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池田清子

春を味わう「ふきのとうのペペロンチーノ」レシピ【ポリフェノールたっぷり】

  • 池田清子

2022.04.05

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プラントベースで野菜たっぷりごはんとおやつ

今が旬!ふきのとうの心地よいほのかな苦味を味わうシンプルなペペロンチーノ

春が来ると嬉しいことの一つに、山菜が味わえること。早速ふきのとうを調理!

友人の庭に生えていたり、近所の無人販売で売られていたり……

ふきのとうの季節がやってきました。(心の中で拍手)

“ふきのとう”とは、フキのつぼみの部分。新緑の頃合いになると茎が伸びて葉も大きくなりますが、つぼみを味わえるのは今時期ならでは。

定番の天ぷらからポタージュスープなど色々なレシピにアレンジしているのですが、今回はシンプルにふきのとうを味わうペペロンチーノを作りました。

ほのかな苦味と風味が、オリーブオイルの渋みともよく合います。

 

ここでプチ情報。ふきのとうを食べる際には、下記の注意点があります。

①ふきのとうにはペタシテニンという肝毒性の強い成分が含まれています。この天然毒は水に溶けやすいため、茹でて水にさらすなどのアク抜きをしてから使いましょう。

②一度に大量に食べるのは避けましょう。大量に食べると肝癌を引き起こす可能性があります。但し、大量とは350g/日以上と言われていますので、通常に食す範囲でしたらこの量に達することはないかと思いますが(12〜16個で約100g)食べる際にはご注意ください。

他にも「根っこは食べない」「見た目が似ている有毒の芽を持つ品種違い(フクジュソウ)と間違えないこと」などがあります。自分で採りにいく場合は十分にお気をつけください。

ふきのとうのアク抜き方法

  1. ふきのとうを水洗いし、根本が黒ずんでいれば切り落とす。茶色い葉があれば、取り除く。
  2. 塩を加えた熱湯で3~5分間茹でる。(目安:湯1.5Lに対して塩大さじ1)
  3. ザルにあげて、一度流水で冷やしたあとボウルへ。水に15分(〜ひと晩/時々水を変えながら)漬けておく。使用前に取り出し、水分をよく拭き取っておく。

※摘み取った後、時間が経過するほどアクの含有量が増えていきます。なるべく新鮮なうちに処理するのがおすすめです。

材料 2人分

  • ふきのとう……50g前後(6〜8個)
  • オリーブオイル……大さじ4
  • にんにく……2欠片
  • 鷹の爪……2〜4本(お好みで)
  • パスタ/乾麺……200g(今回はとうもろこし100%の麺を使用)
  • スパゲティを茹でるときの塩……大さじ1
  • 天然塩……適量(お好みで)


作り方

  1. パスタを茹でる湯を沸かす。湯が沸いたら、塩と乾麺を入れて記載されている茹で上がり時間から1分早めにタイマーをかける(例:通常の茹で時間8分→7分でセット)。
  2. フライパンにオリーブオイル、みじん切りにしたにんにく、鷹の爪を手で砕きながら割り入れ(辛いのが苦手な方は種は入れないようにしてください)、弱火で加熱する。焦がさずじっくりオイルににんにくの香りを移すのが、美味しさのポイントです。

    ペペロンチーノを美味しく作るポイントが、油ににんにくの香りをオイルに移すこと。弱火でじっくりと加熱してください。シンプルな材料で作るからこそ、大事な工程です。

  3. にんにくから香りが出てきたら、半分にカットしたふきのとう(アク抜き済み)を加え、軽く炒める。パスタの茹で汁をお玉一杯分加え、オイルと茹で汁を乳化させる。乳化した液体が、フキのとうの香りをこの後加えるパスタ全体に纏わせる役割を果たします。

    オイルにパスタの茹で汁を加えたら、しっかり乳化させましょう。

  4. パスタが茹で上がったら、茹で汁をお玉2〜3杯分残しておき、麺の水気を切ってフライパンに入れる。茹で汁はこの後少し使います。

    パッケージに記載されている時間より1分短縮して茹でた麺を、投入。今回はとうもろこし100%のグルテンフリー麺を使用しました。

  5. 乳化した水分とパスタをよく混ぜ合わせる。茹で汁を1〜3杯加えてフライパンに麺がくっつかないようにしながら、パスタ全体にオイルコーティングしていくイメージで30〜60秒程度掻き回す。味見をし、お好みに応じて塩少々で調整して完成。

    最後の乳化作業。しっかりと味と香りを全体に行き渡らせましょう。味見をして、塩で味を整えてください。

column

苦味は、春到来のしるし

ふきのとうなど、春の山菜には特有の苦味がありますね。

この苦味の正体は、ポリフェノールの一種抗酸化物質が含まれ、免疫アップや美肌にも繋がる効果が期待できます。

他にもビタミンEやビタミンK、銅などが含まれ、若返りや骨粗鬆症予防、栄養の代謝を促すなどの効能が知られています。

中国では、つぼみや葉を乾燥させて咳や痰を抑える漢方薬にも使用されるなど「食べる薬」としてその性質が生かされてきました。

春ならではの“苦味”を適度に取り入れることで、体調面でその季節を上手に乗り切る一助となるでしょう。

ですが私にとってその“苦味”は、春の到来を知らせ、何かと新しい出会いや物事が始まる新年度に向けて、背中を押してくれるスイッチのような役割も果たしています。

食でスイッチが入るって、私たちにとって結構大事なことかもしれない。と感じる今日この頃です(年々、1年が早く感じられる……)。

新年度も、頑張っていきましょう〜!

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池田清子 Sayako IKEDA

アスリートフード研究家

ビオトープ株式会社代表。夫は7年連続日本代表マウンテンバイクプロライダー、池田祐樹。菜食・プラントベースを主とした「細胞から健康的に強く美しくなる」食事の研究と発信を行う。2014年より自身もサイクリング・ランニング・筋トレを中心とした運動をスタートし、国内外での大会出場経験も多数。著書に『EAT GOOD for LIFE』至上最高の私をつくる「食」×「ながらトレーニング」』『野菜のおいしい食べ方』https://biotope-inc.co.jp https://biotope-inc.co.jp

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