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飯田りえ

アリエルとだいすけお兄さんと一緒に。美しい海について考えてみました。

  • 飯田りえ

2019.06.13

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世界海洋デーにゴミ拾い&ビーチコーミングに初挑戦


連日報道されているプラスチックごみ問題。海の生き物たちが、漂流するプラスチックの被害にあっている写真を見ては、子どもたちも胸を痛めています。先日もカナダが使い捨てプラスチック製品の使用を禁止することを発表しました。ファッションブランドのプラスチック製ショッパーをやめる動きも加速しています。私たちも自主的に「プラスチックごみを出さない」「使い捨てにしない」この意識を”持続的に”持つには「まずわが家はどこから取り組む?何ができる?」とよく話し合っています。

そんな中「海で泳いでいても、プラスチックゴミってあんなに浮いていたかなぁ?」と子どもたち。どうしても映像や写真だけだと「遠い海の向こうの話」と思ってしまいがち。それは当然ですよね。現実を実際に自分たちの目で確かめた方がいいな、と思っていたちょうどその時に…渡りに船なイベントが行われました。

6月8日世界海洋デーに江ノ島の対岸、片瀬東浜海岸にてウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とNPO法人 海さくらの共催で、ディズニー映画『リトル・マーメイド』公開30周年記念トレジャリング・ミュージック@Disneyを行うとのこと。ビーチコーミング(海辺の漂流物や貝殻を拾って観察すること)をして、海で拾った物で楽器を作り演奏会を開くというのです。

アリエルが漂流していたフォークを宝物として大切にしていたシーンがありますよね。それと同じ様に、集めた貝や漂流物で楽器を作って大切にしようというメッセージ。しかもスペシャルゲストは子どもたち(ママたち?)のヒーロー・横山だいすけさん! アリエルとだいすけお兄さんに背中を押されつつ、まずは海の現状を知ろうと、初めてのビーチコーミング&トレジャリング・ミュージックに参加してきました。

 

マイクロプラスチックを目の当たりにして…呆然とする

海さくらは’05年より「日本一楽しいゴミ拾い」と掲げて江ノ島で活動されているNPOで、「タツノオトシゴが戻ってくる様なキレイな海に戻したい」と、海の清掃活動はもちろん、楽しさや体験をどんどん取り入れているのだそう。今回は「海ゴミゼロウィーク」期間中ともあって、多くの地元の方々が参加されていました。早速、専用のトングとゴミ袋をもらい、清掃活動スタートすると…あるわ、あるわ。海藻や貝などに紛れて「なんでこんなところに?」なゴミばかり。いつもは遊びに夢中で見えていなかっただけで、視点を変えるとこんなにあるものなのですね。

 

大きなペットボトルや漂流物はそこまではなかったのですが、小さなゴミは本当にいたるところにありました。プラスチックは耐久性も高いですが紫外線などの影響で劣化し、漂流する中でどんどん細分化されます。人工物なので細かくなっても自然にはかえらず、海の生き物たちが摂取してしまうことで生態系を脅かす…これがマイクロプラスチック問題です。

マイクロプラスチックとは5mm以下のプラスチックのことなのですが…本当に果てしなくありました。元が何だったのかわからないぐらい、でも確実にプラスチック。これは手で拾うのも小さすぎて大変、拾いきれません。ざるなどですくって砂を落としたいぐらい。「これが半永久的に海に漂っているなんて…」少し途方に暮れそうでしたが、小さな破片もできるだけ拾うよう、心がけました

海さくらの代表、古澤純一郎さんのお話によると「海のゴミの約8割街から来ている」そうです。海辺のゴミは、海に遊びに来た人が放置していった、と思ってばかりいましたが、そうではないのですね。排水溝や川から海に流れ着き、どんどん砕かれてマイクロプラスチックとなり、結果、生態系を壊している…。この世界的大問題が、本当に身近なところの話で起きているのです。一方で、「街をきれいにすれば、海をきれいにすることにつながる」と聞いて、毎回、江ノ島まで海の清掃には来られないけど、自分たちにもできることがある!と思えた瞬間でもありました。

 

ゴミ拾いの後は…海で拾った貝で楽器づくり&演奏会の準備へ

現実を重く受け止めつつ、集めた貝殻などを使った楽器づくりのワークショップが始まりました。今回作成したのはペットボトルに貝を入れたシェイカーと、貝やペットボトルの蓋に穴をあけ、ひもで下げたチャフチャスという2種類のパーカッションの楽器。チャフチャスは簡単で見た目にも涼しげ、何よりも自然な貝の音色が心地よく響きます。

早速作った楽器を手に、リハーサルを兼ねて鳴らしてみました。みんなでリズムに合わせて演奏してみると、貝殻の音が楽器として奏でていましたよ!さっきまで海辺に落ちていたものが、立派な音楽になった瞬間です。

演奏会の本番に向けて、直前に練習をしていると…なんと、だいすけお兄さんが激励に来てくださいました。長男、あ然…(笑)。小さな頃から毎日、歌のお兄さんとして見ていた人ですからね!まさか出会える日が来るなんて。



廃材を使った音色が…!まさにトレジャリング・ミュージック

全体のゴミ拾いも終わった正午、いよいよ演奏会のスタートです。「みんな、こんにちはー!」のいつもの挨拶と共に、だいすけお兄さんがスペシャルゲストとして舞台に登場、会場は大歓声に包まれました。今回の演奏に加わったのはペットボトル打楽器とポリタンク製チェロ、廃材パーカッション…と、これまた廃材を使った楽器たち。kajiiという日用品演奏ユニット(ワークショップの監修もされていました)で、身の回りの日用品を使って、とてつもなくクオリティの高い演奏をされていらっしゃいます。

実際に一つひとつの音色を聴いてみても、想像をはるかに超える音色!!ずらりと並んだペットボトル打楽器は、自転車のチューブが先端についていて空気圧で調律。鉄琴や木琴と違って、なんとも可愛らしい優しい音が響きました。廃材パーカッションも、見た目のシュールさからは想像もできないぐらい「え?こんなにかっこいいビートが!?」と思ってしまうほど本格的。何よりも驚いたのがポリタンク製のチェロ!本当にチェロの様な深い音が、会場いっぱいに響き渡りました。だいすけお兄さんも「鳥肌が立ちました…」とびっくり。どれも見事にアップサイクルされていて、今回のトレジャー・ミュージックにふさわしい楽器ばかり。さてさて、どんなセッションになるのでしょうか?

 

だいすけお兄さんが歌う「アンダー・ザ・シー」でコラボ

『リトル・マーメイド』はお母さまが大好きで子どもの頃から繰り返し見ていて、中でも「アンダー・ザ・シー」は家族みんな思い入れのある歌なのだそう。だいすけお兄さんお伸びやかで元気がもらえる歌声と、廃材楽器の奏でる楽しい音、あとは子どもたちの作った貝のパーカッションも加わってなんともピースフルな世界が広がりました。空まで音楽が届いたのか、さっきまでどんよりと曇っていた空から晴れ間が…!

そしてサプライズでもう一曲「パート・オブ・ユア・ワールド」も歌ってくださいました。男性バージョンの「パート・オブ・ユア・ハート」は初めて聞きましたが、さすがです。アリエルの地上への恋焦がれる切ない気持ちが、しっとりと伝わってきましたよ。

 

演奏会の最後に「いつもと違って、海で拾った廃材から作られた楽器はとても優しい音色でした。歌いながら自分も海の一部に思えてきました」と語っていたのが印象的でした。本当にその通りですね。私たちも自然の一部、一人ひとりがそう思えたら、随分環境は良くなるのではないでしょうか? きっとアリエルが誕生した30年前と今では、海の様子は変わってしまっているかもしれないけれど、まだまだ人間の住む世界は素晴らしいものだと思える様に、美しい海を取り戻したい!と思いました。

30周年を記念して、展開される映像作品やサントラ、グッズなどもこれからどんどん登場しますので、こちらもお楽しみに!
詳しくは「リトル・マーメイド」30周年HPを。
また、今回のイベントの様子はこちらのディズニー公式動画サイトからダイジェスト版が見られます。だいすけお兄さんの歌声をぜひ!

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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