飯田りえ

理屈なしに美味しそう!オーガニック野菜のイメージが一変するドキュメンタリー映画『いただきます ここは、発酵の楽園』公開

©いただきます事務局

最初「オーガニック野菜のドキュメンタリー映画」と聞いて、若干、後ろ向きな自分がいました。

オーガニック野菜が体に良いのはわかっているけど、手軽に買える野菜をつい選んでしまうし、ドキュメンタリー映画となると、課題意識がある良質な内容だとはわかるけど難しそう…と、勝手な印象を持ってしまいました(すみません!)。

しかし、そんな印象がガラリと変わったドキュメンタリー映画に出会いました。1月24日から公開の『いただきます ここは、発酵の楽園』です。

発酵をテーマに、保育園・オーガニックファーマーに密着

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畑保育を実践し野草給食にこだわる保育園や、無農薬・無化学肥料栽培にこだわるオーガニックファーマー、それを科学的に立証している大学教授の研究のドキュメンタリー映画です。ここでキーワードになるのが『発酵』。特に驚きなのが、三人のオーガニックファーマーが実践する、”土” を発酵させる有機農法。微生物を活かした土作りをすると、虫も寄りつかず立派な作物が安定して育つ=農薬や化学肥料を使う必要がなく、美味しくて体に良い作物が収穫できるのだそう。有機農法ってとにかく虫がついて大変で手間暇かかり、大変な農作業だとばかり思っていました…。

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しかも難解なドキュメンタリー作品とは違って、映像が自然の美しさや光が柔らかさに溢れていて。見ているだけでもとっても癒されるのです。イラストレーションも多用していて、子どもと一緒に見ても楽しめる内容に。そして、出てくる人たちの笑顔が豪快、何よりも食べ物が美味しそう!オーガニック野菜の良さが理屈ではなく、やっぱり体にいいものって美味しいし食べたいな、と素直に思えました。

今回の作品はシリーズ2作目。1作目の「いただきます みそをつくるこどもたち」は4年前に公開され、全国600箇所で自主上映され総観客数は4万人以上。そんな食に敏感な人たちの中で、草の根的に広まっている「いただきます」シリーズ。愛される秘密を、オオタヴィン監督に伺ってきました。

『はなちゃんのみそ汁』で出会った保育園がすごかった

__美味しい野菜が無性に食べたくなる映画でした。『いただきます』シリーズはどういったきっかけで企画されたのですか?

オオタヴィン監督(以下、敬称略): 4年前に作った1作目は、九州の高取保育園が取り組む医食同源給食のお話でした。安武信吾さんの書籍『はなちゃんのみそ汁』ってご存知ですよね。元々、映像の仕事をしていて、はなちゃんとお父さんのミニドキュメンタリーを作ったのですが、書籍などを呼んでいるとそのはなちゃんが通っていた高取保育園が気になって。見学させてもらうと、想像以上にすごかった。毎月100kgずつ子ども達が味噌を仕込むような保育園で、玄米・みそ汁・旬の惣菜が中心。昔ながらの和食給食を続けることで、アレルギーが改善されるお子さんも多いとか。とにかく園児が元気一杯、裸足で駆け回る保育園だったので「映像化したい!」と思いお願いしました。

__なるほど。そういう繋がりがあったのですね。

オオタ:ありがたいことに1作目は全国各地で自主上映してくださいました。講演して回っていると「こんな保育園がある」「こういう農家さんがいる」など、食や食育にまつわる様々な情報が集まってきて。次は食べ物を作っている人を取材したいな、との思いが募り2作目を製作しました。

__監督も大病をされて、医食同源を実践されていると伺いました。

オオタ: 30代の時に西洋医学で治らない病気になり、色々試した結果、自分にあったのが食べ物を改善する「食養生」と「ファスティング」でした。それ以降、本当に医者知らずで、僕が実践している食事療法と高取保育園のメニューが同じような内容だったのです。

__ご自身の実体験と高取保育園との出会いが重なったのですね。

オオタ:そうですね。そこで ”you are what you eat” 「食べたものが私になる」と言うメッセージに思いを込めました。2作目で登場している長崎の吉田俊道さんの畑も、はなちゃんがよくニンジンを取りに行っていた畑なんですよ。

目指すはエンターテイメント・ドキュメンタリー

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__この作品でドキュメンタリーの印象がガラッと変わりました。勉強する・学ぶための映像だと思っていましたので。

オオタ:海外のドキュメンタリーは映像も美しくてとっても面白いんです。トップスターが登場していたり、モーションコントロールなどの最新技術を使っていたり…。こういった映像感度の高いものを日本でも作れないかな、と以前から考えていてこの形に。通常のドキュメンタリーで使わないような技法で撮っているので「ポエトリードキュメンタリー」とか「エンターテイメント・ドキュメンタリー」とよんでいます。

__パンフレットにも『腸活エンターテイメント・ドキュメンタリー』とありますね。難解なドキュメンタリーと違って頭で理解するのではなく、感覚的に捕らえられたので、「良いものは良い」と素直にスッと受け入れられました。

オオタ:これまでCMを中心に作っていたので、より広く・よりわかりやすく・より楽しくという考えがあります。ですから、オーガニック野菜のシズルを、子どもたちのシズルを、おじいさんファーマーのシズルを撮りました。

__だからあんなに美味ししそうなのですね!あの色艶のいい立派なニンジン、丸かじりしたくなりました。

『菌ちゃん野菜』=土を発酵させるということ

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__「奇跡のりんご」で知られる青森の木村秋則さん、「菌ちゃん野菜」で登場した長崎の吉田俊道さん、山形の有機栽培を支える菊池良一さん、と3名のオーガニックファーマーが印象的でした。中でも吉田さんのキャラが最高ですね!「菌ちゃん野菜(土を発酵させて作った有機野菜)」の存在を初めて知りました。土そのものを発酵させればいい、という発想には驚きでした。

オオタ:吉田さんはオーガニック界&発酵業界ではとても有名な方です。そして、オーガニックファーマーにとって、土を発酵させることは常識。これまで農業記録映画という教育的な内容のものはありましたが、オーガニックのことをわかりやすく映像化してこなかったですから一般の方には知られていませんよ。

__土を発酵させると、他にどんな特徴が?

オオタ:植物の中に内生菌と呼ばれる微生物が育つので、生きた微生物を体内に取り込める=腸内環境がよくなるのです。昔の日本の野菜って全てオーガニックですし、さらに生味噌や漬物などと言った発酵物と一緒に食べていましたので、日本が長寿世界一なのですよ。

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