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佐々木はる菜

日本人の睡眠は世界最低レベル!快適に眠るために必要なことって?【コアラ・マットレス体験談・前編】

  • 佐々木はる菜

2019.07.25

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夜になっても気温や湿度が高いことが多いこの季節、皆さんは毎晩よく眠れていますか?
今の時期ならではの蒸し暑さに加え、家族4人で並んで寝ている我が家では「眠る環境」そのものに課題を感じることが増えていたのですが、あるマットレスとの出会いが睡眠環境を見直すきっかけとなりました。

今回は、親子共に家族で快適に眠ることができるようになった我が家のリアルな変化をレポ!予防医学研究者の先生による「睡眠講座」で学んだ内容もお伝えしながら、寝苦しい季節を快適に過ごすためのヒントを前後編の二本立てでお送りします。

興味のきっかけは、家族4人で並んで眠る我が家の悩み

こちらは4年前の写真。今ではだいぶ窮屈に…

我が家では、今でも7歳息子・4歳娘と家族4人一緒に寝ています。
子どもが産まれてからベッドや布団など様々なパターンを試してきましたが、試行錯誤の結果、寝室の一画にふたつのマットレスを並べて敷き詰める形が定着。特に子どもたちが小さい時はお世話などが非常に楽でした。今後は本人たちの成長や希望と共にまた変えていく予定ですが、基本的には「家族一緒に眠る」スタイルに満足しています。

一方で課題に感じているのが、家族間での生活時間の差です。夫は毎晩帰りが遅めで平均夜22時ごろ。色々と相談した結果、平日は夫の帰りを待たずに私も子どもたちと早めに就寝するようになりましたが、夜中に夫が寝るタイミングで私が必ず起きてしまい、特に寝苦しい季節はそのまま寝付けなくなってしまうことも…。早く眠る分、早朝に起きて家事や仕事などをしているため寝不足が続くこともあり、何か良い解決方法はないかと悩んでいました。

そんな時に見かけたのが、ネット上などで話題を集めていたオーストラリアの寝具メーカー「Koala Sleep(以下コアラ・スリープ)」のマットレスの動画でした。

★【衝撃の動画】マットレスの上で思い切り跳ねても、ワインを注いだグラスが倒れない!

「コアラ・マットレス」にワインを注いだグラスを載せ、その横で大人の男性が飛び跳ねても倒れないというコミカルかつ衝撃的な映像で、その振動吸収性の高さから「隣で寝ているパートナーを起こさずに眠れる」と人気を集めているという話に強く興味を惹かれた私。実際にどんなマットレスなのか取材させていただけることとなり、コアラ・スリープが開催するイベントに参加してきました。

世界でもダントツに短い、日本人の睡眠時間

当日は、日本支社でマネージャーを務めるアダム翔太さんが、ワイングラステストのパフォーマンスもしてくださいました。本当に倒れない様子に、会場からはどよめきが。

コアラ・マットレスの体験ブースや睡眠講座などもある盛りだくさんなイベントでしたが、私が一番印象に残ったのが、「大切な人を起こすことなく一緒に眠れることで、“快眠”と“家族との良い関係”を両立させたい」というコアラ・スリープのメッセージでした。そしてその背景にあるのが、世界と比べても深刻な日本人の睡眠課題です。

2015年の設立から3年で、オーストラリアで最高評価を獲得するリーディングカンパニーに成長したコアラ・スリープ。日本には2017年に上陸し、日本人ならではの悩みや体型、好みに合わせた設計や開発で人気を拡大しているそうですが、その中で浮き彫りになってきたのが、日本人が慢性的に抱えている睡眠の問題でした。

例えば日本人の平均睡眠時間は、経済協力開発機構の加盟国中で最短。年々減少し2018年は442分=7時間22分(参照:経済協力開発機構2018)で、中でも40代男女の半数前後は「6時間未満」と回答しているそうです。また「睡眠で休養があまり取れていない」と答える割合も高く、40代男女(30.9)%、50代(28.4%)、30代(27.6%)という結果に。
私自身はなるべく7時間眠るように心掛けていますが難しいことも多く、うちの夫はいつも夜中の1時ごろ寝て朝6時過ぎに起きる生活を送っており、悲しいことに非常に納得感がありました。

また、パートナーと同じ寝室で眠ることが良好な家族関係に繋がるという調査結果がある一方で、日本では72%の夫婦が一緒に寝ていないというデータもあるそうです。理由には、「寝相」や「いびき」などの他、我が家と同じく「一緒に寝る時間の違い」という答えも多く見られ、現代家庭に共通した問題なのかもしれないとも感じました。

「朝型」か「夜型」かは遺伝子で決まっている?!個人差が大きい「睡眠」

イベントでは、予防医学を研究されている専門家の先生による「睡眠の超・基礎について」という講座もあり、その中で改めて感じたのが「睡眠は個人差が非常に大きいものだ」という事実でした。

講演してくださった石川 善樹先生。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がよりよく生きるとは何か(Well-being)」をテーマとして、企業や大学と学際的研究をおこなう。専門分野は予防医学、行動科学、計算創造学など。

「よく『何時間寝れば充分なのか』、『何時に寝ると良いのか』というようなご質問を受けますが、一番大切なのは、それぞれにとって適切な睡眠時間を見極めたうえで、その質を高めていくことです。」

健康を保つ大きな要素として挙げられることが多い「栄養・運動・休養」の3つですが、その中で「休養=睡眠」は非常に個人差が大きく、充分足りているかどうかの判断が難しい分野だといいます。データや知見なども少なく、例えば栄養と運動については昔から国によるガイドラインがありますが、睡眠について発表されたのはごく近年になってからなのだとか。

よく「朝型」「夜型」という言葉を聞きますが、実際に人間は特定の遺伝子を持っているかどうかでどちらの型かが決まっているのだそうです。
「自分は朝型か夜型か把握することが大切」と話されている先生のデータでは、朝型36%、夜型16%、中間タイプが48%。その遺伝子によって、眠さを感じやすいだけでなく病気を発症しやすい時間帯なども変わってくるそうで、もしも家族間で「型」が違えば、一緒に生活する上で支障が出たり、配慮が必要になったりすることもあるのではと驚きました。

また「適切な睡眠時間」に関しても同様で、厚生省が出している睡眠時間のデータなどから「各年代の平均睡眠時間」は読み取ることができるものの、それが必ずしも全ての人に当てはまるわけではないといいます。

「データによると10代前半は平均8時間以上、65歳になるとそれが約6時間まで下がるので、『適切な睡眠時間は年をとるにつれ減る』可能性が高いとは言えます。また日本人に多い『6時間睡眠』は7時間寝ている人と比べて脳の老化スピードが2倍で進み、6時間しか寝ていない人は、脳が『ほろ酔い』のような状態になる時間が長くなるとも言われています。ただそれらが必ずしも全ての人に当てはまるわけではなく、中には年を取るほど眠る時間が長くなる人もいますよね。
一つの目安としては、日中眠くならないならば適切な睡眠をとれていると言えます。ランチの後につい眠くなるような人は、足りていない可能性が高いですね」

私は今かなり朝型の生活を送っていますが、その大きな理由はまだ幼い年齢の子ども達の生活ペースに合わせているから。子どもの頃から割と寝起きが良いものの自分が本当に「朝型」かどうかはわからない上に、7時間睡眠を目指していることにも明確な理由はありません。
また「主観と客観」にずれが出やすいことも睡眠の難しさのひとつで、自分ではよく眠れたと思っていても、実際にデータを取ると良い数値が出ない…なんてこともよくあるそう。

講座が進むほど、個人差が大きいという睡眠の特徴を実感し、単純に「〇時間寝れば良い」と決められないからこその難しさを感じました。



きちんと眠れているかどうかのチェックポイントとは?

よく知られているように睡眠には浅い眠りと深い眠りがありますが、睡眠の構造は下のグラフのようになっており、大きく3つの役目があるそうです。
最初の100分は深い睡眠で脳の疲れを取り、次の200分は浅い睡眠で身体の疲れを取り、それ以降の100分は、心の疲れを取る役目と共に記憶の定着の時間でもあるといいます。睡眠のデータを取った際、眠りの深さがグラフと近い形になっていれば「良い睡眠」を取れている目安となるそうです。

また睡眠は“誤解”も多く、以前よく聞いた「夜10時から2時が睡眠のゴールデンタイム」という説も今では間違っているとわかっており、何時に寝ても最初にきちんと深く眠れていれば大丈夫なのだそう。また「寝だめ」をしようと起きる時間を遅くすると、時差ボケのような状態が数日間続くことになり、健康にとっては逆効果。

「体のリズムは起きる時間で決まるので、起床時間を一定にすることが大切です。子どもに関しては、一般的に睡眠時間は大人よりも長く必要だと考えられています。ただ子どもでも個人差が大きいため、やはり『起きる時間を一定にすること』と『日中眠そうでないか』が大切なポイントだと言えます。」

興味深いお話がたくさんあった講演でしたが、私が一番印象に残ったのは、「大切な健康にまつわることこそ『信頼できる情報』と『効果検証』が大切だという先生の言葉でした。

「健康については色々な説や意見がありますが、気を付けていただきたいのは『マイメソッド』と『ベースメソッド』があるということです。
前者はその研究者個人が開発したものや独自の見解などで、データが少ないものが多い。一方後者は、今日お伝えしたような、いわゆる『基本的な話』です。どの研究者も普段はマイメソッドを追及していますが、信頼できる方ほど、世に出す時は『どの研究者に聞いても推奨しているベースメソッド』を軸に据えています。
特に睡眠は個人差が大きいものなので、寝具や室内の環境などの睡眠環境を整えることはもちろん重要ですが、試すだけでなく効果を測ってみることをおすすめしたいです。」

今回のイベントを通じて改めて学んだ日本人が抱える睡眠課題は、実際に日々私が感じていたことでもあり、「自分たち家族の睡眠を見直したい!」と強く思うきっかけとなりました。

昔は病院など専門機関でしか測れなかった睡眠ですが、現在はスマートフォンのアプリなどを使い簡単に測定できると伺った私は、さっそくアプリをダウンロードし測定開始。さらに、コアラ・マットレスのサンプルを試す機会もいただきました。
果たして我が家は、家族一緒に良質な睡眠をとることできるようになったのか?マットレスのリアルな体験談と、生活の変化については【後編】に続きます!

コアラ・マットレス公式サイト

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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