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必要な保険・いらない保険

【必要な保険・いらない保険】専業主婦家庭、夫が保険に入りすぎ?

  • LEE編集部

2020.01.19

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保険のイロハがわかったところで、いよいよ実践!

4タイプの家族の保険を、オフィスバトン「保険相談室」代表、後田 亨さんが診断。切れ味鋭いジャッジ、ぜひ参考に!

この記事は2019年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。


プロがLEE世代の保険を診断!
Case 2.|夫・妻・子3人の専業主婦家庭・・・保険は感情で考えないのが得策!

・妻 鈴木アヤカさん(仮名)33歳:主婦、夫37歳:会社員、息子6歳、娘3歳、娘0歳
・家:持ち家(ローン残高1100万円)
・手取り年収:夫450万円
・総資産:2000万円

結婚を機に、夫婦で医療保険に入り、長男・次男出産時、教育資金のつもりで一時払い終身保険に加入。妻に収入がないので、夫に万が一が起きた際の不安が大。3人目の子どもが誕生したので、保険に新たに加入することを検討中。老後のお金も気がかりだそう。

医療保険(掛け捨て)
死亡時最高保障額3000万円 保険期間:2009年~2029年
入院日額1万円(がんの場合+5000円) 入院一時金5万円 月額1万4000円
一時払い終身保険(払い込み済み)
死亡時200万円 一時払い金額200万円
年金保険
死亡時は将来の年金の現価相当金額
保険期間:2010年~2048年 月額2万5000円
月額3万9000円
一時払い終身保険(払い込み済み)
死亡時200万円 一時払い金額200万円
医療保険(掛け捨て)
入院日額7000円  保険期間:2016年~終身 月額3000円
月額3000円
総保険料・・・月額4万2000円
夫が保険に入りすぎるのは、専業主婦家庭でよくあるパターンですね

後田さんCHECK!
「元をとろう」という考えは捨てましょう

後田 お子さんが増えたので保険を見直したいそうですが、残してもよさそうなのはご主人の死亡保障です。資産が十分なので、公的保障の遺族年金と合わせれば、当分はなんとかなると思いますが。

 遺族年金って、なんですか?

後田 18歳未満(または20歳未満で障害年金の障害等級が1級・2級)の子どもがいれば、子どもが18歳になるまで遺族基礎年金がもらえ、会社員なら遺族厚生年金も上乗せされます(諸条件あり)。
所得や子どもの人数などで違いますが、鈴木さんの場合1カ月あたり18万円くらいでしょう。持ち家ですし、資産を取り崩したり、奥様がいざとなれば働くこともできるのでは?

死亡保障が少ないのではと心配ですが、追加する必要はないですか?
遺族年金が給付されるので、預貯金を取り崩せばなんとかなるのでは?

後田 現在加入しているのは、死亡・高度障害保険と医療保険がセットになったものですね。医療費は公的保障で十分なので、死亡保障のある収入保障保険に入り直してみては? 保障期間20年で、毎月10万円給付なら、掛金は月3000円程度で済みます。

 でも、解約した後に病気が見つかったら後悔しそう。「入院給付金を受け取り損ねた~」って。

後田 お気持ちはわかります。でも、「後悔する」などの感情は抜きに考えてみてください。保険は、後悔しないためにあるのではなく、非常時に合理的に備える手段です。
それに、入院日額7000円は人生設計に影響を与える額ではないですよね? そのために、この先ずっと月3000円の保険料を払う意味があるかどうか……

 でも、年金保険はこのままでOKですよね?65歳の満期になれば、支払った保険料よりも増えて返ってくるので。

後田 いえ、こういった貯蓄性の保険も解約を検討してみては?

今だと元本割れなのに?

後田 これも、「これまで払い込んだ保険料がもったいない」という感情ではなく、「この先何年も元本割れというマイナスが続く自由のきかない商品に払い続ける価値があるか」と、考えてほしいですね。

保険はお金の問題です。感情で考えないのが得策です

 価値、ないですか?

後田 契約初期に発生する手数料などの影響で、お金を増やしにくい状況が続きます。貴重なお金をさらにつぎ込むより、節税効果が大きい確定拠出年金といった確実なリターンが見込めるところにお金を置くほうが賢明ではないでしょうか。

 

後田さんの診断まとめ

支払い済みの一時払い終身保険以外は、解約検討の余地あり。死亡保障に関しては、現在の死亡保障のある医療保険から収入保障保険に入り直すのがベター。浮いたお金で確定拠出年金を。

診断後の感想
診断前は、死亡や入院、老後資金など、保険でしっかり用意できていると思っていました。でも、公的な保障や保険の仕組みなどを教えていただき、考えが変わりました。 今後は、保険に限らず、自分たちに必要な金融商品を選択できるようになりたいです。

 

死亡保障 は定期保険より、断然!「収入保障保険」

自立していない子どもがいる場合、有効なのが死亡保障。加入時の保険金額を一括で受け取れる「定期保険」と、「毎月10万円を20年間」のように、契約した額を、被保険者が亡くなった時点から満期まで月払いで受け取れる「収入保障保険」がある。

「おすすめは後者。20年の保障期間だとすると、10年経過で亡くなれば、受け取れる保険料は10年分、15年経過だと5年分と、加入年数の経過に従って保険金総額が少なくなるので、その分、保険料が割安に。少ない掛金で大きな保障を得るという、保険のメリットを享受できます」(後田 亨さん)


イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/村上早苗
この記事は2019年11月7日発売LEE12月号『あなたにとって「必要な保険」×「いらない保険」』の再掲載です。

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