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藤原千秋

「ボトル類の正しい洗い方」水分補給に欠かせない水筒は雑菌だらけ?

  • 藤原千秋

2019.08.04

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水筒やマグボトルの、「茶しぶ」汚れって、実は……


夏本番。熱中症対策としても有効な、こまめな水分補給、欠かせませんね。

がぜん活躍する水筒、マグボトルの類ですが、直飲みしている口周りなど、すぐにぬめりやすいのが玉に瑕。気づくとボトル内部にもぬるっとする茶しぶのような汚れが……。

ひと昔前の感覚では、麦茶などを入れることが多かったことから、このような水筒の底などにつく「茶しぶのような汚れ」は、「ただの茶しぶ」や「茶しぶのふやけたもの」などのように、軽く認識されがちでした。

でも、この茶しぶのような「ぬるっ」とする汚れ。

実は、「細菌のかたまり」(バイオフィルム)!!!

水筒の中身を腐らせたり、お腹を壊す原因になりかねないんです。

どうやって洗うのが正解?

このてのぬるつき。主に、ボトル内部の底、それから喫水線、ボトルふたの口をつける部分や、ふたの裏などのパッキンに付きやすいもの。指で触れる部分であれば、指先でこすってみるとぬるぬるが分かります。

また、特にゴムのような素材でできたパッキン部分は、知らず知らずのうちにカビまで生えていることも。

こういった箇所はどうやって洗ったらいいのでしょう?

まずボトル内部は、食器用洗剤「柄つき」のボトル洗い用スポンジで洗います。

不用意に傷をつけないよう、磨き粉や硬すぎるスポンジなどは使わないようにしましょう。

食器用洗剤のなかでも泡タイプの新しいものは、ふた回りなどの細部にも洗剤が行き渡りやすく、また濯ぎも早いのでボトル洗いに適しています。

細かな凹凸の多いふた部分は、外せるパッキンなどは全て外し、小さなブラシ等と食器用洗剤を組み合わせて洗いましょう。このブラシですが、使用済み歯ブラシなどは不衛生なので避け、できればボトル洗い専用のものを使いたいところです。

カビはどうする?


パッキンやプラスチックふた部分に、ついたばかりのような小さな黒いカビであれば、上記のようにしっかりと洗うだけでも存外落とせます。

数か所見受けられ、擦った程度では落ちない場合は、湯飲みのような小さな容器にパッキンを入れて、キッチンなどで使える酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)をふりかけ、ぬるま湯を加えて泡立たせ5~10分程度置いてからよく洗うと、取れていることが多いです。

それでも落とせない場合には、泡状の台所用漂白剤(塩素系)を使うという方法もあります。ただしパッキンの取り扱い注意として、塩素系漂白剤の使用では変色や変形の可能性があるとされている場合には使用しないでください。

またほとんどのステンレスボトルは、ボトル内部の塩素系漂白剤の使用が禁忌となっています(コーティング等を傷めてしまうため)。塩素系漂白剤を使ってしまった後で、飲み物が金臭く感じられるような場合、内部が錆びている可能性があります。使用を中止してください。

ちなみに全面が真っ黒にカビてしまったパッキンなどは、なんどもカビ落としをするよりパッキンを買い替えてしまった方が経済的だったりします。ボトルの型番が分かればインターネットなどで簡単に買えますので、検索してみましょう。



「重曹」や「クエン酸」は使える?

水筒やマグボトルの汚れ。「口をつけるものだから」「洗剤が残ったら不安」などの理由で、エコな「重曹」「クエン酸」を使いたいというニーズが一定数あります。

「水あかにはクエン酸が効くのでは」「こびりつきを重曹で研磨してみては」

基本的に、スポーツ飲料のような酸や塩分を含んだ飲み物を入れるのを推奨していないボトルの場合は、クエン酸使用は避けた方がいいでしょう。ただまれに水道水に含まれる鉄分がボトル内に沈着してしまうことがあり、そういった汚れの掃除にはクエン酸が活躍することがあります。

重曹も安全性の高い洗浄剤ですが、研磨につかうとボトル内部のコーティングを傷つける可能性があります。食器用洗剤に比べ、思わぬ不具合が生じる可能性がある点を考えながら使うようにしてください。またどんな洗浄剤を使った際も、かならず成分が残らないよう念入りに濯いでくださいね。

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住宅アドバイザー・コラムニスト

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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