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峰典子

東京のど真ん中で野菜をシェア。 気ままに楽しめる都市型農園が面白い!【家庭菜園】

  • 峰典子

2020.09.01

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今いちばん気になる、野菜づくり!

コロナ禍のなか、世界中で農業や野菜づくりに目を向ける人が増えているといいます。新たな職として農家を目指す。買い物を控えるために家庭菜園をはじめる。せっかく家にいる時間が増えたのなら、興味のあった畑をはじめてみようか……なんて。ホームセンターでも土や苗の売れ行きが好調だとか。

なにを隠そう、我が家は観葉植物派だったのですが、どうせなら食べられるものでも育ててみようと思い立ち、バジルや大葉を育ててみたら、これがなかなか便利。2枚、3枚と必要な分だけちぎって料理に使えるのが、すごく嬉しいんですよね。玉ねぎやジャガイモといった根菜も作ってみたいけれど、これ以上は自信もスペースもないし、あれこれ手を出して世話がこなせるか不安。友人らと共同で畑を借りようか、なんて話も飛び出しました。

子どもも大人も。
都市型ファームで、自由気ままな農体験が叶う

そんな矢先に足を運んだのが、ビルの屋上に作られた月額制都市型シェアファームの『grow FIELD』。近所に暮らす人が、まるで第二の自宅のように楽しく野菜を育てたり、収穫することができるんです。※現在、無料利用期間中

仕事帰り、スーパーで野菜を購入する代わりに野菜を収穫して帰る。レストランのシェフがお店で使うハーブを育てたり、収穫する。小さい子ども連れの家族が食育を兼ねて、週末に訪れる…。都心だから無理、ではなくて、都心ならではの農体験のカタチが、ここにありました。

『grow FIELD』は、恵比寿、渋谷、松濤、日本橋浜町(9月オープン)と、現在四箇所にファームを運営しています。一度、アプリを通してコミュニティに参加すれば、予約などは一切不要。気が向いたときに出向いてOK。散歩がてら見に行くだけもよし、水やりをしたり、採れどきの野菜やハーブを収穫するもよし。ベンチとテーブルに座ってのんびりと仕事するのもいいんです。

アプリのトップ画面。気温や現在栽培中の野菜がずらりと一覧できる。ファーム入り口の解錠もここから。

いまやるべきことが書いてあるので、とてもわかりやすい。これを見て、各自が収穫したり、お手入れをする。できる人が、できる時に行うスタイル。

栽培カレンダーでは、育てている野菜の状況や今後の成長具合が一目瞭然。

フィールドにはカメラ付きセンサーが挿さっていて、日照・外気温・外湿度・土壌温度と土壌水分量を計測。位置情報とあわせて自動計算されているから、水やりのタイミング・発芽時期などの栽培アドバイスなど、今おこなうべきことをアプリで確認できる。知識や経験がなくても、野菜づくりを楽しめます!

欧米ではポピュラーなコミュニティファーム

都心で作物を育てる「アーバンファーミング」。実は、欧米ではかなりポピュラーなもの。特に注目すべきは、イギリス・ロンドンの『キャピタルグロース』

2012年のロンドンオリンピックの時に「イギリス産食材を使い、世界に誇れる食事を提供したい」と市長が提言。2012カ所の畑を作ろう!と呼びかけ、2700カ所以上のコミュニティファームが街中に出来ました。市民がボランティアで取り組み、野菜は地域の飲食店に販売し、皆で美味しく食べられるようになっているんです。素晴らしい仕組みで羨ましい。これは日本でも流行らせたい…。

現在もこんなに!ロンドン市内に2,553ヵ所、912,312平方メートルの農園が10万人以上のボランティアによって運営されている。



野菜を育てる人と、
野菜が欲しい人をつなぐプラットフォームも

grow SHAREというウェブサイトでは、自宅ベランダや貸し農園を登録し、野菜のやりとりを通じたコミュニケーションを図ることもできます。近隣で野菜を育てる人を探し、やりとりをすることによって、収穫した野菜が自分たちだけでは消費しきれない、という問題もクリア。近所同士で、野菜の交換を楽しむ方もいらっしゃるそうです。

テクノロジーとコミュニティの連携で、楽しみながら食を豊かにする取り組みへ。難しいことはなにも考えず、土に触れるのが心地よいとか、採れたてのジャガイモを食べたい。とか、そんな気軽な気持ちではじめるのが一番な気がします。遠方の方には、#おうちでタネまき  プロジェクトはいかがでしょうか。grow FIELDで採取したバジルやルッコラ、オクラなどのタネを郵送で配布しているそう。気になったらチェックしてくださいね。


grow FIELD EBISU PRIME
住所:東京都渋谷区広尾 1-1-39恵比寿プライムスクエアプラザ屋上
アクセス:恵比寿駅から徒歩約6分
開園時間:8時~20時

grow FIELD SHIBUYA SHINSEN
住所:東京都渋谷区神泉町11-7セロンビル屋上
アクセス: 渋谷駅アベニュー口から徒歩約10分、京王井の頭線・神泉駅から徒歩約3分
開園時間:8時~20時


grow FIELD SHIBUYA SHOTO
住所:東京都渋谷区松濤2-10-12
アクセス: 渋谷駅アベニュー口から徒歩約10分、
京王井の頭線・神泉駅から徒歩約5分
開園時間:8時~20時

上記すべてのファームが、無料利用期間中。
(月額制度への移行を検討中)

利用方法
スマートフォンアプリ『grow GO』をダウンロード。
マップ上で上記のフィールドをフォロー。
アプリによりフィールドへの入場が可能になります(入場は無料です)。
水やりや間引きなどのタイミングは、PLANTALKや通知で確認できます。
コミュニティページで、菜園に通う他メンバーとつながれます。

峰典子 Noriko Mine

ライター/コピーライター

1984年、神奈川県生まれ。映画や音楽レビュー、企業のブランディングなどを手がける。子どもとの休日は、書店か映画館のインドアコースが定番。フードユニットrakkoとしての活動も。夫、5歳の息子との3人家族。

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