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【「子どもの防犯」6つの事例別対策&伝え方】不審者につけられたら?ほか

  • LEE編集部

2022.05.23

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SNSでの被害や連れ去り、交通事故など、不安になるニュースが多い昨今。いざというとき、子どもが自分で身を守るためには、どう伝えればいいの?

子どもがひとりでいるときに起きると怖い、6つの主要なケースに備えて、親ができること、子どもに伝えるべきことを専門家がレクチャー!

子どもにたくさん問いかけて、防犯センスを磨かせましょう。
この記事は2022年3月7日発売LEE4月号の再掲載です。


こんなリスクにどう備える?
「子どもの防犯」6つの事例別対策&伝え方

教えてくれたのは・・・ セコムIS研究所 舟生岳夫さん

セコムIS研究所 舟生岳夫さん

子どもを犯罪から守るための調査、研究を専門に行う。著書に『子どもの防犯マニュアル』(日経BP社)など。
『安心子育て応援サイト 子どもの安全ブログ』(https://www.secom.co.jp/kodomo/)も更新中。

教えてくれたのは・・・ ステップ総合研究所 清永奈穂さん

ステップ総合研究所 清永奈穂さん

犯罪、災害、事故などから命を守るための研究に取り組み、各自治体や学校などで体験型安全教室を行う。
新刊に、安全教育の絵本『あぶないときは いやです、だめです、いきません 子どもの身をまもるための本』(岩崎書店)。
公式サイト:https://www.ri-step.co.jp/

子どもの防犯対策例01
ひとりで道を歩いているときに、知らない人に声をかけられたら?

ひとりで道を歩いているときに、知らない人に声をかけられたら?

ついていく、車に乗るなど移動を求められても拒否

家の場所は絶対に教えず、駅や店の場所などを聞かれた場合でもその場で方向を示す程度にとどめて。
危険なのは、ついていく、車に乗るなどその場からの移動を求められた場合。「ついておいで」「こっちに来て」という誘いは絶対に断るように教えましょう。
犯罪者は周りから注目が集まる大きな音などを嫌がるため、危ないと思ったら声を出したり、防犯ブザーを鳴らすのも効果的。声をかけてきた人が知り合いでも、立ち話はいいけれどついていかないこと。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)

手をつかまれたら、ブンブン力強く振るか、かみつきも効果的

手をつかまれたら、ブンブン力強く振るか、かみつきも効果的

「家を教えて」と声をかけられるケースがあるのですが絶対に教えないよう伝えて。自分で断りづらい場合は「お母さんに聞かないと言えません」と。
手をつかまれたら、力いっぱいブンブン振るか、最後の手段でかみつきも有効。不審者がひるんだ隙に逃げられます。
かみつくのは経験がないと難しいので、安全教室などで練習しておくと◯。公園や犬の散歩などで、気づけば知り合いになっている不審者にも要注意。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

持たせて安心の「ココセコム」

持たせて安心の「ココセコム」

セコムの持ち運べるセキュリティ。GPSによる位置チェックはもちろん、緊急時に通報ボタンを押してセコムに通報できる。
通報するとオペレーターと通話ができ、適切にサポート。家族の要請によりセコムが駆けつける。特定のエリアを出入りしたり、離れると通知が来るなど便利な機能もあり安心。

加入料金¥4950、月額¥1320〜/セコム 「ココセコム」http://www.855756.com/

子どもの防犯対策例02
自宅やマンションに、あやしい人がついてきたら?

自宅やマンションに、あやしい人がついてきたら?

後をつけている、待ち伏せは引き返してもあやしい人を察知する注意力も必要

後をつけている、待ち伏せをしている人がいたら、家に入る前に思いきって引き返すのも手。家の場所を確認して、後から宅配便を装って訪ねてくるなんてケースも。
知らないうちに尾行されていることもあるので、エントランスを入る前に前後左右の確認を。マンションの非常階段で待ち伏せされることもあるから注意が必要です。
しつこく追われた場合などは、まだ犯罪には至っていないけれど警察に相談ができる専用電話「♯9110」に連絡を。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

エレベーターではすぐに降りられるように必ず階数のボタンの前に立つこと!

エレベーターではすぐに降りられるように必ず階数のボタンの前に立つこと!

まず、鍵はランドセルなどの見えるところにつけない、声かけに使われる名前の記名も見えるところにしないなど、狙われないように備えを。
あやしい人がいて家に親がいない場合は、無理に帰らずに近くのお店や「子ども110番」のマークがある家に助けを求めて。
マンションでエレベーターに乗り込んでくる危険性もあるので、エレベーターでは必ずボタンの前に乗ること!何かあってもすぐにボタンを押せば次の階で降りられるし、非常ボタンを押すこともできます。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)



子どもの防犯対策例03
車やバスに閉じ込められたら?

車やバスに閉じ込められたら?

子どもの不在連絡や終点時の点検など安全管理ができているか親が確認を

もしも本当に閉じ込められたら、子どもひとりで対処するのは非常に困難。利用するバスや車を運営する保育園、幼稚園、学童、スイミングスクールなどに、あらかじめチェック体制を確認しておくことが大切です。
乗る予定なのに子どもが不在なら連絡が来るのか、終点の際の確認事項など安全管理ができていると判断してから利用しましょう。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)

音を出して気づいてもらう!クラクションを押したり、防犯ブザーを鳴らし続けるのも◯

音を出して気づいてもらう!クラクションを押したり、防犯ブザーを鳴らし続けるのも◯

自分がバスや車に閉じ込められていると気づいたら、とにかく音を出して気づいてもらうこと。運転席に移動して、クラクションを鳴らすのが最も気づかれやすいはず。クラクションが難しければ、防犯ブザーを鳴らし続ける、窓ガラスを叩いてもOK。
特に暑い夏や寒い冬などは、体力を消耗してしまうので、できるだけ大声を出すことは避けて、それ以外の方法で、大きな音を出して周りに助けを求めるよう教えましょう。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

子どもの防犯対策例04
車通りの多い道路で交通事故を避けるには?

車通りの多い道路で交通事故を避けるには?

自転車の事故は加害者になることもしっかり説明を

ゲームをしたり、音楽を聞いたりしていると視界が狭くなるので、何かをしながら歩かないように注意を。遠回りになっても安全な道を選ぶよう教えましょう。
自転車は被害者はもちろん、ぶつかって高齢者が亡くなるなど加害者になってしまうケースも。危機感がなく危ない乗り方をやめない子どもに対しては、刺激は強いですが自転車事故の動画を検索で探して見せたり、賠償金がどれだけ発生するかなどをしっかり話しておきましょう。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)

子どもの視界は思っている以上に狭い!「チャイルドビジョン」を認識して

子どもの視界は、思っている以上に狭い!「チャイルドビジョン」を認識して

チャイルドビジョンといって、小学5年生の子どもでも、大人が目のまわりを両手で囲ったぐらいの狭い視界しかないんです。
大人は横は150度、上下は120度見えますが、子どもは横90度、上下は70度しか見えません。これだけ狭い視野の中で行動しなくてはならないと自覚して、止まってしっかり左右を確認する習慣をつけさせて。
自転車も危険なので、飛び出さない、正しいレーンを走る、ヘルメットを着用するなどルールの徹底を。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

子どもの防犯対策例05
電車の中で怖い人に遭遇したら?

電車の中で怖い人に遭遇したら?

大声で怒鳴っているなどあやしい行動をする人には近づかず、違う車両へ

電車でイライラしている、大声で怒鳴っているなど、あやしい動きをする人がいたら、4m以内に近づかないように。
「本当はあやしい人じゃなかったら失礼?」と気にする必要はないので、その場をさっと離れて違う車両に移動するか、降りて次の電車を待つよう教えて。
もしも、ナイフを振り回す人がいるなど事件に巻き込まれたら、ランドセルやバッグを体の前に抱えるだけでも、体をガードできます。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

奥に入り込むと身動きがとれない。出入口付近で立って乗るのが安全

奥に入り込むと身動きがとれない。出入口付近で立って乗るのが安全

電車では、入口近くに立つこと。奥に入り込んでしまうと、何かあっても身動きがとれないので、すぐに降りることができる出入口付近で待機を。
また、子どもは好奇心旺盛なので、何か起きて騒いでいると近づいて確認したり、高校生ぐらいだと撮影しようとする子も。危ないと感じたらすぐに離れて、逃げることを教えましょう。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)

子どもの防犯対策例06
SNSでのトラブルに巻き込まれたら?

SNSでのトラブルに巻き込まれたら?

心の悩みをSNSにアップするとつけ込まれる。どんどんエスカレートする自撮り被害も深刻

SNSへの個人情報の公開を避けるのは基本ですが、「今日は誕生日」などといった投稿も落とし穴! 生年月日は一生変更できない個人情報です。また、心の悩みを投稿すると「相談に乗るよ」とつけ込まれやすいので要注意。
自撮り被害も恐ろしく「まずは猫の写真を」→「猫と一緒に」→「かわいいから君だけの写真を送って」などとどんどん要求がエスカレートします。子どもにはこういった具体例を示して、怖さを伝えましょう。(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

名前、住所などの情報だけでなく、写真で場所の特定も

名前、住所などの情報だけでなく、写真で場所の特定も

携帯電話を使い始めるときに、子どもにあげたものではなく、あくまで安全のために貸しているものだから、と忠告を。子どもの持ち物ではなく、親が管理しているものだと自覚すれば、無茶な使い方を防げるはず。
不特定多数がアクセスできるSNSに、個人情報をあげないことが必須。名前、住所、学校名はもちろん、顔が写っていない写真でも背景で場所が特定できることがあります。中学生になりすます大人もいる、といった注意点も伝えて。(セコムIS研究所 舟生岳夫さん)


イラストレーション/船越谷 香 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2022年3月7日発売LEE4月号『子どもを守る「防災・防犯」、これだけは!』の再掲載です。

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