LIFE

藤原千秋

大きくなった子どもとの、お出かけというもの

  • 藤原千秋

2016.12.25

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クリスマスイブの日。ものすごーく久しぶりの「部活オフ」になる中2の長女と私とで、長らく前から約束していた『マリー・アントワネット展』に行ってきました。会場のある六本木までは自宅から1時間程度かかるものの、この「子連れお出かけ」が極めて楽チンだったことに、今更ながら気づいた私。

わが家の三姉妹、末娘はまだ年長さんですから、彼女とのお出かけは、ここまで容易ではない。でも次女小4なら既に、かなりラクなんです。

と、いうことを電車内でしみじみ振り返り、今、まさに乳幼児との、公共交通機関でのお出かけ真っ最中!(たいへん!)な方が、希望ある将来イメージを描く一助になればと思い軽くレポートしたいと思います。

六本木ヒルズ

『マリー・アントワネット展』。六本木ヒルズ 森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで開催されています。2017年2月26日まで。

100%公共交通機関利用のお出かけで、必要不可欠だったもの

そもそも自家用車(マイカー)の無い、わが家。自転車にも乗れないため、移動、お出かけは100%公共交通機関利用(か徒歩)になり、赤ちゃんの頃は移動用具として「抱っこ紐」か「ベビーカー」が必須でした。でもだいたい4歳前後で、それらも卒業。

その後3年ほどは、体力的に「ときどき、抱っこ」もありましたが、もっと、もっと大きくなると……、

・終始、自分で歩いてくれる
・適宜、トイレにも行ってくれる
・お着替えやおむつがなくても平気
・飲み物やおやつがなくても平気
・おもちゃがなくても平気(自分で文庫本など持って行きます)

となり、親の荷物や負担は、なくなっていったのでした。

まだまだ子どもが小さいと、「え〜、そんな日が来るの!?」って疑っちゃうかも知れませんが、そんな日も……来るんですね。

ただこういった荷物や負担は、じわ〜っと減って行く類のものなので、減って行くさなかでは、あまり意識にのぼらなかったりします。

実際わが家でも、年長さんとのお出かけでは今でも「飲み物」「おやつ」はあったほうがいい。「トイレ」も、ときどき誘わないと危ない。歩かせ過ぎると(5キロを超えると)「つかれた……抱っこ」と言われます。この年齢での「抱っこ」は重くて親の負担も大きいので、お出かけのボリュームはやはり考えないといけません。

親子お出かけって、実は期間限定でできることだった

しかし、じつに悩ましいのは、親にかかるお出かけの負担が軽くなるのと比例して、子ども自身の用事や予定のために「親子お出かけ」がしにくくなるという現実でした。

幼稚園などと比べると、お休みしにくい小学校(土曜授業なども増えています)、習い事や、塾。中学校では部活動。運動部の練習試合や大会も思いのほか頻繁で、家族揃ってのお出かけは当然のこと、子どもと一対一のお出かけすら極めてまれなことになってしまったのです。

「子連れお出かけ」ができる時間って、思っていたよりも、ずっと、ずっと短い……。

電車内のベビーカーでばたばたしている赤ちゃんを眺めながら、ちょっと涙が滲んでしまった、そんな年の瀬なのでした。

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住宅アドバイザー・コラムニスト

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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