知っておいて損はなし!離婚とお金

【離婚とお金Q&A 弁護士が回答】住宅ローン、財産分与、養育費はいつまで請求可?

LEE編集部

「出産後、夫の育児への関心の低さに失望」「家計や教育のことなど大事なことをきちんと話し合えない」など、離婚を考えたことがあるという人も多い昨今。

弁護士 太田啓子さんによると、日本では、離婚時に女性側がお金の取り決めについて納得していないケースも多いそう。

実際に離婚へ踏み切らなかったとしても、離婚とお金にまつわるあれこれを知っておいて損はなし!

読者アンケートで多く挙がった質問に、太田さんが回答します。

この記事は2020年7月7日発売LEE8月号の再掲載です。アンケート実施:2020年3月11~18日まで。LEEweb会員455人が回答


離婚にまつわるお金について教えてくれたのは…
弁護士 太田啓子さん

弁護士。セクシャルハラスメント案件、相続案件のほか、財産分与、養育費、親権等が問題になる離婚の案件を多く取り扱う。共著に『憲法カフェへようこそ』(かもがわ出版)『これでわかった! 超訳 特定秘密保護法』(岩波書店)。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 1
離婚までに、いくらぐらいの蓄えが必要?

収支を具体的に計算して別居中から約1年間の生活費+αがあると安心

離婚後の家計を試算して、別居中から約1年間の費用が用意できると安心。
例えば、支出が家賃6万円に子ども2人との生活費や教育費で約25万円、収入はパート収入が10万円、夫からの婚姻費用が12万円で22万円だとします。
月々3万円足りないので赤字の補填に年間36万円必要。プラスで離婚や弁護士費用などを考えると、150万円ほど持って別居したいところ。
貯金等の共有財産は財産分与対象なので、別居時に一部持ち出しても。2分の1を超えると別居後に財産分与で清算をすることが通常です。蓄えがなくても、同居に耐えられなければ市役所に相談して生活保護も検討を。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 2
家のローンが残っている場合は、どうなる?

売ってお金が残れば分与。ローンが残りそうな場合は売るか悩ましい

売ってローンを返済してお金が残れば分け合えばいいのですが、問題はローンが残る「オーバーローン」。どちらかが住み続けてローンを支払うか、売却するなら残ったローンはローンを組んだ人に支払い義務が残り、この残ローン支払いが離婚後の家計を圧迫することも。
購入時の頭金や繰り上げ返済額をどちらかの独身時代の貯金や親の贈与で払うなどしていると2分の1ずつの分与にはなりません。複雑なことは弁護士に相談を。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 3
離婚したら、子どもの将来の教育費が心配……

大学費用などは特別支出として請求できるものの、実際は難しい?

日本は特に大学の学費が高いので、子どもの大学入学時に「特別支出」という形で、離婚後でも請求することもできます。
ただ、離婚後は元夫と連絡を取りたくないと、協議をすること自体が難しいケースも多く、また相手からきちんと支払われるかどうかも不明なのが難しいところ。
相手への請求を諦める必要はありませんが、離婚していなくても親が負担しきれないこともあるのでためらわず、ひとり親家庭への大学費用無償などの支援を考えてみて。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 4
再婚すると元夫から養育費はもらえなくなる?

現夫と子どもが養子縁組をしたら養父の扶養義務が優先される

再婚して、現夫と妻の子どもが養子縁組をするかどうかで異なります。
再婚と養子縁組はイコールではなく、養子縁組をした場合は、離婚した実父よりも、現夫である養父のほうが子どもの扶養義務の優先順位が上がります。
元夫が現夫との養子縁組を知って、養育費の減額請求をされたら、応じざるを得ないこともあります。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 5
お金がない。でも弁護士を依頼したいときはどうすれば?

法テラスを利用すれば分割での弁護士費用支払いが可能に

日本司法支援センター 法テラスでは、民事法律扶助という制度が。経済的に余裕のない方への無料法律相談と、弁護士・司法書士費用等を立て替える制度です。
弁護士に依頼した場合の費用は、法テラスが本人に代わって弁護士に支払い、本人からは、法テラスに月々分割(無利子)で返済するので利用しやすいと思います。
経済的に余裕のない人に当たるかどうかは、収入や預貯金額などで決まります。お金がないからと諦めずに問い合わせてみましょう。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 6
自分のへそくりや、独身時代からの貯金は離婚時に持ち出せる?

結婚までの貯金は持ち出せるものの結婚後は自分の収入でも分与の対象に

独身時代の貯金はそのまま持ち出せます。ただし、自分の口座に結婚当時に300万円あり、結婚後に500万円に増えた場合、200万円は共有財産とみなされます。
共働きで夫婦で財布を別にしていて、妻が自分の収入から貯めた貯金だったとしても、残念ながら離婚時には分与の対象に。
また、親から相続した財産などは特有財産として、分与の対象にはなりません。

弁護士に聞く!離婚とお金の疑問 7
養育費、慰謝料は離婚後でも請求できる?

分与は2年、慰謝料は3年以内養育費はいつでも請求可能

離婚後でも請求は可能。ただし財産分与、年金分割は離婚後2年以内と期限があります。離婚慰謝料は離婚から3 年で時効となります。養育費は、扶養する子どもがいる場合は時間がたってからでも請求できます。ただ離婚をすると相手の情報を取りづらくなるので、婚姻期間中に決めるほうがやりやすいことも。


イラストレーション/朝倉千夏 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2020年5月7日発売LEE6・7月合併号『知っておいて損はなし!離婚の経済学』の再掲載です。

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