前川喜平さん×谷口まゆみさん対談!社会へのモヤモヤした違和感を声に出す方法を、痛快コンビが教えます。

痛快対談本『ハッキリ言わせていただきます!』のお二人がLEEwebに登場!

昨今、「あれ? それ、何かがちょっとおかしいような?」と疑問に思いつつ、多忙な日常にまぎれ、やり過ごしてしまう問題が社会にあふれている気がしませんか。暮らしや教育といった、本来、生活に密着した分野で次から次へと起こる諸問題に関心はあっても、なかなかその件について話す場もなく、「おかしい」と批判の声をあげようものなら、逆に誰かに批判されるかもと委縮し、つい黙ったままでやり過ごしてしまう。でも、本当にそれでいいのだろうか――。

7月には参議院選挙が行われます。令和最初の大型選挙。いつも以上に「政治」や「社会」に思いを巡らせる時期になりそうな今だからこそ、しっかり考えたい。

そこで今回は、改めて私たち自身のモヤモヤした思いを「声」にするための心構えや方法を、先ごろ、痛快対談本『ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』を上梓した、元・文部科学省事務次官の前川喜平さんと大阪国際大学准教授で“全日本おばちゃん党”の谷口真由美さんに教えていただきました。

 


左:谷口真由美 大阪国際大学准教授。全日本おばちゃん党代表代行。1975年、大阪府生まれ。国際人権法、ジェンダー法などが専門分野。非常勤講師を務める大阪大学での「日本国憲法」講義が人気で、一般教養科目1000科目の中から学生投票で選ばれる“ベストティーチャー賞”を4度受賞。TBS系『サンデーモーニング』、朝日放送『おはよう朝日です』『キャスト』、ABCラジオ『伊藤史隆のラジオノオト』をはじめ、TV、ラジオ、新聞のコメンテーターとしても活躍。2012年、おばちゃんたちの底上げと、オッサン社会に愛とシャレとを目的に、Facebook上のグループ「全日本おばちゃん党」を立ち上げ、代表代行を務める。著書に『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』(文藝春秋)、『憲法って、どこにあるの?』(集英社)などがある。
右:前川喜平 元・文部科学事務次官。現代教育行政研究会代表。1955年、奈良県生まれ。東京大学法学部卒業。’79年、文部省(現在の文部科学省)入省。’94年、文部大臣秘書官。’10年、大臣官房総括審議官。’12年、大臣官房長。’13年、初等中等教育局長。’14年、文部科学審議官。’16年、文部科学事務次官。’17年、退官。現在、自主夜間中学のスタッフとして活動しながら、講演や執筆を行っている。著書に『面従腹背』(毎日新聞出版)、『これからの日本、これからの教育』(寺脇研氏との共著、ちくま新書)などがある。

自分のためではなく、誰かのためなら、声を出しやすい

――お二人の対談本、「そうだったのか!」と「そうそう!」という発見と共感がたくさんありました。ただ、お二人のように、ズバリと問題に斬り込むのは、なかなか難しいとも感じています。

谷口:LEE読者さんは社会の動きに敏感で、マジメにいろんなことを考えている方が多いというイメージを持っています。そのぶん、内にストレスを抱えていらっしゃるかもしれませんね。空気を読むのも上手でしょうし、おかしいな、という思いがあっても、こらえてしまう場面があるのでは、と想像します。でも、自分“だけ”のためなら、いわゆる同調圧力に従う選択もアリかもしれないけれど、子供や友達のためなら、声を出しやすいのではないでしょうか。「これを今、言うことが誰かのためになる」と信じられたら、声を上げたり、行動を起こしたりすることができる人たちだと、私はLEE読者さんをとらえています。

――まさにそうだと思います。もちろん、ファッションや料理、暮らしといった特集が軸となる雑誌ですが、集団的自衛権について考える記事や自分にできる社会貢献といった記事にも、大きな反響があります。

前川:へえ、そんな記事もあるんですか。それに反響があるというのも、素晴らしい。

谷口:でしょう? きっとLEE読者さんはマジメで、コミュニケーション能力が高いんですよ。違和感が脳裏をよぎっても、自分が主張することによって誰かをしんどくさせるのではないか、と相手の気持ちを慮るからこそ、大きな声で意見を述べるのを躊躇するのではないですか。だから、こんなふうに考えてみたら、どうでしょう? 静かな水面にコトンと小石を落としたら、もしかすると自分の子供、友達の子供、隣の家の子供、大切な家族や友達にとって良い結果をもたらす可能性がある。可能性がゼロでないなら、少し勇気を出して小石を落としてみよう、という気持ちになりませんか。誰かのためなら頑張れる人が、たくさんいるはず!

前川:私は2年前に文部科学省を辞めて以来、交友関係がガラッと変わり、広がりました。2割くらいは以前の交友関係が続いていますが、8割、変わったかもしれない。たとえば、こうして谷口さんともご縁ができました。新しく出会った人々の中に、それまでまず付き合うことがなかった、30代、40代の女性グループがあります。彼女たちはモヤモヤ感をハッキリした意識に変えた人たち。憲法を勉強するために、憲法カフェで集まるとかね。別に憲法に限らないですよ。さまざまな社会問題を考えるサークルが、探すと結構あちこちにあるんです。私も驚きました。ですから、関心のあるテーマのグループに、ちょっと顔を出してみてはどうでしょう。同じ違和感を持つ、知らない誰かに出会えるかもしれません。そうすれば、自分だけがモヤモヤしているんじゃなかった、と勇気づけられると思います。ただ、僕の講演会などはまだ、60代以上のご年配が多いんですけど(笑)。

谷口:あ、ご年配が多いって、わかります! 50歳から60歳ぐらいになると、何かを脱ぎ捨てられるというか、気を遣いすぎることもなく、「声を出していいんだ」としっかり主張できるようになる。人生半分生きて、これからは好きに生きたらええんちゃうか、と楽に、自由に、発言できるようになる。逆に言えば、30代、40代は悩み多き世代なんですよ。隣の家が子供にそろばん習わせているならうちも習わせないといけないかな、なんて、周りが気になるでしょうから。だから、悩みが尽きない。

 

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Writer Profile

中沢明子

ライター・出版ディレクター

Akiko Nakazawa

1969年、東京都生まれ。女性誌からビジネス誌まで幅広い媒体で執筆。LEE本誌では主にインタビュー記事を担当。著書に『埼玉化する日本』(イースト・プレス)『遠足型消費の時代』(朝日新聞出版)など。

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