LIFE

30代、40代からでも遅くない「もう一度、学校に行こう!」

母校の高校に再入学したスザンヌさん「子どもにかっこよく学ぶ姿を見せたい!」

  • LEE編集部

2021.11.30

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インタビュー/Interview 母校の高校に再入学… 私の「学び直し」ストーリー

今年の4月から、母校の高校に入り直したスザンヌさんにインタビュー。家事、育児、仕事で多忙な毎日の中、どのように学びを取り入れたの? リアルな体験談をお届けします。

この記事は2021年9月7日発売LEE10月号の再掲載です。


お話を伺ったのは
タレント スザンヌさん

タレント スザンヌさん

1986年、熊本県生まれ。多数のバラエティ番組、情報番組で活躍。くまもと県民テレビ『サタココ』にレギュラー出演中。最新情報は公式インスタグラム(suzanneeee1028)にて。

SUZANNE’S History
スザンヌさんのこれまでヒストリー

2003 高校を中退して、芸能活動をスタート
2006 上京
2007 バラエティ番組への出演が増えて人気を集める
2008 地元の熊本県を日本全国にPRする熊本県宣伝部長に
2014 出産
2015 地元の熊本県へ移住
2021 \先生の誘いで再入学を決意/
母校である高校の通信制に再入学


母校の高校に再入学。久々の数学や日本史に戸惑いながらも奮闘しています

家事や仕事がある中、朝4時起きで勉強時間を確保

今年の4月から、母校で2度目の高校生となったスザンヌさん。10代の頃、仕事が忙しくなって高校をやめてしまい、卒業していないことが心残りだったと言います。

「母校の制服を紹介する番組に出演した際、先生が連絡をくれて。学校に芸能科ができてすぐの生徒だったので何かと気にかけてもらって連絡を取っていたのですが、このとき『高校を卒業する気はありますか?』と聞かれたんです。通信課程でも本来は週1回通学しなければいけないけれど、コロナ禍でほとんどオンライン授業でできるからと。

ちょうど昨年のステイホーム以降時間がたくさんあってウクレレを習ったりしていて、もっと学べることがあったらいいなと思っていたところでした。今がいいチャンスかなと、34歳でもう一度高校生活を送ってみることにしました」(スザンヌさん)

現在は、日曜日にオンライン授業があり、平日は自分で調べながらレポートをまとめて、学習を進めているそう。

「週末は小学2年生の息子が休みなので、授業以外の時間は一緒に過ごせればと思い、平日に自分でできる勉強を。でも、こうして勉強するのも久しぶりなので、最初は何にどのぐらいの時間がかかるか、全然わからなくて。家事や仕事もある中でレポートが進まず、期限までに間に合わない!と焦ったことも。どこかで集中しなければと思い、朝4時頃に起きて早朝から午前中にかけて勉強することにしました。通信だと学校に通っていたときのように決まった時間割がないので、自分でスケジュールを組まなければならず、意思を強く持って学ばないと終わっていかない。

前日に子どもと外でたくさん遊んで眠いときなどは、朝起きるのがしんどいなぁと思うこともありますが、高校生のときよりも精神力はアップしているはず!と自分を奮い立たせて頑張っています。母がおかずを作って持ってきてくれたり、妹が息子を遊びに連れていってくれたり、勉強時間を作るために家族もたくさんサポートしてくれていますね」(スザンヌさん)

家事や仕事がある中、朝4時起きで勉強時間を確保

高校ということで、国語、数学、英語、日本史、世界史など基本的な教科の学び直しをしているとか。苦手な教科、好きな教科はありますか?

「数学はもともと苦手で、計算式をまったく忘れてしまっているので、教科書を見ながら何とか問題を解いています。あと日本史が本当にわからないんです。『足利氏ってなんでこんなにたくさんいるの?さっきもいたよね?(笑)』と思いながら教科書を何度も見て覚えて。テストで答えを書いたら、内容は合っているのに漢字が間違っていてバツがついたり……! しっかり勉強しなければとは思っていたけれど、正直ここまでとは、という思いもあります。ただ、日本史の勉強を始めてから歴史が好きな人との会話が弾んだりして、学びを通してコミュニケーションが広がるのっていいなと実感できることも。

好きな教科は選択科目で、私は“広報とマーケティング”や“経済”などを取っています。『コンビニでどう配列したら商品が売れるか』といったテーマで学べて、これは今やっている商品開発の仕事などにも役立って、すごくおもしろいですね。学校にもよるとは思いますが、高校ってこんな勉強もできるんだと興味津々。10代の頃はただ机に座っているだけで自分から学ぼうとしていなかったので、当時とは姿勢も気持ちも全然違うなと思います」(スザンヌさん)

自分のためだけでなく 息子や応援してくれる人など 周りにシェアできる学びを

小学2年生の息子さんの子育て真っ最中での学び直し。スザンヌさんが高校で学ぶことについて、息子さんの反応は?

「息子が使っている“ロイロノート”という学習アプリを私も学校で使うことになってやり方を教えてもらったり、息子が宿題をするときは私も一緒に課題をやって、どちらが早く終わるか競争したり。同じ目線で勉強できるので、息子も楽しんでくれているんじゃないかなと思います。

以前は、一応『宿題しなさい』とは言うけれど『なんで宿題しないといけないの?』『勉強ってなんで必要なの?』という息子の質問に答えられなかったんです。確かに日本史とか、正直高校をやめてから今まで10年以上使うこともなかったなと(笑)。でもあらためて高校に入って、今は勉強することが、何事にも一生懸命に取り組むためのトレーニングなのかなと思うんですよね。

『大人になったら嫌だから仕事しないってわけにはいかないから、宿題をやるクセをつけておくと、将来頑張れるんじゃない?』と実感を持って話すことができる。息子は私が勉強している様子を目の当たりにしているので、言葉だけじゃなく説得力を持って伝えられるのは、私にとっても息子にとってもメリットが大きいのではないかなと思いますね」(スザンヌさん)

自分のためだけでなく 息子や応援してくれる人など 周りにシェアできる学びを

学びの習慣ができたので、卒業後も資格取得を目指したい

10代の頃、高校に通っていたときの単位が残っているということで、順調にいけば来年の3月で卒業できるそう。しばらく朝4時起きの生活は続きますが「30代の今だからこそ、ここまで頑張れるのかもしれない」とスザンヌさんは話します。

「現在は子育て中ですが、息子も小学生になってこれからどんどん私の元を離れていくのかな、それをサポートするのが役目なんだろうなと思うと同時に、子どもが巣立ったら、自分には何ができるんだろうと考えるように。そこで、何か人の役に立つことができればいいなという思いが生まれてきたんです。自分のことでいっぱいいっぱいだった時代から、周りに気持ちが向くのが30代なのかなと。

せっかく学んだことを周りにシェアするのはもちろん、私は高校に入り直したことをSNSなどで発信しているので応援のコメントをくれたり、街で『スザンヌちゃんが勉強してるから、私も頑張る』などと声をかけてもらえるとすごくうれしい。期待を裏切れないと思うから頑張れるし、周りにいい影響を及ぼしていくと思うと学びがどんどん楽しくなるんですよね。今学校に行こうか迷っている人は、先に周りに宣言してしまうのも、覚悟ができるのでおすすめです。

高校を卒業した後も、せっかく学びの習慣がついたので、新たに資格取得のための勉強ができればと思っています。人に興味があっていろいろな人の心の内を理解できたらいいなと思い、メンタル心理ヘルスカウンセラーやチャイルドメンタルヘルスケアに興味があります。通信教育などで自分のペースで学んでいきたいですね」(スザンヌさん)

私にとって学び直しとは… 「宿題しなさい」にも説得力が。子どもにかっこよく学ぶ姿を見せたい!

SUZANNE’S
学び直しPHOTO

初々しい10代の頃!

初々しい10代の頃! スザンヌさん

リアルに高校生だった17歳の頃の写真。高校再入学に合わせてインスタグラムにアップすると大反響!

勉強するとおなかが減る!?

勉強するとおなかが減る!? スザンヌさんと息子さん

息子さんと食事中。勉強中はおなかがすく気がするそうで、作れるときはたっぷり調理。

ダイニングで勉強中

ダイニングで勉強中 スザンヌさん

自宅学習はダイニングテーブルにて。教科書、iPadなどを広げることが多いので広いスペースで。

最愛の息子と記念写真

最愛の息子と記念写真 スザンヌさんと息子さん

平日は勉強を頑張り、休日は思いきり遊ぶ! メリハリのある生活を意識。

学び直しにまつわる Q&A

Q 勉強時間を作るコツは?

【A】 集中できる朝に早起きを。レポートの締切前は、子どもが寝た後の夜時間にも勉強。

Q 勉強時間を作るために、あえてやめたこと

【A】 海外ドラマを見ながらお茶やお酒を飲むことが好きなのですが、今はぐっと頻度が減りました。

Q 勉強に役立ったツールは?

【A】 アプリはフル活用! ノートを取り込んで先生に添削してもらえる「ロイロノート」「スタディサプリ」など。クイズ形式で問題が出る「すらら」は、移動時間や家事をしながら見ることも。

Q 息抜きにしていたことは?

【A】 3日に1回ほど、お風呂に発汗作用のある入浴剤を入れて、大量の汗をかきながら読書すること。小説を読むことが多いです。

Q 学びを続けるためのモチベーションは?

【A】 息子に勉強を頑張る姿を見せたい。家族や応援してくれる人が、一歩を踏み出すきっかけになればと!


イラストレーション/HARUKA HAYASAKA 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2021年9月7日発売LEE10月号『30代、40代からでも遅くない「もう一度、学校に行こう!」』の再掲載です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
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そんな存在でありたいと思っています。
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