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渡辺有紀子

子どもの便秘治療の振り返り……会社員を辞めて便秘外来に通院

  • 渡辺有紀子

2019.10.22

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娘の便秘が治りました!

皆さん、聞いてください! 娘が、普通にトイレでうんちができるようになりました!!!! 「え?普通のことじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、わが家の娘にとってはすごいことなんです! 実はわが家の娘、2歳くらいからしつこい便秘に悩まされていまして…本当にここまですごく長かったのです。
LEE10月号の「便秘特集」でも、娘の便秘治療体験を掲載していただいたのですが、取材当時は快方に向かいながらも、時々「やっぱり怖い…」と泣くこともあり、あともう少し!という感じでした。それが、今ではもう普通にトイレに行き、絶叫もしないで静かに出し、「ママ、出た~」とうれしそうに報告してくれるようになったんです(涙)。

私のプロフィールにもありますが、娘の便秘が大変すぎて、私は会社員を辞めました。仕事が好きだったこともあり、できれば定年までずっと会社にいたいと思っていました。「育児が大変なときは多少高額でもシッターサービスなどを利用して乗り越えて、生涯正社員で働く」そう思って、これまでずっとやってきました。が、娘の便秘は想像以上に大変で…
ちゃんと治療するために大学病院の便秘外来への通院を決めたのですが、便秘外来は平日の午後、毎週1回しかなく。最初のうちは週に1回通う必要があり…

さらに、うんちが出そうな日は「痛いのが怖いから出すのがイヤ」と足をクロスして、震えながら出さないように我慢するので、出るまでは夕食も入浴も無理で、娘はもちろん、なだめる私も疲弊し。息子も「妹ばかりで、自分のことを見てくれない」と不貞腐れ…
家族で寝不足になり、私はストレス性の耳鳴りや難聴に悩まされるようになってしまい、これはもう家庭がおかしくなってしまう、一度仕事を辞めて向き合わないと無理と思い、退職を決断しました。LEE10月号に掲載の内容とかぶる部分もありますが、娘の便秘ヒストリーを紹介したいと思います。

わが子の便秘ヒストリー 2~4歳まで

2歳ごろ
便秘がちで、うんちが出るのが3~4日に一回。近所の小児科で相談し、麦芽糖のマルツエキスや酸化マグネシウムで対処。

2歳10カ月ごろ
おしっこはトイレでできるようになったのに、うんちは絶対に嫌と拒否し、便意を我慢するように。極限まで我慢し、限界になると「おむつに~」と言っておむつをはいて、立って排便。保育園でも出そうなときは遊ぶこともできないほど(寝転がって我慢するため)。我慢するので便が固くなり、出すときは、「おしりが痛い」と絶叫。「おしりが痛いからしたくない」と悪循環に。

3歳3カ月ごろ
近所の小児科で相談し、酸化マグネシウムや肛門の塗り薬をもらうも、本人が強い意志で我慢しているので、なかなかよくならず。
3~4日1回、保育園から帰宅後は夕食もお風呂も拒否し2~3時間泣き続け、22時頃限界でおむつに出し、そこからやっと夕食を食べて寝る。出したあとは、「痛かった…」という日もあれば、「全然痛くなかった~」と、ケロッとしている日も。でも、出すまでは異常に怖がり、「痛いっ!痛いっ!」と泣き叫ぶので、私もその姿を見るのがつらいのと同時に、いつか虐待で通報されるのではとヒヤヒヤ。息子もイライラすることが目出ち、私も耳鳴りや難聴に悩まされるように。

3歳6カ月ごろ
会社を辞めることを決断。近所の小児科に「便秘外来を紹介してもらいたい」とお願いし、紹介状を書いてもらい、便秘外来通院開始。便秘外来の先生からは、うんちを我慢してためるのが癖になっていて、肛門の近くに便をためるスペースができてしまっているから、まずはそのスペースをなくすために、「2日出なかったら浣腸」と言われる。同時に、酸化マグネシウムと漢方薬、また切れ痔もできているので、肛門に注入する痔の薬も使用。

3歳7カ月ごろ
浣腸を極端に嫌がるようになり、2日に1回は絶叫の日々。22時近くまで泣いて拒否し、最後は疲れ果ててしかたなく浣腸。浣腸をするとすぐに出て、そのあとはケロッとしている。ちょうど22時頃に夫が帰宅するときは、帰宅直後の夫も一緒に夫婦で必死になだめ、最終的には夫婦でおさえて浣腸することも。ただ、浣腸のあとは、すんなり出るので、おむつではなく、トイレでできるようになる。それは進歩。
便秘外来で「大変です」と相談すると、「たぶん、あと少し。もう少しいろいろ理解できるようになると、我慢しないほうがいいってわかってくると思う」と言われるも、こちらはそんな日が本当に来るのだろうかと信じられず…

 

娘が絶叫して拒否した浣腸薬と痔の薬。これを出したときの娘の怯える顔を見るのが本当につらかった…

わが子の便秘ヒストリー 4歳~現在

4歳ごろ
浣腸がイヤだから、2日に一回、なんとかうんちを出すようになる。出るまでは泣き叫び、私もトイレに一緒に入ってそばで応援するように言われるが、本当に出そうになると私は退出するように言われ、ドアをピッタリ閉めて一人で出す。
時々、「痛そうで怖い、あとで~」と泣くので、そのたびに「あとでするともっと固くなって痛いよ、今、がんばろう!」となだめ、できたときは、「早めにしたから、痛くなかったでしょ。がんばったね、また出そうなときは早めにしようね」とほめまくる。

4歳6カ月ごろ
だいぶ、排便のペースがつかめてきて、浣腸なしでも出るように。また、便秘に効く足ツボを調べて押してあげると、気持ちよかったようで「ツボ押して」とリクエストするように。ツボ押しが効いたのか、ツボ押しが精神安定剤のようになったのか、2日に1回自力で排便するのが定着。
でも、「保育園のトイレでは絶対無理~」と異常に怖がるので、理由を聞くと、「トイレのドアの上と下が開いているから(幼児用で外から見えるようになっているため)、ポチャンという音がみんなに聞こえるのがイヤだ」と言うから驚く。家ではピッタリドアを閉めるからできるようになったと。
その後、保育園ではドアが上下も閉まる大人用のトイレを借りてできるように。外出先でも、ドアをピッタリ閉めればできるように(私がトイレの外から手で押さえて待つスタイル。人が多いときはちょっと恥ずかしい…)。

4歳9カ月ごろ
便秘に悩んでいたのが嘘のように、スムーズに排便ができるように~!

便秘に効くと信じて、たくさん押した足ツボ。ツボが効いたのかはわかりませんが、娘はツボを押すことで安心できたよう。



便秘外来での便秘治療を振り返って

便秘外来に通うようになってから、保育園のほかのママから「便秘外来ってどうですか?うちも便秘で…」と声をかけられるようになりました。私も、悩んでいるのは自分だけじゃないんだとうれしくて、わかることはなんでもお伝えしました。
話していると、「おむつじゃないとできない」「立ってしないとできない」というお子さんがすごく多いことがわかりました。
そして、わが家の場合、息子は驚くほど快便なので、子どもの排便習慣って本当に個人差があるんだなぁと実感しました(息子は、突然、「出る~」と言いながらトイレに駆け込み、20秒くらいで「危なかった~」と言いながら出てきます。息子と娘、たして2で割ってくれ~と思うくらい…)。

また、子育てって本当に予期せぬことが起こるのだなぁと。まさか、自分が、子どもの便秘が原因で仕事を辞めるなんて思ってもいませんでした。実は、仕事を辞める決断をした当時はすごく落ち込みました。もちろん、いちばん大変なのは娘というのはわかっていたんですが、「なんで、仕事を辞めないといけないんだろう」「就職氷河期で、苦労して手に入れた正社員のポジションなのに」「違う職業の人と結婚していたら、もっと分担できて、私が仕事を辞めなくても乗り越えられたかもしれない」「子持ちだから次の仕事は見つからないかもしれない」「見つかったとしても新しい環境になじめるのか」「経済的にやっていけるのだろうか」とマイナスなことばかりが頭をグルグル…
でも、その後、転職活動をしたり、初めて派遣社員として働いてみたり(派遣会社の担当の方もとてもいい方で、派遣先の会社でも皆さんによくしてもらい、新しい環境でもやっていける自信がつきました)、LEEやLEEwebの暮らしのヒントで記事を書かせてもらったり、40歳目前にして今までの人生では考えられなかった新しい挑戦ができるのは、全部娘のおかげだなぁと前向きに捉えられるように。

ちなみに、会社を退職したことで、耳鳴りや難聴はほぼ完治。今思うと、私の場合、「正社員、絶対辞めたらダメ!」という呪縛のようなものやプレッシャーもあったので、一度、解き放たれたのもよかったのかなぁと。
便秘の話からはだいぶそれますが、もっと日本の社会が、子育てで一度退職した人やブランクがある人でも再就職しやすい社会になってくれたら…と願わずにいられません!!!

そして、今、便秘がちなお子さんを持つ方は、こじらせると大変なことになりますので、たかが便秘と思わずに、早めに治療を。
こじらせて悩んでいる方、今はつらくても絶対ゴールは来るので、あきらめないでください!

歴代の薬たち。見るだけでつらい日々を思い出し、涙が… 。今では薬はなくても快便です!

渡辺有紀子 Yukiko Watanabe

編集・ライター

1979年、新潟県出身。妊娠・出産・育児の雑誌編集を16年間経験。家族はレコード会社勤務の夫、2010年生まれの息子、2014年生まれの娘。ほぼワンオペで仕事と育児の両立に奮闘するも、娘の便秘通院をきっかけに退社し、フリーに。趣味はクラシックバレエ。

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