抱えて来られたら……もちろん読んであげたい!

寝室の絵本コーナーの一部と、特に思い入れのある3冊。

でも、絵本の読み聞かせって、時間と心の余裕を必要としませんか……?

いつも明るく穏やかに、「もう1回!」「もう1冊!」のリクエストにも応えてあげられたらいいけれど、なかなかそうもいかなくて。

特に、夜は親子同じタイミングで寝ることにしており、私自身もエネルギー切れ寸前、ということも多いため、「早く部屋を暗くして目を閉じたい~!」と思ってしまうことがあるのが、正直なところ。

そこで、3年ほど前、息子が幼稚園の頃に始めたのが、“絵本の読み聞かせ”ならぬ“オリジナルストーリーの話し聞かせ”だったんです。

主人公は息子、メインキャラクターは息子の好きな電車

「絵本読んで~」の声に、「イヤ!」とは返したくなくて、思いついたのが「寝る前はママが”お話”するね!」という案でした。

ちょっとズルい!? でもこれが、息子も喜んでくれて、私も真っ暗な部屋で眠りに向かいながらできて、わが家にはとってもいい形だったんです。

そして、なんと息子が2年生になった今も毎日継続中。

軽い気持ちで始めたので、まさか習慣になって何年も続くとは思いませんでした。

この”お話”、”オリジナルストーリー”というと、なんだかスゴイもののように思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません(笑)。

どういうものかというと……

主人公は、息子。幼稚園時代の息子の主な興味の対象は電車だったため(今も立派な子鉄です)、メインキャラクターは、電車。当時大好きだった『きかんしゃトーマス』のように、いろいろな電車が登場して一緒に遊ぶ、というものです。

電車たちは、色でキャラクター分けされていて、「青くん」「赤くん」「黄色くん」……など大勢仲間がいるのですが、息子のお気に入り(=親友役)は黄色くん。いつの間にか、おっちょこちょいな黄色くんを、息子が助けてあげる、という流れが基本に。まるでドラえもんとのび太くんみたい(笑)。

「あるところに、〇〇(息子)くんという男の子がいました。〇〇くんには、電車のお友達がたくさんいます。今日は、何色の電車が遊びに来てくれるでしょうか?」

と、お決まりのフレーズで話し始めると、息子から「黄色くん!」「あ、今日は機関車くんもね!」「一緒に遊園地に行く話がいい!」など、いろいろオーダーが入ります。それを取り入れたり、息子が言うセリフに答えたりしていくうちに、どんどん物語が展開。なので、私がオリジナルストーリーを話し聞かせているというよりは、二人で作り出しているような感覚なんです。

どんな結末になるかはわからない、同じ話も二度とできない。ライブ感満点のエンターテインメント(笑)。詳細は全然思い出せないけれど、二人してゲラゲラ笑ったりじんわり感動したりした、”神回”も何度かありました!

ポイントは、当日の体験や翌日の予定をテーマにすること!

”お話”を始めて数年経った今の定番は、その日の体験や次の日の予定をテーマにすること。たとえば、プールに行った日なら、

黄色くん「やっほー、〇〇(息子)くん! 今日は一緒にプールに行かない?」

と電車くんが誘いに来て、一緒にプールに行く話に。思い切り泳ぐ、スライダーを滑る、など、当日実際に経験したことを物語にすることで、思い出を振り返ったり。

翌日電車に乗る予定があれば、

青くん「〇〇(息子)くん、久しぶり! 明日、僕に乗りに来てくれるんだって?」

と電車くんから電話がかかってきて、「何時に出発する?」「何駅で降りるんだったっけ?」など、翌日の予定を話す中で、楽しみなことをワクワク想像したり。

これが、親子のいいコミュニケーションになっているんじゃないかな、と思うんです。



ある意味、話題の”耳活”⁉

日中は、私もバタバタしているうえ、息子も外でのことをあまり話さないタイプなので、普通に「今日何をした?」「明日何が楽しみ?」と聞いても、「分からない!」「忘れた!」「全部!」など、ざっくりした答えが返ってきて終了、ということがほとんど(苦笑)。

それが、この”お話”の中なら、自然にどんどん話せてしまう不思議! 絵や字を追わないぶん、かえってイメージも膨らみます。これも、ある意味、話題の”耳活”⁉

わが家にとっては、じっくりと落ち着いたムードで会話するのは難しいけれど、ゆるりとリラックスしたムードで(なんといっても、真っ暗な寝室で、パジャマで横になって目を閉じていますから(笑)!)会話するのは合っていたのかもしれません。

もちろん、息子は”親子のコミュニケーション”なんてことは考えていないと思います。ただ、絵本と同じように”お話”を聞いて、その行方に笑いながら眠りにつくのが心地いいのでしょう。

でも、私にとっても、短いながら息子と向き合えるこの時間は心地いいもの。今では、息子が横にやって来て「はい、”お話”!」と誘ってくれるのが、1日のスイッチをそっとオフにするきっかけになっているような気がします。

長さも濃さもストーリーも自由自在!

絵本の読み聞かせも素晴らしいけれど、もし、ちょっと疲れた、目を閉じたい、本さえ重い(!)……ということがあれば、オリジナルの”お話”をしてみるのはいかがでしょうか? いつでもどこでもどんな姿勢でもできて、その日のコンディション次第で長さも濃さも自由自在に調整できますよ(笑)。

わが家の場合は電車でしたが、動物、恐竜、プリンセス、スイーツ……など、お子さんの好きなものをキャラクターにすると喜んでもらいやすいかも。私調べでは、ハッピーな展開の中に、「どっしーん!」と転んだり「びっしゃーん!」と水に濡れたりと、派手で笑えるハプニングがあると、楽しさがアップするようです。ただし、あまりにも盛り上がりすぎると、ハイテンションになって寝つけなくなるのでご用心(体験済みです(笑))。

現在、2年生息子&3歳娘との”お話”は……

この”お話”は、子どもの趣味や性格次第で、無限に広がっていくのが面白いところ

2年生になった息子の場合は、登場する電車の種類が、関西でおなじみの阪急電車や阪神電車から、東京で乗ったスペシャルな存在の東西線や京王線まで、かなり増えて具体的に。遊び方も、プールにスキーにドッジボールに釣り、とバラエティー豊かになりました。さらに、物語が進むと、空も飛ぶしバトルもするし秘密道具も使うし……描写は複雑化の一途をたどり、もうカオス! 一話完結型にまとめるのが大変です(笑)。

ちなみに、最近は3歳の娘にも、お昼寝などのタイミングで”お話”をするようになりました。娘は、お姫様になってドレスを着て、アイスかドーナツを買いに行くストーリーがお気に入りの様子。「今日はアイスね!」「今日はドーナツね!」のオーダーが、交互にやってきます(笑)。特別な出来事は起こらなくてOK、お店屋さんと話をしたりお金を払ったりするのが楽しいみたい。息子がストーリー重視だったのに対して、娘はごっこ遊びを求めているようで、そんな違いも面白いなぁと感じます。

ふと気づくと、息子は少しずつ、一人で文字の多い本を読むことも増えてきて……このところ「絵本読んで~」の声はあまり聞かなくなったような気がします。いいことだけれど、ちょっと寂しいのも本音。この”お話”にも、あと何年夢中になってくれるでしょうか。限りある時間だと思うと、また今日も、貴重な寝る前の時間を楽しもう、と思うのでした。

藤本こずみ Kozumi Fujimoto

ライター

1979年、兵庫県生まれ。雑誌やWEBで、インタビュー、ライフスタイル、占いなどの記事を執筆。趣味は、テレビドラマ鑑賞&リラクゼーションスポット巡り。夫、長男、長女との4人暮らし。兵庫・東京の二拠点生活に挑戦中。

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