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飯田りえ

帰省の代わりに…子どもと「柿の葉寿司」を作って、田舎の夏を味わいました

  • 飯田りえ

2020.08.27

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夏休み、みなさまいかがお過ごしでしたか?
例年、父方の田舎がある奈良・吉野に遊びに行き、川に山に…大自然の中で遊び尽くしていたのですが、今年は諦めて、都内の近場にある自然で過ごしました。故郷に行かない代わりと言ってはなんですが、郷土料理である「柿の葉寿司」の手作りセットが届きました。(と、言っても母がセットにして送ってくれました)吉野に帰省するたびにお店で食べているので、子ども達も大好きなお寿司。早速、柿の葉寿司ワークショップが始まりました。

柿の葉寿司って…どんな郷土料理?

江戸時代から各家庭で、大切なハレの日のご馳走として親しまれていた柿の葉寿司。海のない奈良の山里にとって、和歌山の方から運ばれてくる海産物は、大切なたんばく源です。冷蔵技術がない時代は、保存のためにしっかりと塩につけたサバを運んでいました。それを薄切りにし、一口大の握り飯に添えて食べるようになったのが始まりだそう。乾燥を防ぐために柿の葉で包み、さらに重石で寝かせ押し寿司に。家庭の味はもちろんのこと、地域ごとに親しまれたお店の味もあり、いつも茶粥や鮎など吉野の名物と一緒に楽しませてもらっています。関東の方ではなかなかお目にかかれないので、帰った時は必ず訪れることに。

柿の葉で巻いて押すだけ!子どもと一緒に作れて美味しい

母が用意してくれた、「手作り柿の葉寿司セット」には、実家のお庭に生えていた柿の葉と、冷凍された塩サバ&さけ(ネタから作る場合はサバを塩じめしたら良いそう)、あとは酢飯を押すときに使える便利グッズ。ちなみに奈良の方ではステイホーム中に、柿の葉寿司がよく作られていたそうです。

まずは柿の葉を水拭きします。庭に植わっていた柿の葉なので、濡らしたキッチンペーパーで汚れを拭き取り、茎の部分や硬い部分をカットして包みやすくしておきます。5〜6月の若葉の頃の方が柔らかいので包みやすく、香りも良いのですが巻ければ問題ありません。お店によっては秋に紅葉した葉を使ってグラデーションになっているところもあるんですよ。

酢飯を用意しておきます。塩分が強めなサバなので、押したときに味のバランスが取れるよう、酢飯は少し甘めに仕上げます。そして、とっても便利だったのが、この100均グッズ!甘めに味付けした酢飯を詰めて押すだけで、均一な酢飯があっという間に出来上がり。小さく、四角く握るのも至難の技なので役立ちました。他のお寿司を握るときにも使えますね。

握った酢飯とサバを乗せて、一つずつ丁寧に包んでいきます。子どもの小さな手で形を整えるのは苦戦しますが、木箱やタッパーなどの保存容器に詰める時に形も整うので、とにかく包みます。重石を置いて数時間〜半日ほどで出来上がり。

帰省ができなくても、田舎の夏を思い出すきっかけ

当たり前にあると思っていた風景が、実は貴重な存在だった__今回のコロナではそんな場面に幾度となく出会いましたが、今回もまさにそう。「いつもの川いきたいなぁ」「お墓まいり行けなかったね」「クワガタ取りたいなぁ」など、子ども達と故郷を思い出しつつも、故郷との繋がりを感じられた時間でした。

亡くなった父がいつだって故郷やルーツを大切にしていた人なので(私もそのマインドは受け継いでいます)、子どもたちにも少しは伝えられたかな、と思っています。肝心の味はというと、お店の味とは違ってとても素朴で優しい味に。みんなで苦労して60個ほどみんなで包みましたが、あっという間になくなってしまいました。みなさんも、故郷の味を作ってみてはいかがですか?

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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