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古川晶子

【沖縄短期移住フリーライターのリアル】仕事はできる? 金銭面は? 人間関係はうまくいく?

  • 古川晶子

2020.12.05

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在宅ワークの増加で地方移住に注目が

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増加、地方移住を検討している人が増えている。

そんなニュースを目にすることも多くなりました。実際、私も仕事相手とやりとりをしていると、メールの署名欄に『沖縄短期移住中』と記載しているため、「実は私も地方に拠点を移したいと思っているんです」と打ち明けられることも。

そこで今回は、沖縄短期移住者として今年の3月から約9ヶ月過ごしてみて、仕事は問題なくできているのか、地方での人間関係はうまくいっているのかなど、一例として綴ってみたいと思います。

最初に私の簡単な基本情報を。

●仕事=編集・ライター
●家族=夫と2人暮らし
●沖縄短期移住の理由=夫の転勤に伴い、10年住み慣れた東京から縁もゆかりもなかった沖縄へ。短期移住とはいえ、東京へ戻る時期は夫都合のため未定。

【仕事】オンライン化が急速に進み、地方でできることも多い


まず仕事について、在宅ワークも多いライター業ということもありますが、沖縄でも想像以上に滞りなくできています。

沖縄へ移住することで、できる仕事に限りがあり、ご依頼は確実に減ってしまうだろうと覚悟していましたが、フタを開けてみればありがたいことに仕事量は東京に暮らしていたときと同等、もしくは少し増えている月もあるほどです。

その大きな理由として、zoomをはじめとしたweb会議ツールを使用する企業や個人の方が急増したから。

企業との打ち合わせや発表会、個人への取材など、これまで対面が当然だった仕事の多くが、今年の4月くらいから徐々にオンラインへと移行。これは、移住を決めた昨年12月頃には予想もしていないことでした。
発表会や取材へと出向く移動時間もデスクワークにあてられるため、この時間を有効活用できている点も大きなポイントです。

一方で、都内で撮影を要する仕事など、地方ではできない仕事が多数あるのも事実。

正直「あぁ悔しい!」と感じることもありますが、ここは仕方ないところ。「沖縄の取材で飛行機代も宿泊代もいらないお得なライターがいますよー!」と、地方在住をメリットとしてアピールをしています(笑)。

また、テレビ番組が数週間遅れて放送されたり、書籍が数日遅れて入荷したりと、情報に若干の時差が生じるケースも。これは職業柄困るため、楽天マガジンやTVer、SmartNews、Yahoo! リアルタイム検索など、できるだけ幅広いジャンルのアプリを活用して、最新の情報を取り入れるようにしています。このあたりも本当にオンライン様様ですね。

【人間関係】友人ゼロからのスタート。脱人見知りが必須!?

もともと人見知りな性格ゆえ、友人が多くない私。沖縄在住の友人もおらず、しばらく会話相手は夫のみの生活に。もともとひとり時間も大好きで、月に1度友人と軽く食事に行くくらいで十分満足していたので、あまり重くとらえていなかったのですが、移住2ヶ月もたたずしてかつてないほどの“友人欲しい欲”が大爆発……!

その理由は、打ち合わせなど仕事で外に出る機会が激減し、女性と話す回数そのものが大幅に減ったから。東京では会話ともカウントしていなかったような何気ない談笑が、実は私にとってストレス発散のひとつだったことにはじめて気がつきました。

「とにかく夫以外の人と話したい……」と、髪の毛を切る目的<<<会話目的で、美容院へ1ヶ月に3回通ったことも(笑)。

おしゃれ&おいしいカフェ情報をたくさん教えてもらいました

そこで、LEEwebプロデューサーのHT子さんに沖縄育ち沖縄在住のご友人を紹介してもらい、自分から食事に誘うように。沖縄のおいしいカフェ情報を教えてもらったり、新たに友人を紹介してもらったり。見知らぬ土地に来た身として、その土地の些細な情報を知れることがありがたく、何より「人と話すのって楽しいー!!」と、しぼんでいた心がぐんぐん回復していくのを感じました。

この経験から、地方移住では脱人見知りが重要だと痛感……!

今では、新たに夫の同僚の短期移住中の女性とも仲良くなり、ファッションやメイクなど、沖縄でも女子トークが楽しめるようになりました。



【金銭】家賃&娯楽費は減少。一方増加したのは……

以前暮らしていた都内のアパート。引っ越し直前に撮影。

 

都内から沖縄へと引っ越したので、やはり家賃は下がりました。

前回の都内の物件に比べて、専有面積は約10 m²増え、築年数は26年から5年へと新しくなり、それでいて家賃は約3万円安くなりました。強いて言えば現在最寄り駅まで徒歩40分(!)かかりますが、基本は車移動のためそこまで不便は感じていません(私は無免許のため運転は夫頼み)。

無加工でこの美しさ!

また、娯楽費も減りました。

東京にいた際は、レジャー施設やショッピングなど誘惑も多く、外出しては何かとお金が出ていったのですが、沖縄の魅力はやはりなんといっても美しい海! 車を少し走らせれば海が見え、休日は飲食店でテイクアウトした料理を海岸沿いで食べることも多々。無料でこの景色を堪能できて良いのだろうかと感じるほどです。

このボリュームで600円ほど!

 

その反面、沖縄にはおいしいカフェやパン屋が数えきれないほどあり、外食費は増えました……。

とはいえ、沖縄の定食屋などは特にコスパが高く、「これ東京だったら1000円超えているよね?」というボリュームで、約600円なんてことも。短期移住だからこそ、気になるお店にはできる限り行っておこう精神で、現在わが家では外食費は増えてもOKとしています。

おすすめの飲食店については、また別の機会にレポートできればと思います。

慣れない土地で暮らすということ

さて、なんだか良いところばかり並べてしまいましたが、9ヶ月経ってもふと地域性の違いに戸惑うことも多く、正直なところまだまだ馴染めてはいません。夫の仕事都合ゆえの“いつ沖縄を離れるか分からない”という、腰を据えにくい状況に、どこか心も落ち着かずそわそわする日々。

環境がガラリとかわり身体も心がついていかず、移住後半年で1週間実家に帰省したことも。愛犬に癒してもらい元気をチャージして沖縄へとUターン。

 

神奈川から沖縄へと自ら望んで移住してきた美容師の方の話では、3年を過ぎてようやく沖縄での暮らしを楽しめるようになったとのこと。「私は2年目まで移住失敗したかなーと思ってましたよ。3年目になって気候にも人にも馴染んで、ここがようやく自分の居場所だと感じられるようになりましたよ!」と、楽しそうに話していました。

短期移住の私は、沖縄での生活にようやく慣れてきたと感じたタイミングに、東京へ戻るなんてことも十分にありえそうです……!

ただ、予想もしていなかった沖縄生活に、これまでとは違う初めての視点から物事を眺める面白さもあり、今までにない価値観が芽生え、この短期移住が自分の人生において何かしらの良い影響をもたらしてくれているとも感じます。

地方短期移住はおすすめ! とまだ声を大にして言えるわけではありませんが、リアルな暮らしの一例として少しでも参考になれば幸いです。

古川晶子 Shoko Furukawa

ライター

1989年、兵庫県生まれ。主にファッションやライフスタイルの編集・執筆を担当。結婚1ヶ月で夫が沖縄へと転勤。単身赴任生活1年を経て、自身も沖縄へ短期移住することに。趣味はお笑い鑑賞。

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