自覚症状が乏しく40代から増える“卵巣がん”。LINE アカウント「わかる卵巣がん」が開設。【がんサバイバー栗原友さん、吉田ゆりさんが語る正しい情報の必要性】

武田由紀子

みなさんは、卵巣がんをどの程度知っていますか? 子宮頸がん・乳がんは「定期的にがん検診を受けているから大丈夫」と安心している人も多いはず。しかし「卵巣がん」と言われると、「そういえば、がん検診で診てもらっていないかも」「大丈夫かしら?」と不安になった人も多いのでは。

そんな人にぜひ知ってもらいたい、卵巣がん疾患啓発セミナー『「わかる卵巣がん」〜卵巣がんとうまくつきあうには?〜』が開催されました。卵巣がんの基本知識やがんサバイバーの方の体験談を中心に、医師、ジャーナリストの3方から意見を交わすトークセッションが行われました。

左から、女性医療ジャーナリストの増田美加さん、料理家の栗原友さん、がんと働く応援団代表理事の吉田ゆりさん、産婦人科医の藤原聡枝先生

40代以降に増える卵巣がん。不妊症既往、家族に卵巣がん・乳がんがいる人は要注意

まずは卵巣がんの基本知識について。日本で毎年新たに卵巣がんと診断される患者は約 1万3000 人(※)、初期の卵巣がんは自覚症状がほとんどなく、発見された時には進行していることが多いがんです。そのため、すぐに治療を始めないといけないケースもあるため、患者さんが疾患や治療について理解を深めることなく治療が進んでいくことがあるそう。それが治療に対する不安にもつながっていると言います。(※国立がん研究センター がん情報サービス参照  https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

産婦人科の藤原聡枝先生によると、卵巣がんのポイントは以下の通りです。

  • 卵巣がんの進行期は4段階に分けられ、「Ⅰ期」はがんが卵巣に収まっている状態、「Ⅱ期」はがんが子宮や直腸に転移している状態、「Ⅲ期」は骨盤を超えてお腹のリンパ節にまで広がっている状態、「Ⅳ期」は肺、首のリンパ節に転移している状態
  • 患者さんで一番多いのが「Ⅰ期」で全体の半分。残りは「Ⅲ期」以上で見つかっている場合が多い
  • 患者数は乳がんの1/8と多くはないが、40代以降に多くなる
  • リスク因子(卵巣がんにかかりやすくなる要素)は、不妊症既住、ホルモン補充療法の既往、卵巣がんの家族歴、乳がんの既往・家族歴、喫煙などがある

「家族に卵巣がんにかかった人がいる場合は、より注意を」と藤原聡枝先生

卵巣がんを発見したきっかけは1番が「お腹の張りや痛み」で、次が「健診で異常が見つかった」が多かったそうです。卵巣がんサバイバーの吉田ゆりさん、乳がんサバイバーの栗原友さんはどのように発見したのでしょうか。

吉田さん「37歳の時でした。1歳3歳の2人の育児中に、下の子が私のお腹に頭を打ち付けてきた時に、腫れていた卵巣がぐるんと1回転して茎捻転(けいねんてん)を起こして、強烈な痛みに襲われ病院に行きました。そこで発覚しました。ちょうど前の年に反対の卵巣に良性腫瘍ができて摘出の手術をしていたので、まさかそんなことになっているとは思いもよりませんでした。思い返すと、周りから3人目妊娠したの?と言われたり、ジーンズが入らなくなったり。うつ伏せになった時、お腹の中にゴロンとしたものがあるのは気づいていたのですが、そのままにしていました」

「3人目妊娠したの? と言われるほどお腹が張っていました」と吉田さん

栗原さん「乳がんが見つかったきっかけは、2年前44歳の時、娘と海外旅行に行った時です。体重を14キロダイエットして痩せたので、水着が着れるようになりました。その時オイルを塗るのに胸を触ったら、しこりを感じて検査に行って、すぐに乳がんを宣告されました。ステージ2でした。すぐ手術をして、その後抗がん剤の治療を始めたのですが子供と夏休みを過ごしたかったので、1ヶ月しっかり遊んでから抗がん剤治療を始めました」

ネットで正しい知識・情報を得る難しさ「ネガティブな情報、自分の欲しい情報に惑わされやすい」

栗原さんは悪性度の高い乳がんだったため、治療中に医師から勧められHBOC (遺伝性乳がん卵巣がん症候群)の検査を受けました。結果、卵巣がんになりやすいと分かり、卵巣の全摘出を行います。

栗原さん「父もがん闘病中で、家族に心配を増やしたくなかった。自分のことを知って備えておきたかったんです。娘に対しても、もし結果でHBOCに当てはまるとしたら、どんなことができるかを伝えられるし、予測して準備できると思いました。結果的に卵巣がんになりやすいとわかり、最初乳がんがわかったのは左側だけだったのですが、右側の乳房も摘出して、その後、悩むこともなく卵巣と卵管の全摘出をしようと決めました。取り除くことで、がんの不安を少しでもとり去りたいというのが決断した理由です」

「不安要素を一つでも減らしたかったので、卵巣を全摘出しました」と栗原さん

HBOCの検査は、条件を満たしていれば保険適用内。予防的な治療もできるので「検査があることを知っておくことが大切です。検査前には遺伝カウンセラーからカウンセリングを受ける必要もあります」と医療ジャーナリストの増田美加さん。また情報源として『国立がん研究センターがん情報サービス』の情報も有効だそうです。しかし、吉田さんからはこんな声も上がりました。

吉田さん「がんだと分かってすぐは基礎知識がないので、専門用語も分かりません。『国立がん研究センターがん情報サービス』にも正しいことが書かれているんだと思いますが、文字が多く見せ方も分かりづらく、情報がなかなか入って来ませんでした。知識ゼロからでも分かる情報提供をしてもらえるとありがたいと思います。私は治療よりも、子供の預け先や育児、今後の生活がどうなるかの不安がありました。年代、家族構成なども含めた体験談があるといいなと思いました」

栗原さんインターネットで調べれば調べるほどネガティブな情報が入り、心を動かされてしまうので、私は信頼できる先生に全て質問し、先生が言うことだけを信じようと思いました。私は、セカンドオピニオンで先生を決めたので、聞きやすい関係性を自分で作って、その先生を質問攻めにしました(笑)。聞きたいことは、治療までに細かくメモして、次の時に聞きました。お医者さんだから全て教えてくださる訳でないので、必要な情報は自分で聞かないといけないと思いました」

「医師とのコミュニケーションに不安、悩みを抱えている人も多い」と増田さん

理解できるまで医師に聞く。患者も知識を得ることで“患者力”をつけることが大切

患者さんの調査によると、患者さんでドクターとのコミュニケーションに不安を感じている人・悩みがあるという人は5割以上で「専門用語などが多く、医師の説明がすぐに理解できなかった」と言います。主治医や医師とのコミュニケーションは重要ですが、限られた時間の中で全て聞くのは難しいかもしれません。医師側からも藤原先生によると「がんショックの後は、話をちゃんと聞くのが難しい。できるだけ回数を分けて、患者さんが落ち着いた状態で話をするように心がけている」と言います。また、患者側も最低限の知識を得る・知ることも大切で、それが医師と良いコミュニケーションを作り、患者自体の力をつけることにもつながります

そこで活用して欲しいのがLINE アカウント「わかる卵巣がん」です。登録の方法は簡単で、お友達登録した後、マイページから登録すれば、すぐに使えます。「卵巣がんを知ろう」のカテゴリでは、特徴・治療を図表や動画を交えて分かりやすく紹介しています。「患者体験談」では、様々なステージ、年代、家族構成の体験談を掲載しています。友達登録は無料なので、登録しておくと安心です。

提供:アストラゼネカ株式会社/監修:特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構/協力:認定NPO 法人キャンサーネットジャパン

藤原先生からは「卵巣がんは、この検査を行えばいいというものがありません。ただし子宮頸がんの検診は2年に1回なので、その際には必ず内診があるので、その時に卵巣の腫れがあれば見つけることができます。子宮頸がんの検診を忘れずに受けるようにしてください。またお腹が出てきた生理に異常があるときはすぐに婦人科を受診してください」とのメッセージをいただきました。

毎日使っているLINEで「卵巣がん」の情報をチェックしつつ、「おかしいな?」と思ったらすぐに婦人科へ。40代に入ったら、知らないでは済まされない「卵巣がん」、必ずチェックしておきましょう。

武田由紀子

編集者・ライター

Writer Profile

Yukiko Takeda

1978年、富山県生まれ。出版社や編集プロダクション勤務、WEBメディア運営を経てフリーに。子育て雑誌やブランドカタログの編集・ライティングほか、映画関連のインタビューやコラム執筆などを担当。夫、10歳娘&7歳息子の4人暮らし。

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