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食物アレルギーの子どもと暮らす

ダニ・カビ注意! アレルギーっ子ママ、藤原千秋の大掃除

  • 藤原千秋

2016.11.27

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師走目前、大掃除シーズンも目前ですね。

今回は『食物アレルギーの子どもと暮らす』の流れで「アレルギーっ子」を育てているママ目線での、お掃除の話をしたいと思います。

さまざまな場所、媒体でお掃除についてのコンテンツをまとめたり、お話したりする機会の多い私なのですが、案外こういったテーマで情報をまとめることってあまりないので参考にしていただけたらとても嬉しいです。

見た目の「キレイ」とアレルゲンの量は比例しないかも知れない!

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師走と言えば年末。年始にかけての里帰りで、久しぶりに実家にお泊まりする方も多い時期です。

もうすっかりお客さんとして家族で客間に通されることもありますし、夫婦どちらかが子ども時代に使っていた部屋(子ども部屋)で寝ることもあるでしょう。

普段人がいない、それだけに汚れにくいと思われがちな、そういったお部屋や、お客様用の特別の布団というものは基本的に「キレイ」なものです。

でも、その「キレイ」なはずの部屋や布団に反応して、アレルギー症状を呈する人が少なくありません。何故かというと、一見「キレイ」でも、湿気が入り込んでいたり、微量な汚れがあるだけで、目に見えない場所(じゅうたんや畳、布団の綿の中など)にはダニやカビといった典型的なアレルゲンが、多量に潜んでしまいかねないからなのです。

腐ってもいないし、カビも生えてはいないけれど!

一見「キレイ」な場所といえば、ちゃんと拭き掃除しているキッチンの食品庫や食器棚の引き出しなどに、普段使いの小麦粉やお好み焼き粉、ホットケーキミックスなどを使いかけで封して取っておくことってそう珍しいことではないと思います。

粉ものだし、腐るはずないし、カビも生えてない。

なのに、そんな粉を使った料理を食べて、救急車……というケースがままあります。この粉の中に、輪ゴムなどで封した隙間からダニが入り込んで、それを食べてしまっての、アナフィラキシーショックが起こってしまうことがあるためです。

毒を食べたはずもないのに、顔が腫れ、気管が腫れ、呼吸が困難になり、血圧が下がって意識不明になってしまう。同じものを食べても他の人が何ともなければ通常食中毒を疑うこともないため、周囲の人はとても驚きますが、この状況はものすごく生命にとって危険な状態なのです。

健康に影響する場所こそ、「大掃除」したい!

fotolia_81664306_s「見えないダニ、カビ」は布団やベッドの他、布ソファ、ラグ、カーテン、普段触らないたんすやクローゼット、押入れや納戸でも人知れず増えますし、エアコン(フィルター)、久しぶりに出した類の空気清浄機や加湿器は文字通り温床になっていることが多く、いずれも咳や喘息、皮膚の痒み、鼻炎症状などを引き起こします。

「大掃除」というものでは、わりあいに派手な(目立ちやすい)キッチンの油汚れや風呂場のカビの撲滅方法などに照準が当たることが多いのですが、実をいうとそれらが汚れていてもあまり健康には影響がないというか、風呂場のカビにしてもそのカビの傍で1日に8時間過ごすという方はまずおられません。

けれども寝室は6時間程度は概ね滞在しますし、布団ともなるとアレルゲンに密着して過ごすことになるわけです。油汚れがどんなにあっても、お腹を下す心配があるわけでもありませんが、食品庫のダニ汚染は死活問題です。

それでなくても子育て真っ最中。慌しく、限られた師走の時間と労力を割いての「大掃除」になります。

今回お話ししたような、アレルギー要注意ポイントを(のみ)押さえてみるというのも、作業の優先順位を定める上で大切なのでは。と、アレルギーっ子ママである私は思いつつ、換気扇掃除はまた来年にしようっと……いえ言い訳ではないですってば!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住宅アドバイザー・コラムニスト

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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