堤真一さんが35人のオーケストラとともに挑む、舞台『良い子はみんなご褒美がもらえる』

みんなが”良い子”になりがちな社会

 

「自由を奪われた時、自分だったらどうなるだろう、と考えさせられました」

 

堤さん演じるアレクサンドル・イワノフは政治犯で、旧ソビエトと思われる独裁国家で、自由な発言と行動を制限される役どころ。ちなみに、演出を担当するウィル・タケットさんが、この作品を上演するのに今は「パーフェクトな時」とコメントを寄せていました。

「先日、ドキュメンタリー番組で中国の強制労働所、馬三家で拷問を受けた人の証言を観ました。その人は筋肉隆々なんかじゃなくて、学者のような雰囲気の線の細い人でした。一見、とても拷問に耐えられそうには見えない。でも、意志の強さを感じました。それで思ったのは、身体が頑強だからといって拷問に耐えやすいわけではなく、強い意志が自分を支えるのかもしれないな、ということ。自分だったら、どうだろう、耐えられるのか、と考えさせられました。僕が演じるアレクサンドルも強い意志の持ち主ですが、俺は意志が強い!と声高な感じで演じるより、淡々と演じるほうが逆にいいかな、と今は思っています。それにしても、ハンガーストライキをするってすごいですよね。僕も小学校の頃、母親に少年野球のジャンパーを買ってほしいとせがんで、ハンストしたことがあるんですけど、夜にこっそりお菓子を食べちゃったのを思い出しました(笑)」

 

『良い子はみんなご褒美がもらえる』の本国でのタイトルは『Every Good Boy Deserves Favour』。これは五線譜を覚えるための英語の語呂合わせです。そこにはさまざまな意味が含まれていますが、堤さんが考える“良い子”とは?

「うーん、そうですね、みんな“良い子”になりがちですよね。悪いことは言われたくない、という気持ちは誰にでもある。特に独裁国家では命の危険もあるわけだから、“良い子”でいるほうが安全でしょうし。最近ね、生まれて初めて犬を飼い始めたんです。散歩に連れて行くと、まあ、よく噛んでくるし、叱ろうとすると元気に走って逃げていく。でも、悩んでいるんですよね。“良い子”でいてほしい気持ちもあるけれど、やんちゃな行動もとてもかわいい。やんちゃな部分を押さえつけたら、コイツじゃなくなってしまう気がして。おかしな話かもしれないですが、そんな我が家の犬を通して、“良い子”ってなんだろう、と考えているところです」

 

 

ライター・出版ディレクター

Writer Profile

Akiko Nakazawa

1969年、東京都生まれ。女性誌からビジネス誌まで幅広い媒体で執筆。LEE本誌では主にインタビュー記事を担当。著書に『埼玉化する日本』(イースト・プレス)『遠足型消費の時代』(朝日新聞出版)など。

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